伊藤忠商事【8001】の決算2024年通期決算が発表されましたので記事にします。僕は現在伊藤忠商事に投資をして現在400株のみ保有しています。
今回の決算を受けて今後もさらに長期保有していくとを決心したこと、今後も自社株買いでepsの上昇から配当性向も下がりさらに配当も増配していく可能性もあることを考えると配当利回りも上昇していき、10年後も持ち続ければ配当利回りも期待できます。
伊藤忠商事から学ぶことが多いので、やはり投資先として良いなと実感しています。
伊藤忠商事【8001】2024年通期決算について簡単に解説していきます。
2024年通期決算について
(伊藤忠商事決算短信、決算説明資料引用)
売上収益は14兆299億円(対前年比0.6%増)、当社株主に帰属する当期利益は8,017億円(前年比0.2%増)となり増収増益となりました。前回の3Qの決算では減収減益でしたが、盛り返していますね。
素晴らしいですね。目標値である8,000億円には到達するのは難しいかなと思いましたが到達していますね。
伊藤忠商事はなんとか増益でしたが、三菱商事は当期純利益は前年比で18.4%減で9,640億円となっていたので、非資源割合が多い伊藤忠商事は利益では及ばないもののじりじりと追いつこうとしてきています。うさぎと亀のような関係でおそらく、うさぎである三菱商事はたしかに大きく稼ぎ出せていますが、伊藤忠商事も負けじと利益を積みかさねています。伊藤忠商事に投資をしたのは非財閥が財閥を凌駕していくところをみたいからというのもありますね。
伊藤忠商事は2024年度の中期経営計画で8,800億円を目標値としています。
8,000億円からさらにこんなに増えるのかと結構不安要素ではありますが、何か策があるのでしょう。
かりに8,800億円に到達したとなると、三菱商事は9,500億円を予想としていますので、追いつくのも時間の問題です。2年後、3年後とさらに近づいていきいずれ逆転すると思います。僕が考えていた資源の高騰が落ち着いて資源の割合が多い三菱商事や三井物産ではなく、安定的に稼ぎ続けてさらに積みあがっている伊藤忠商事一強だよねという式が成立と株主還元もさらに業績に応じて還元していけば株価も上昇していくと思います。
質疑応答の文章の中で今期の決算はeps10%の成長を見込み、さらに2025年以降もeps10%の成長は可能かという質問に対して業績がブレても、株主に対して1株当たりの単位の価値の EPS を上げていくことは重要と認識していて
epsの向上のために自社株買いを積極的に行い、総還元性向40%がそれを示したものと答えています。
これからも自社株買いでさらにepsが上がればさらに増配余地が高まり、さらに配当利回りが上昇してくと考えられます。
2024年度に成長のために投資を一兆円計画しているが、リスクもあるが大丈夫かという質問に対して、
伊藤忠商事の投資規律として「投資の4つの教訓」の以下の防止を考えておこうなうとあります。
①高値掴み
②取込利益狙い
③特定客先・パートナーへの依存・過信、
④知見のない分野
素晴らしいですね。伊藤忠商事に投資をしていて良かったと思うのは、個人投資家として学ぶことが多い事ですね。
個人投資家も上記の教訓は活かして規律的に投資をしなければならないなと思います。
決算資料の中でも非資源分野が業績を牽引して基礎収益で単4Qで初めて2,000億円到達とあります。
着実に非資源の稼ぐ力がついてきているのだと考えられます。
セグメント別で利益を見ていくと、
金属セグメントは2,261億円(前年同期比213億円減)です。
石炭などの価格が下落や伊藤忠丸紅鉄鋼の取込損益が減ったことが主に減益の要因となっています。
前期が良かったので反動がありますが、2024年は当社株主帰属当期純利益は2,400億円(前年同期+139億円)と増益の予定です。2024年は豪州鉄鉱石・石炭事業の数量増加及びコスト改善で、利益面で増益となります。また新規投資でさらに収益力を高めていくようです。
情報・金融セグメントに関しては、678億円(前年同期比32億円増)です。伊藤忠テクノソリューションズの事業の好調さや、保険の窓口などの販売手数料の増加が増益に寄与しましたが目標値の780億円にはやはり到達はできませんでした。
2023年8月2日に伊藤忠テクノソリューションズをTOBで取り込んでいるので、4Q利益を取り込んで到達みたいな感じかなと思ったのですがそう簡単にはいかなかったようですね。
どうやらオリエントコーポレーションに係る減損損失150億円が4Qで発生していて、これが利益を押し下げてしまったようです。
2024年は当社株主帰属当期純利益は820億円(前年同期+142億円)と前期と比べると大きくプラスになっています。オリエントコーポレーションに係る減損損失150億円が4Qの反動と、伊藤忠テクノソリューションズを取り込んだこととさらに収益力に磨きがかかり増益予想としてます。
情報・金融セグメントは今回はかなり期待ができそうですね。
食料セグメントでは663億円(前年同期比461億円増)です。
販売価格上昇や取引拡大、食糧関連取引での取扱数量の増加、北米穀物関連事業の堅調な推移の結果利益も好調になりました。
前期の説明で暖簾減損等の反動もあるので23 年度の業績回復は鮮明になっていくと説明がありましたが、確かに食料事業に関しては2022年度通期でDoleは減損225億円とあり今期の2Qの段階でも黒字に回復しています。
また日本アクセスの利益成長が目立っています。23年度1Q-4Qでは175億円、24年度1-4Qで210億円と前年比で45億円増益しています。
質疑応答の答えで食品事業は来期以降に好業績を維持ししつつも、期待度が高いとしています。物流業界の2024年問題はありますが日本アクセス等の国内の食品流通関連事業は、販売価格への転嫁、配送ルートの効率化で物流コストの削減等で来期以降も期待した成長ができるようです。
ファミリーマートだけでなく、地方のスーパーやドラッグストアでも需要があり今後も成長が期待できます。
2024年は当社株主帰属当期純利益は820億円(前年同期+142億円)、DOLEの事業が前期より収益が改善したのと前期の一過性の損失が合計35億円あったので総合的に考慮して増益になる予定としています。日本の国内の食料品の会社も最初は原材料高騰やインフレなどで苦戦しているイメージでしたが、最近の決算を大まかに見ると増益になっている企業が多いです。伊藤忠商事傘下の不二製油やウェルネオシュガー、プリマハムも来期は良くなっていくと予想されます。
住生活セグメントに関して662億円(前年同期比289億円減)と大幅に減益となっています。建築関連事業と海外不動産事業が前期が好調だったために反動が大きくなりました。主な関係会社損益で見てみるとITOCHU FIBRE LIMITEDが2022年1-4Qで225億円の利益でしたが、今回の決算1-4Qで▲31億円の赤字と出ています。ITOCHU FIBRE LIMITEDが不調なため、セグメント全体で利益が落ち込んでいるようです。
大建工業の連結子会社化に伴う再評価益で20億円のプラスの上乗せとなります。
大建工業の連結子会社化は国内住宅事業の収益力を強化、国内非住宅事業、海外事業の強化・拡大を図るためです。
今回の大建工業の連結子会社化に伴う再評価益でも前期と比べて業績は落ち込んでいます。
2024年は当社株主帰属当期純利益は900億円(前年同期+238億円)と増益を予定していますが、ITOCHU FIBRE LIMITED自体がどうなるかで結果が決まると思いますので、住生活セグメントの+238億円の増益は少し厳しいのではないかと思います。
第8カンパニーセグメントは358億円(前年同期比192億円増)です。素晴らしい結果ですね。
第8カンパニーセグメントはネット上で失敗だとか言われているのを見かけましたが、全くそんなことはないですね。むしろ、第8カンパニーセグメントは伊藤忠商事の円滑油の役割を果たして伊藤忠商事の全体に良い影響を及ぼしていますので、やはりそこら辺の情報を鵜呑みにしないで、自分で情報収集して自分で考えて、自分の意見を持った方が、今の情報過多の時代には合っているのかもしれないですね。
第8カンパニーセグメントは、ファミリーマートを起点として生活消費分野に強みを持つビジネス基盤を最大限活用しながら、異業種融合・カンパニー横断の取り組みを行っています。
説明資料によると客数と客単価が改善されただけでなく、店舗減損の改善や関係会社業績が改善されて増益に貢献しました。
また、今回の一過性の損益としてファミリーマートの国内事業売却の利益で30億円と上乗せされています。
2024年は当社株主帰属当期純利益は350億円(前年同期▲8億円)と減益を予定しています
前期の一過性の利益の反動があるのが主に減益予想の要因ですが、
ファミリーマートの商品力、販促強化などと新規ビジネス拡大でさらに成長の潜在性を秘めています。
僕の考えでは住生活セグメントよりは第8カンパニーセグメントのほうが増益になっていく予想がよりあるのではないかなと思います。
投資判断について
伊藤忠商事の株価は7,260円(2024年5月10日)、PBRは1.92倍、配当利回りは増配をして2.75%となりました。
今回の決算で株式分割するのかと思いましたが、まだ分割はしませんでした。
株価もようやく7,000円台に到達して、含み益が徐々に増えているのでありがたい限りです。
決算発表で株価が下落していましたが、決算の内容を見る限り、今までが株価が上昇していたから株価が下落していたから仕方がない反面、決算の内容はとてもよかったです。
今から投資をするとなると株価が高まっているので、新規では投資は難しいです。
一時期取得単価が上がるのはやむを得ず投資をするのも良いと思った時期もありましたが、今は伊藤忠商事には投資は控えています。長期投資で5~10年先を見据えて、含み損を抱えても良いので投資をしたいというのであればよい投資先だと思います。
商社の業績が全体的に落ち着いて、いずれ株価も収まってくると思いますのでそこがタイミングだと思います。
投資をしていて思ったのは、ポートフォリオ全体で含み益が出たり含み損が出たりで、全体的に含み益が増えていますが、それでも投資先のどこかで業績があまり芳しくない企業が出てくると思います。
今含み益が増えている伊藤忠商事や兼松、JTもいつか、株価上昇局面が終わると思います。ずっと上がり続ける株価はないです。
逆に今ポートフォリオで株価が低迷している銘柄が見直され株価上昇や業績が良くなっていき、ポートフォリオのリターン改善に繋がると思います。
流れがいずれ変わってくると思います。金融株を多く保有して、今順調に含み益が増えている人は、もしかしたら流れが変わり、大きく損失が出る可能性があるかもしれません。(あおぞら銀行のように)
商社も高値掴みをしてしまえば、もし戦争などが勃発した場合に、株価が下落してしまう可能性もあります。
株式投資は面白いなと思います。
ただ数値の分析だけでなく背景を理解して、今後を予想すると疲れますが面白いです。
時間をかけて分析すれば、おそらく他の人とも差が出てくると思います。
頭は使いかなり疲れますが、分析力もつきますし、見逃している情報のチャンスも見出せます。
最近NTTの株価が下落していますが、決算速報で、減益の数値を見て感情的に投げ売りしているのではないかなと思いました。
新NISAが始まれば、短気で売買をする投資家が出てくると予想はしていましたが、自分は長期投資で株価が下落したからと一喜一憂せずに、情報を正しく見定めて、他の人の意見をうのみにせずに、自分の考えと判断を頼りに投資を行います。
アナリストがとか、著名投資家がとか関係なく、自分が良いと思う投資先にこれからも投資をします。
投資の分析は面白いので、投資結果ももちろん大事ですがどうすれば株式分析の面白さが伝わるかも考えて記事にしてみたいなと思いました。
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