「アサヒグループホールディングス【2502】へこれから投資をしようか考えている」
「アサヒグループホールディングス【2502】の株価、業績や株主還元について知りたい」
この記事はそのような方へ向けて書いています。
本日もご覧いただきありがとうございます。
今回はアサヒグループホールディングス【2502】についての投資判断を考えてみたいと思います。
アサヒグループホールディングスは2024年10月4日時点で配当利回りは2.54%とそこまで高くはありません。
しかし、アサヒグループホールディングスの企業の分析をしていくときに、めちゃくちゃ投資先として良くないかと分析していて思いました。
最近日本たばこ産業の分析をしている時に、国内の人口減少で将来的に日本たばこ産業の業績も暗いと思われていたのですが、海外に積極的にM&Aを通じて成長を通しています。
アサヒグループホールディングスもお酒という事業で、国内の人口減少に対してのリスクから、積極的に海外に展開していて、たばことお酒という嗜好品の類似点、健康に配慮した人が増えても、商品の値上げをすることとブランドを育てていくことでより認知されて、売上は堅調です。アサヒグループホールディングスの営業キャッシュフローがJTのようには及びませんが、アサヒグループホールディングスの営業キャッシュフローの質が高まっていて、事業の構造が利益体質になってきていて日本たばこ産業の利益体質に似てきているのではないかと考えました。
その時に、アサヒグループホールディングスに投資をしたいなと思い始めました。
この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。
業績について
EPS、売上高、営業キャッシュフローマージン、ROE
EPS
epsは右肩上がりで成長しています。素晴らしいですね。
2016年から2017年にかけてなぜ著しく上がったのかというと主な要因としてビール大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブの買収、旧英SABミラー傘下のイタリアのペローニの買収の連結で大幅に上乗せされたため大きく利益面でも伸びました。ここから欧州に大きく市場を移しています。
ここまで巨額の買収を立て続けて行うにはリスクがあると思います。
国内で現状維持で、将来の国内の人口減少でも何も手を打たないのではいけないという所からリスクを取ってでも、買収を行っていたのだと思います。
結果として業績にも反映されて現在に至るまで業績も好調です。
キリンホールディングスも買収を行っていたはずなのですが、なぜアサヒグループホールディングスのように海外展開がそこまで上手く行っていないように見えるのかは今後分析して考えてみたいと思います。
2020年ではコロナの影響で利益が大きく落ち込んでしまいましたが、それでも翌年にはepsは回復しています。
2024年の予想では為替の追い風もあって、利益面でもさらに伸びていく予想となっています。
アサヒグループホールディングスは積極的に事業構造を行ってコストの削減に取り組んでいます。
2024年1月から、事業・地域横断のグローバルな調達体制の構築のためにAsahi Global Procurement Pte. Ltd.(AGPRO)が設立されています。コスト削減に大いに貢献するだけでなく、調達機能の一元化を行います。
米国でスタートアップ投資ファンドを2023年1月から運営を行っていますが、こういう試みをしているところも実験しているかのように企業価値向上のために日々模索しているのが見えてきます。
アサヒグループホールディングスはコスト削減のためにどうすればより改善することができるかを、企業価値向上のためにどうすればよいかを日々模索していて良い企業にしようという思いが伝わります。
売上高、営業キャッシュフローマージン
売上高は横ばいの傾向でしたが、2016年以降M&Aを通して着実に売上を伸ばしています。
2017年,2018年においては、M&Aで欧州事業が上乗せされて2016年よりも伸びました。
2020年においてはコロナの影響で業務用のお酒の売上減少、自動販売機の売上低迷など、食品事業でもミンティアなどもあまり好調ではなかったので減収となりました。
コロナの影響でもそこまで大きく減収とならなかったのは、コロナの影響の中でもリスクを取って買収したオーストラリアのトップブランド、カールトン&ユナイテッドブリュワリーズ(CUB)が連結したことが要因です。2022年では販売数量の増加や、価格改定など奏功して売上は上昇しています。
2023年でも価格改定の効果やプレミアム化などが効果として表れてさらに売上は伸びています。
営業キャッシュフローマージン
営業キャッシュフローマージンはとても素晴らしいです。
2007年から2016年までは10%以下でしたが、2017年以降は平均的に13%台を稼ぎ続けられるほど営業キャッシュフローの改善が見受けられます。
ROE、修正後ROE
アサヒグループホールディングスのROEは2014年までは10%以下でした。
2016年から10%以上とROEは高まってきていますが、2020年以降ROE10%以下とは以前と比べても好ましくないように見えます。
しかし、アサヒグループホールディングスの数値によると、、事業ポートフォリオの再構築や減損損失など一時的な特殊要因を除いた数値を事業利益として公表しています。
以下が修正後ROEとなります。
修正後ROEは修正ROEの前と比較しても、差があります。
なぜアサヒグループホールディングスが欲しいなと思ったきっかけになったかというと、ROEがあまりそんなに高くはないのに、純資産の伸びが著しいなと思ったのが、ひっかかってました。
その時に、アサヒグループホールディングスは事業ポートフォリオの再構築や減損損失など一時的な特殊要因を除いた数値を事業利益として上げているとみて、見落としている投資家が多いのではないかと思いました。
買収を行っているので、のれんが積みあがって、のれんの償却費も増えています。
のれんとして消却はされていますが、年を経るごとに事業の価値もインフレと共に上がり、さらにアサヒグループホールディングスの売上、利益に貢献します。
そのときに、なぜ純資産が増えている割にはROEがそこまで高くないのかという疑問が解消されました。
キャッシュフローについて
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは伸びていないように見えますが、営業キャッシュフロー単体で図にしてみますと着実に営業キャッシュフローは伸びています。
営業キャッシュフローの伸びはかなり向上して、本格的に稼ぐ力がついてきているのが図でもわかります。
投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローは2017年では大きくマイナスになっています。2017年には旧SAB Miller社の中東欧5か国のビール事業取得を取得のため大きく投資キャッシュフローが流れています。
2020年でも投資キャッシュフローは大きくマイナスになっていますが、コロナという経済がマヒしている状態でリスクを取って、AB InBev社の豪州事業(CUB事業)取得を行っています。
投資キャッシュフローは大きくぶれるという感じではなく、キャッシュを貯めて時期が来たら大きく投資キャッシュフローが発生するようです。
財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローはプラスの年が何度か散見されます。
投資キャッシュフローで大きくマイナスになった年でプラスのなっていることが多いです。
買収費用が大きく発生するときに借入を行いレバレッジを活用して成長していっています。
財務健全性について
自己資本比率
自己資本比率は2023年時点で46%と素晴らしいです。
2020年の時に自己資本比率が急激に悪化していますが、コロナの際に業績が悪化して借入を行っていたわけではなく、豪ビール最大手のカールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズを買収したため悪化しています。
しかし、2020年以降は徐々に自己資本比率は改善して45%以上ととても良い財務状況となっています。
株主還元について
配当
アサヒグループホールディングスの配当利回りは2.54%(2024年10月4日現在)です。
底まで配当利回りは高くありません。
配当は2018年より徐々に増配傾向にあります。
配当性向
アサヒグループホールディングスの配当方針は35%を目安に安定的な増配を目指して株主還元を行っていくと公表しています。
また中期経営計画の方針として2025年度までに40%までを目指すとしています。
増配傾向にはありますが、そこまで無理はしていない状態で配当も還元しています。
今後M&Aを通して持続的に成長していくと考えると配当利回りも4%以上を長期で保有すれば可能だと思います。
自社株買い
自社株買いは2013年~2015年頃は積極でしたがここ最近は、そこまで行っていません。
2024年8月に株主還元強化として増配と合わせて自社株買いも発表しています。
自社株買いは300億円を上限に行ってくと発表しています。
株価について、投資判断について
株価
現在株価は1,852円(2024年10月4日)となっています。
現在のPBRは0.99倍で、perは14.58倍です。
投資判断
僕の投資判断としては、買いの検討を検討していきたい銘柄上位となっています。
現在の配当利回りはそこまで高くなく、高配当投資先として魅力が薄れてしまうかもしれません。
それでも投資をしたい上位としたのは、JTのような銘柄を探していたという所があります。
JTは独占企業で利益率も高く、キャッシュフローの質が高く、還元意識が高く高配当で、業績も景気にあまり影響はなく、リスクとして将来タバコを吸う人がさらにいなくなる可能性が出てくる点もありましたが、それでも業績は堅調に推移しています。ただ、成長性はそこまでみられないです。
ここから急激に売上が伸びたり、利益が大きく伸びたりということは考えにくく、株価もここから2倍,3倍とかは考えにくいです。
ただ、アサヒグループホールディングスの企業分析をしていて、JTのような利益体質になりつつあり、さらにその上で増配や自社株買いも行っていて、M&Aを通じてさらに成長していく潜在性を秘めています。
アサヒグループホールディングスが将来的に長期的に生き残る可能性は高いと考えています。
年を経るごとにさらにブランドとして認知されて、ただM&Aを行って成長をするだけでなく、買収した事業にアサヒグループホールディングスのノウハウや資本を投下してさらに利益を伸ばしていきます。
そして、巨額の買収で発生したのれんは毎年のれん償却として計上されていますが、飲料等の値段も上がっているインフレの状態で、その時に買収した事業の価値も上がっているはずです。
そうなると、昔に買収した事業の価値も年とともに価値が上乗せされて、ブラントとして認識されてさらに、事業として基盤が定着します。
積水ハウスの時もそうでしたが、改めてブランドという無形資産の価値はとても計り知れないほどの価値があるのと大事さがわかりつつあります。
投資家として企業のブランドについて勉強をしていく必要があるのかもしれません。
なぜコカ・コーラやマクドナルドなどが長期的に競争優位性を持ち今でも、長期的に反映ができているのか、そこを改めてさらに深堀して学んでいけたらと思います。
アサヒグループホールディングスについては業績をさらに成長させるために、今年に入りM&Aの準備ができてきていると発言しています。
ここでさらにM&Aを通して成長軌道に乗っていくのであれば増配や自社株買いも行われていく可能性も出てきます。
そうなれば投資先としてさらに魅力を感じます。
短期ではリターンはあまり出ないと思いますが、
長期保有を前提に投資をすればリターンもついてくるのではないかと考えている投資先です。
目先の配当利回りも大事ですが、長期的に今後も成長していく本当に良い企業に投資をしたい。
ただ、それだけです。
僕が今年に投資をした日本製鉄は含み損を抱えていますが、良い企業に投資をできたと思います。
伊藤忠商事も改めて良い企業だなと再認識したり、やはり日本企業にはとても素晴らしい企業が多くあると実感します。
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