アステラス製薬【4503】2026年3月期第2四半期(4-9月)について。株価は上昇しているが、少し懸念点もある内容でした。

製薬株

アステラス製薬【4503】2026年3月期第2四半期(4-9月)についてが発表されましたので記事にします。
決算の発表を受けて株価が急上昇しました。
今回の業績は結果としてとても良かったです。
決算発表があった翌日はそこまで株価は上がりませんでしたが、昨日5%ほど株価が上昇していてようやく上がってきたかと一安心です。
ただ、今回の決算で少し懸念点も出ている点も見逃せませんでした。

アステラス製薬【4503】2026年3月期第2四半期(4-9月)について簡単に解説していきます。

アステラス製薬【4503】2026年3月期第2四半期(4-9月)について。株価は上昇しているが、少し懸念点もある内容でした。

(アステラス製薬決算短信引用)

(アステラス製薬決算説明資料引用)

売上収益は1,030億円(前年比+10.1%増)、コア営業利益は2,826億円(前年比+54.4%増),コア当期利益2,114億円(前年比+50.2%増)となり、増収増益となりました。
かなり業績が改善されて素晴らしいですね。持ち続けてようやく明日を照らしてくれるのではないかと思わせる内容でした。
フルベースの業績においても、営業利益1,993億円(前年比+112.8%),四半期利益は1,476億円(前年比+100.8%)とかなり業績が改善されています。フルベースでも業績が改善されているので、数値上ではコアベースばかりが見栄えが良かったですが、フルベースでも追いついてきた感じですね。その点に関しては興味深いですね。

売上の伸びは重点戦略製品は2,205億円増加しています。
着実に伸びてきているので、イクスタンジの特許切れにも間に合いそうですね。
1Q同様に今回の決算でも同様にイクスタンジの内容は主にありませんでした。
質疑応答でもイクスタンジについて質問があり、主力製品であるイクスタンジの特許切れで売上は下がるのはそこはそことして、今の主要重点戦略製品に注力していてる、そしてそれだけでなくその先の主力になりうる製品にも今後先を見据えて着手していくと岡村社長が言及していました。

アステラス製薬が買収したIveric Bioのアイザベイの売上についてですが2Qで1,025億円の売上(前年同期比+35.9%)でした。
市場環境変化による患者の経済負担増が新規患者・売上に影響、通期予想を下方修正とありました。ここが少し懸念すべきところかなと思いました。巨額の買収ですので減損の可能性が出てきたらかなり見栄えが良くないですね。質疑応答でもありましたが、今回アイザベイについて結果的に思わしくなかったですが、薬の業界はイレギュラーのことがあるので下がってもしょうがないじゃなく他の重要戦略製品が成長しているのでカバーできていて、もしアイザベイが費用をやりくりしたりしてカバーしたりなどいろいろと講じることができると岡村社長が言及していました。
岡村社長は少し変わっているなと、前々から動画視聴で思っていましたがこういう経営者が企業をより発展させていくのではないかと分析しています。
IZERVAYのピーク時の売上は2,000-4,000億円を予想していますので、まだ成長の余地があるので将来に期待ができます。

骨髄性白血病の治療剤パドゼフに関しては1,025億円(+35.9%増)で、売上がかなり成長しています。
決算説明資料の中でもパドゼフが売上成長を牽引していると強調していました。
パドゼフは100億円上方修正を行っています。
パドゼフのピーク時の売上4,000 – 5,000とありますので、アイザベイ同様にまだまだ成長の余地があります。

VEOZAHは閉経に伴う重度の血管運動神経症状(顔のほてり・のぼせ等)の治療薬です。
2024年の2Qの実績は229億円(+54.7%増)となっています。着実に売上は伸びています。


VYLOYの売上は266億円です。
当初想定を大きく上回り、好調に推移しているようです。地域の拡大も順調で、承認国は47カ国まで広がり、そのうち26カ国で発売しています。
通期予想を期初の400億円から、1.5倍となる600 億円へと大幅に上方修正しています。素晴らしいですね!!

利益面で成長した要因は、1Q同様に売上が伸びたのはもちろんコスト最適化による効果が如実に表れているということもあります。約160億円のコスト最適化がなされるようです。
組織再編、成熟製品の費用削減、ITインフラの合理化などで30億円のコスト最適化がなされています。
また研究開発費でも前年同期比で16.9%も減少しています。臨床試験を含む開発機能の内製化に伴う外注費の削減などでコスト削減で70億円などコスト削減になっています。
北村CFOの発言でもSMTによるコスト削減効果前倒しでできているとも話しており、
SMTはSustainable Margin Transformationの略で今ある販管費を継続的に削減を行っています。
今回の決算でSMTの効果が表れていますが、北村CFOによると一過性のものではなく、継続的なものであるので、今後もその効果が表れてくると発言していました。
昨年でSMTの効果が400億円の削減効果、今年で200億円の削減効果がでるので今の段階で160億円の進捗はかなり良いともありました。
コア営業利益率も着実に上がっているので目標であるコア営業利益率が30%もいずれ時間はかかるかもしれませんができる可能性も出てきました。

今回の決算で関税についても触れていました。
まだ関税の影響は不透明であるが、少しずつ落ち着き始めているなというのが岡村社長の体感です。米国で販売している製品の相当部分を米国で製造していて関税がかかるそもそもの分⺟が小さいから大きい金額にはならないとのことでした。
何か関税のようなもので不利益があっても、他のところで打ち返したり費用を削減した利していくだけと心強い発言もしていました。

北村CFOがアステラス製薬に選任されてからか岡村社長の負担も減ったのか少しずつ軌道に乗りつつあるなと思います。北村CFOは最初動画でみたときに結構噛んでいた印象だったので少し大丈夫かなとも思いましたが、今の結果を観てみると着実に数値面で効果が表れているなと思いました。
今回の決算でも増配はありませんでしたが、前々からアステラス製薬を見ていたのでわかりますが、大きく業績が向上したからと急激に増配とかは考えてなく、中長期で安定的に増配していく方向であると話していました。
中期経営計画が終わるので、次の新中期経営計画がどうなっていくのかは楽しみではあります。

アステラス製薬の株価は現在1,704円、配当利回りは4.58%です。PBRは1.89倍、PERは16.95倍です。決算発表を受けてようやく株価上昇もしてきました。
と言ってもまたどこかで株価下落に転じるかもわかりません。注意は必要です。今までも株価が上がって楽観的かと思いきや急に株価が下がっていったこともありました。
楽観視しすぎて今から全力で投資はするべきではないですし、冷静に投資を行っていくべきだと思います。
売上で上方修正しましたが、イクスタンジで700億円ですのでほぼ売上の上方修正の割合はイクスタンジという所も少し懸念点です。
今回の決算の内容はとても良かったので、今株価が下がっていくタイミングがあるのであれば、来期に増配も視野に入れていくと高配当株としてとても良い投資先だとは思います。
アステラス製薬とは投資をして長い付き合いになりますが、これからも長期保有で10年後も保有いし続けられたらなと思います。
最近武田薬品の掲示板でアステラス製薬と武田薬品の明暗が分かれた、アステラス製薬に投資をしておくべきだったというコメントを見ましたが、僕からするとまたアステラス製薬で何かマイナスな材料がでて株価が下落したときに同じようなことが言えるかなと思いました。
人は一時的な出来事に対して過大に評価しますし、人が持っている物を欲しがる傾向にあります。
ただ言えることは僕のように長年含み損を耐えてきたという事実もあって、今もホールドしているので短期的視点ではなく長期的視点で見るべきはあるなと再認識しました。

今年は結局追加で投資はできていませんでしたが、来年こそは追加で投資を検討しています。



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