最近の株価上昇の恩恵を受け、資産形成が順調に進んでいる方も多いのではないでしょうか。証券口座を開くたびに評価額が上がり、受け取る配当金も確実に育ってきている。高配当投資家にとって、非常に報われる相場環境が続いています。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。
「資産が増えているのに、自分の境遇や人生が劇的に変わった実感がない」
ふとそんな虚無感に襲われたことはありませんか?
実は先日、ある有名な投資系YouTuberが「資産は順調に増えているけれど、やっぱり今の仕事は辞めたい……」と本音をポロリとこぼしているのを目にしました。それを見て、「ああ、なるほどな」と深く腑に落ちたのです。
結論から言うと、金融資産(お金)の増加だけでは、私たちの人生は根本的には変わりません。なぜなら、私たちの人生において「仕事」という時間が、あまりにも密接に、そして巨大なウェイトを占めているからです。
今回は、高配当投資家こそ絶対に忘れてはいけない「人的資本の価値とその育て方」について、僕の職場のリアルなエピソードも交えながらお話ししたいと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
なぜ仕事が「苦痛」になるのか?原因は「コントロールの喪失」
もし今の仕事が心から楽しく、やりがいに満ちているなら、それは素晴らしいことです。しかし現実はそう甘くありません。「ただ1日が無事に終わってくれればいい」と時計の針ばかり気にしているような働き方では、人生の大半の時間がただの「苦痛」になってしまいます。
仕事には確かに理不尽なことがつきものです。しかし、その苦痛の根本的な原因は仕事の難易度や量ではなく、「自分でコントロールできていない(=主導権がない)こと」にあると僕は考えています。
僕の職場で、こんな二人の人物がいます。
事例1:鳴り物入りで入社した「3カ国語を操るエリート(のはずだった)同僚」
ある時、「めちゃくちゃ仕事ができるらしい」という触れ込みで、3カ国語を話せるという同僚が入社してきました。周囲の期待値も高かったのですが、いざ実務が始まると全くと言っていいほど仕事ができず、語学力も怪しいという事実が発覚しました。
結果として、彼は今どうなっているか。決して窓際族とまでは言いませんが、部署内のゴミ集めや、部屋の隅での単純な組み立て作業ばかりを任されています。周囲からあれこれと指示され、ただ言われた通りの作業をロボットのようにこなす日々。そこには彼自身の意思やコントロール感は一切ありません。
事例2:「月100時間残業」を不正に稼ぐ人
もう一人は、毎月100時間もの残業をしているという人物です。身近な知り合いの職場の環境であるらしく最初は「いくらなんでもそんなに仕事があるわけがないだろう」と驚きましたが、実態はどうやら「意図的にダラダラと残り、不正に月100時間の残業代を稼いでいる」ということでした。
確かに、それだけの時間を会社に捧げれば、目先の残業代という「お金」は手に入るでしょう。しかし、この働き方には致命的な欠陥があります。自分の人生の時間を切り売りしているだけで、何のコントロールもできていないということです。
目先のお金か、長期的なスキルか
もしその人が、「この業務フローを劇的に改善したい!」という強烈な情熱を持ち、試行錯誤しながら働いた結果としての100時間であれば、それは大きな学び(人的資本の向上)に繋がるので良いことです。
しかし、ただ「残業代をもらうためだけ」の働き方は、いつか必ず自分の首を絞めることになります。
なぜなら、その働き方は「一生、会社に生殺与奪を握られている状態」だからです。もし会社の業績が悪化して残業が禁止されたら? 万が一倒産して他の会社に行かなければならなくなった時、「長時間会社に居座る」以外のスキルが何もありません。
短期的なキャッシュフロー(残業代)で見れば得をしているように錯覚するかもしれませんが、長期的な視点で見れば、自らの「人的資本」の価値を大きく毀損しており、将来必ず自分にツケが回ってきます。
会社は「お金をもらいながら学べる最強の教育場」である
では、理不尽の多い会社員生活をどう捉えればいいのでしょうか。
僕は、「会社とはお金をもらいつつも個人では多額のお金を使えない最新のツールをさせてもらえる場所でかつ自分の教育場であり、かつ、自分のやりたいことを試せるアウトプットの場である」と考えています。
お金(給料)をもらいながら、新しいツールを試したり、業務効率化の仕組みを構築したり、マネジメントを学んだりできる。こんなに恵まれた環境はありません。会社の看板やリソースを使って、自分のスキル(=人的資本)を高める実験ができるのです。
他人にコントロールされて「やらされる仕事」は苦痛ですが、自ら課題を見つけ、自分のスキルアップのために「利用する仕事」は、人生を豊かにする最高のエンターテイメントに変わります。
金融資産×人的資本=真の自由(選択肢)
冒頭の話に戻りましょう。
「資産が増えているのに人生が変わらない」と嘆く人は、金融資産の構築には成功していても、仕事におけるコントロール感(人的資本の価値)が欠如しているのだと思います。
高配当株投資によって配当金というキャッシュフローを生み出し、経済的な基盤を固めることはもちろん重要です。これにより、生活の不安という名の「見えない鎖」を断ち切るコントロール感が生まれます。
しかし、それと同時に「仕事でも人的資本の価値を高めること」が不可欠です。 専門性を磨き、業務改善のスキルを身につけ、市場価値を高める。そうすることで、「会社の業績が傾いたりしたりして他のところに行かざるを得ない時や今の会社にしがみつかなくても、どこでも働ける」「いつでも転職できるし、独立もできる」という自由(=選択肢)を手に入れることができます。
金融資産の拡大による「経済的なコントロール感」と、人的資本の強化による「働き方のコントロール感」。
この両輪が揃って初めて、私たちは「より人生が良い方向に変わった!」と心から実感できるようになるのではないでしょうか。
投資で得た知識や、複利の力、リスク管理の考え方は、本業の働き方にも必ず活きてきます。ただ配当金を積み上げるだけでなく、「人的資本」という最強のポートフォリオも、一緒に育てていく必要があります。
僕もまだまだ金融資本は他の人と比べるとまだまだで、人的資本もスキルや専門性など日々研鑽していて未熟です。しかし着実に基盤は整いつつあります。金融資本でも着実に堅実に積み上げて、人的資本も仕事で一日一日改善をして少しでも仕事で成果を出せるようになってきています。仕事で失敗もありますが、失敗も学びだと思います。
自分株式会社のCEOとして金融資本と人的資本を高めて今後の未来に向けて備えられるように日々積み上げていきます。


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