2024年第3四半期決算全体
(アサヒグループホールディングス決算短信引用)
(アサヒグループホールディングス決算説明資料引用)
2024年第3四半期の決算では、売上収益は2兆1,679億(対前年同期比7.2%増)、営業利益は1,934億円(対前年同期比2.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は1,393億円(対前年同期比4.7%増)、増収増益となりました。結果としてはとても良いとおもったのですが、株価は4%ほどマイナスになっています。
内容はそんなに悪いものではなかったのですが、もっと評価されるべきかなとは思います。
売上収益が伸びた要因は価格改定効果などで単価が上がり営業収益の増収になりました。
日本ではやはりビールの売上が下がっていて、単価が上がっても財布の紐が固くなっているなと思います。アサヒグループホールディングスの海外に積極的に展開するという戦略は、将来の国内減少減と高齢化と若者のお酒離れからも、海外に重きを置くというのは長期的に見て正解だったようです。
欧州では売上収益が6099億円(前年同期比+856億円)とかなり伸びています。主因はプレミアムにより単価向上とOctopiの新規連結効果です。アサヒグループホールディングスのプレミアム化戦略は、単に商品の価格を引き上げるのではなく、高価格帯商品の比率を増やすことで利益率を向上させることを目指しています。
Octopの買収により、アサヒは初めて米国内で「アサヒスーパードライ」や「コゼル」などの主要ブランドを現地生産できるようになります。
Octopの買収でアメリカおよびカナダ市場での販売拡大が期待でき、アサヒスーパードライの売上成長を年間15%以上目指す計画があります。
北米市場は現在、アサヒスーパードライの全体売上の約7%しか占めていないので期待があります。
今年にヨーロッパに行きベルギーやドイツ、オランダに行きましたが、お酒の需要は強いなと実感します。インフレの中で所得も上がっているので、それと並行してアサヒグループホールディングスのプレミアム化戦略で商品単価と高価格商品の比率を上げて利益が上がっていけば、買収でアサヒグループホールディングスのシェアが拡大するとともに、成長に繋がっていくと思われます。
アサヒグループホールディングスは事業利益を使用しています。営業利益ではなく事業利益とは何かというと、アサヒグループホールディングスの定義によれば売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した恒常的な事業の業績を測る当社独自の利益指標としています。
この指標を利用している理由は、アサヒグループホールディングスは巨額の買収でグループ全体で大きくなっているので、事業の統合など一過性の費用が発生しています。
今回の決算でも163億円の費用が事業統合費用が発生しています。
アサヒグループホールディングスは欧州やオセアニアでのビール事業の買収後、既存の経営資源やシステムとの統合が必要となり、そのための費用が計上されています。
また買収後の事業統合では、各地域でのオペレーション効率化やコスト削減を図るためにシステムやプロセスの統一が行われます。これには、新しいITシステムの導入や物流ネットワークの再編といった投資が必要となり、こうした費用も事業統合関連費用として計上されます。
M&Aで費用がかさんでも、無形資産償却費が296億円費用として発生しても売上や利益が伸びています。
今回の決算では人件費の費用も上がったり、インフレで日本以上に価格が上がっている中でもアサヒグループホールディングスは売上とともに利益を伸ばしています。
そもそもなぜ、事業利益に着目し始めたのかというと、ROEがそこまで高くないのに純資産が意外と伸びているなと思ったからです。調べてみると調整後のROEは10%を超えていて、なぜ調整後のROEを使用しているのかを調べていったときに買収費用やのれん償却費、事業統合などが一過性の費用として発生していて、事業自体は悪化しておらず、むしろインフレと共に事業の質が高まっているなと分析しました。そのときに営業キャッシュフローの質もかなり高まっているのを分析してわかり、今年に100株投資を行いました。
含み損は抱えていますが、それでもあまり価値がある事業として評価されていないなと感じます。
最近では、銀行株の好決算で増配や自社株買いなども行いとても勢いがあります。
僕も銀行株に魅力を感じています。
ただ、やはり注意したいのは、誰もが欲しい時に投資をしてもなかなかリターンは出にくいということです。こういう落とし穴というか矛盾みたいな感じが株式投資の醍醐味でもあるなと面白いと感じるところです。
銀行株の今後国内の金利上昇で稼ぐ力が上がっていくことは決算を見て実感します。配当も増配して勢いも感じます。ただ、価格が上がっていくのをみて魅力を感じて、誰もが欲しいと思いさらに勢いがでて株価が上がっていくのは価値がときに過剰に評価されていると思います。
本当であれば、株価が上がる前にあまりだれもがそこまで欲しいなと思わない株価で割安だと判断して仕込んでいくのが正しいと思います。
株価が上がっていくと、正常に人は判断できなくなってしまうと僕は思っています。
以前、鬼滅の刃がコロナの時に、ブームになって映画も千と千尋を抜いて興行収入一位となっていました。僕は漫画で鬼滅の刃は読んでいたことはありますが、映画も少し観た感想は面白いとは思いますが、そんなに興行収入一位にまでなるものか?と疑問がありました。
誰もが、あの映像美が素晴らしかった(意外と血とか流れているのに)とか、泣けるとか、何度も観る価値があるとか、言っている人を周りに見かけて、めっちゃ頭が切れる上司の女性も、周りに同調して同じような考えと価値観になっていました。
そのときに、勢いというのは何か人の考えを麻痺させるお酒のように正常に判断を難しくさせて、時間が経ったときになぜあんな行動をしたのかと後になって冷静になるものではないかと思いました。
銀行株はたしかに勢いがありますが、国内の金利上昇をしていったときに、果たして日本の企業は倒産とかも大丈夫かという懸念もあります。つまり貸倒引当金がドミノ倒しのように連鎖的になっていたらという最悪のワーストケースもあります。
もしそういうワーストケースが実現しそうでも銀行株に投資をするかと考えたら、少しは正常に判断を下せそうです。
価格が上がって、勢いに乗り投資をして含み益を増やすというのもありだと思います。
ただ、長期でリターンを伸ばしていくとなると、株価が上がっている局面では株数は増えにくいです。
お金が金融系に流れていく方向性だと思います。
だからこそ、あまり価値が評価されていない投資先に長期で投資をしようと思います。
株数を増やしていきアサヒグループホールディングスに長期で投資を継続して行っていきます。
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