DCMホールディングス【3050】2024年2月期第2四半期の決算が発表されましたので記事にします。
以前からDCMホールディングスに興味がありましたが、決算の好調さから久しぶりに株価が上がっている場面があり、内容を見てみたら着実に成長しているなと感じました。
国内では成長が今後鈍化していくのではないかというのとインフレの点からも今後は厳しい状態になるかなと思いましたが、予想してたこととは反面業績は堅調に推移しつつも成長もしています。
株価上昇で配当利回りも3%以下となっていますが、それでも長期保有して高配当として育てていくと考えたときに投資先としてかなり良いなと思いました。
この記事を読んで少しでもお役に立てれば幸いです。
DCMホールディングス【3050】2024年2月期第2四半期
2024年2月期2Qの売上高は2,877億円(前年同期比16.5%増)となりました。営業利益に関しては210億円(対前年比18.3%増)、当期純利益は117億円(対前年比9.1%増)となりました。増収増益となりました。自己資本比率は2023年通期の47.2%より37.6%と前年より財務健全性は悪化しています。
今回売上高は増収した理由はケーヨーを完全子会社したことで増収となっています。
売上高はケーヨーの子会社化やエクスプライスの連結化がなければ減収となっていました。
ケーヨーは昨年の10月にTOBを行っています。
今までは地方に力を入れてきたDCMホールディングスでしたが、首都圏にも足場を作る一歩としてとても大事な一歩だったと思います。
以前は島忠をTOBしようと行動に移そうとしていましたが、ニトリホールディングスに待ったをかけるように阻まれていました。
ニトリホールディングスに阻まれてしまいましたが、dcmホールディングスはM&Aで着実に成長しています。
今回の2Qの営業利益は210億円と前年同期比と比べても18%も上がっています。
売上高は連結した子会社を除いた場合減収ですが、連結前でも営業利益は改善しています。
販管費の18億円の削減と売上高総利益率の改善で営業利益も伸びています。
今回自己資本比率が悪化しているのはTOBに伴い大きく借入を行っているためです。
支払利息が6億円と前年の支払利息は2,400万円程でしたので急激に支払利息が大きくなっていますが、それでも経常利益や当期純利益は前年同期比で増益しています。
(dcmホールディングス2024年2Q決算短信引用)
また、TOBに伴いのれんの償却費も発生していますので、のれんの償却費が費用として利益面を下げたとしても前年同期比で比べて増益となっています。つまり、のれんの償却費が一通り進み、さらに財務も改善していき利息も減っていくということになればさらに利益が積み重なっていくようになり、業績も改善していくのではないかと楽観的に考えています。配当もそれに伴い増配して自社株買いも行いをすればさらに株価上昇にも期待もできると思います。
過去の売上高の推移を見ても、堅調に推移していますがあまり売上が伸びていませんが利益面ではどうでしょうか。
利益面では、着実に利益面で成長しています。
利益が出始めていたときに、コロナの影響の巣ごもり需要で一過性のものかなと思っていましたが
利益も同じ水準で維持できています。
営業利益率を調べて数値化してみると、過去は4%台の数値でしたが、2020年以降営業利益率が上がってきていています。
今回の決算発表と同時に統合報告書を発行していました。
代表取締役社長の石黒さんのメッセージの中である文章の中で、円安や原材料高の価格の高騰で消費者の節約志向が強まっていて、その中で低価格帯の商品を展開してきている。コストコントロールに関してはできるだけ行ってきいて、一定の利益水準を確保できたとあり、従業員のマネジメントスキルが上がったことでマイナスな外的要因を乗り越えることができていると言及しています。
その点が興味深かったです。決算資料や決算短信の中で文章を読んでいて、単価の値上がりで増益とかそういう文言がなかったです。
よく、原材料高や円安の影響、燃料費高騰の影響で、商品の値上げをせざるを得ない状態になったので値上げしました。これが普通だと思うんです。
僕が働いている会社や、周りの会社もそんな感じでそれが普通だと思います。
ただ、外部の環境が変わって値上げしますというのは、取引先も同様で値上げして、結局はいたちごっこみたいな感じで、自分と取引先が値上げしてと結局はプラマイゼロになる可能性があります。
さらに、自分と取引先が値上げしてを行っていけば、消費者にも影響していき、その企業から消費者が
離れてしまうのではないかなと考えています。
dcmホールディングスの現在の状況では、値上げをしていないけれども利益水準を維持しつつも改善されて利益率も向上している。これってすごいことだなと思います。
逆に、原材料高や円安の影響、燃料費高騰の影響で、商品の値上げをせざるを得ない状態が他社の中ではあるものの、dcmホールディングスは価格帯は上げずに需要を取り囲むことができます。
なぜ他社に追随して値上げじゃなくても、利益を確保できるのか疑問思いました。
中期経営計画の中で新世代ホームセンター創業への挑戦の中で、打ち出の一つとしてローコストオペレーションの更なる追及を掲げています。
棚卸改革、物流改革、DX推進、店舗ツールの開発を積極的に行い、店舗作業の軽減、効率化を図りローコストオペレーションを図るとあります。
例えば、鮮度管理アプリの導入、セルフレジの導入、納品頻度の改善拡大運用、セルフレジの追加、回収、効率的運営、品出し業務の効率化、店舗の規模別オペレーションの統一や、作業の標準化など様々な施策を行っています。
代表取締役社長の石黒さんのメッセージの中で、新規事業を行って失敗してもいいから、種まきを行って、失敗したら諦めて、また種まきをする。
失敗をしても何かに挑戦する文化が根付いてきていることで、新しいものを取り入れてローコストオペレーションにつなぐことができているのではないかとも考えました。
今までのローコストオペレーションの積み重ねが利益面でも数値として表れていて、今回の決算の数値にも表れていました。
良い企業は、現状維持ではなく、改善に改善を繰り返して、企業をより良くしようという考えが経営者だけでなく、従業員全体に根付いている会社だと思います。
ローコストオペレーションで、他の企業が値上げしている中で低価格帯でも商品を取り扱えるので消費者も離れずに、他社からの値上げから離れた消費者がdcmホールディングスに流れ込み、さらに売上になり、利益になっていきます。またローコストオペレーションが構築されているので、今回のケーヨーのTOBのように、dcmホールディングスのローコストオペレーションが適用されて根付いてくようになれば売上だけでなく利益面でも相乗効果が生まれていきます。
良い流れが構築されてきているなと実感しています。
(dcm決算説明資料引用)
今回増配の発表も行いました。増配して配当金は44円になり、配当利回りは2.79%です。株主優待もありまして店舗で使える商品券があります。それも合わせるとおおよそ総合利回りで3%ほどです。
現在の配当利回りからは、そこまで高配当ではないですが、現在の段階で配当性向は無理しているわけではなく、増配余地もあり、さらに自社株買いも定期的に行っているので、epsも上がっていますので企業の一株の価値も向上しています。
現状は配当利回りはそこまで高くはないですが、今後さらにM&Aを通じて成長していくと長期的に考えて思える企業なのであれば投資先としてとても良いなと思います。
僕は長期保有という前提であれば投資を行っていきたい企業の銘柄の一つとして分析していて良いと感じました。
ポートフォリオの業種の分散を図るという点や国内事業ですので円安から円高になった場合にもリスクヘッジとして役割がありますので、今年は投資はしないと思いますが来年投資を検討していきたいと思っています。
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