2026年3月期第2四半期(4-9月)が発表されましたので記事にします。
兼松は自分のポートフォリオの中でも気に入っている投資先です。
今回の決算では少し苦戦をしているなとは思いつつも、兼松の良さも再認識できたことも今回の決算の内容で良かったことです。
他の総合商社に投資をしつつも、兼松のように為替の影響や関税の影響を受けにくい商社への投資先に投資をすることでポートフォリオの分散も図れるなと思います。
兼松は現在450株のみ保有していますが、可能であれば1000株を目標に保有したいと思っています。
兼松【8020】2025年3月期第2四半期(4-9月)について見ていきます。
2025年3月期2Q決算全体について

(兼松決算短信引用)

(兼松決算説明資料引用)
2025年3月期第2四半期の収益は5,134億円(前年同期比1.0%減-進捗率47%)、
営業利益は252億円(前年同期比1%減)
親会社の所有者に所属する四半期純利益161億円(前年同期比7%増-進捗率54%)となりました。前年同期比減収増益となり、第2四半期で過去最高益という結果になっています。
利益という面において四半期ごとに過去最高益を塗り替えてきてるのは素晴らしいですね。
売上営業利益率は5.5%(前年同期5.1%から改善)で
利益率が改善しつつあるのは過去と比べてもICTソリューション事業や電子・デバイスの主要なセグメントの比率が増えてきているからであると思います。
これからセグメントごとに見ていきますが、やはり全体をみていて思うのはけっこう兼松の数値は主要なセグメント以外は保守的に数値を見積もられているなと思います。
営業収益が伸びた要因は主に電子・デバイスとICTソリューション事業が大きく伸びています。
ICTソリューション事業の収益は527億円(前年同期比16%増-進捗率50%)、親会社所有者帰属四半期利益は51億円(前年同期比8%増-進捗率49%)です。
毎回思いますが、力を入れているセグメントではありますがそこまで大きく利益が伸びていないのは気になります。調べると利益率が高くないSI(システムインテグレーション)中心の構造や、競争激化による利益成長の鈍化です。
SIはストック型の保守・運用収益があるため安定性は高いようですので、ストックビジネスではありますが利益が高くなる感じではないです。堅実に収益が積み上がるという点において興味深いですね。兼松はグループ一体経営を行っており、兼松エレクトロニクスの子会社化やグループ会社の相乗効果も生まれています。そういった中でICTソリューション事業は利益こそ高くないものの、兼松のグループへのアプローチとして安定的な収益を高めていくのであれば中々手堅いなと思います。
電子・デバイス事業の収益は1,358億円(前年同期比8%増-進捗率49%)、親会社所有者帰属四半期利益は54億円(前年同期比33%増-進捗率57%)です。
モバイル事業が利益率がとても良い状態ですのでキャッシュカウ事業になっていると、前年の通期決算でありました。モバイル事業の日本市場は成熟はしていますが、販売台数が安定しておりキャッシュフローが継続的に発生安定感があります。
半導体部品・製造装置事業に関しては、半導体市況もそこまで芳しくなかったですが、:半導体部品取引が好調に推移し、増益となっています。日本の半導体株も業績が上向いてきたところを見ると、半導体部品・製造装置事業も着実に伸びていくことがわかります。
半導体株を持つよりも事業を分散された商社に投資をしてその一部の果実の利益として得られるようにしたほうが良いのかなと思います。
食糧事業の収益は1,817億円(対前年同期比2%増-進捗率47%)、親会社所有者帰属四半期利益は23億円(前年同期比1%減-進捗率65%)です。前年同期比で減益となっていますが、
進捗率は65%とかなり高いです。減益ですが進捗率が高いのは保守的に数値が見積もられているなと思います。
統合報告書の説明資料の中で2027年の純利益350億円でオーガニック成長の中に海外食糧事業や畜産事業の成長も入っているので、今後の成長も期待ができると思います。
日本の国内の食料品関連の事業を行っている会社も苦戦をしているところからも、これぐらいの減益であれば問題はないのかなと思います。
鉄鋼・素材・プラントの収益は814億円(対前年同期比△21%減-進捗率41%)、親会社所有者帰属四半期利益は20億円(前年同期比8%減-進捗率56%)です。
鉄鋼・素材・プラントはなかなか厳しいです。鉄鋼・素材・プラントの収益は210億円のげんしょうで今回兼松全体の収益を押し下げてしまっています。市況依存度が高く、一過性要因の反動や案件減少が重なったため業績が悪化しています。特にエネルギー需要の減速、資産売却益の剥落、プラント案件の減少が主因とあります。
それでも利益面に関しては進捗率は56%とかなり高めです。子会社の売却益とかもあって進捗率が高いのかもしれませんね。一つ一つのセグメントを見ていくとバランスが良いなと思います。
安定感がある事業を成長させて事業の安定感を積み上げていき、利益が出やすい半導体事業などで利益を高めていく。守りを固めつつもキャッシュも安定感がある事業も揃えてあり、攻めは攻撃力がある。
車両・航空事業の収益は609億円(対前年同期比5%減-進捗率47%)、親会社所有者帰属四半期利益は16億円(前年同期比19%減-進捗率48%)です。
航空機・防衛関連の取引が好調に推移していくのかと思いきやあまり収益と利益ともに芳しくないです。
事業が上手く分散されているので、どこかのセグメントが不調な時には他のセグメントで稼いで補っているので、兼松は手堅く事業を行っているなと思います。
兼松ば、電子・デバイス、ICT、食料、モバイルといった国内取引比率が高い事業が収益の柱なので為替の影響も受けにくく非資源のポートフォリオの割合が多いです。
2025年3月期決算説明の質疑応答でも「米国関税や為替の影響は限定的」とありましたので、他の商社が為替の影響や関税の影響を受けている中でも、手堅く着実に安定感がある事業を醸成して、ゆっくりと成長していくのかなと思います。
資源や円安で大きく恩恵がある商社に投資をして、兼松のような非資源割合の高い事業で国内メインで事業を展開している商社に投資をすることで、商社自体が事業が多角化しているので年間のポートフォリオも安定感が出てくるのではと思います。
改めて思うのが兼松はやはり良いなと思います。
最近株価は上がってきていますが、まだまだ他の総合商社と比べると高配当ではあります。
今後も安定的に成長していき増配もしてくと言うのであれば、コツコツと長期保有で育てていき金のなる木になっていくのではないかと思います。
他の総合商社が目立ちすぎている感じで兼松はそこまでスポットライトは浴びないですが、それが良いんです。あまり上げすぎて人気になっても買い増せないので、それぐらいがちょうど良いです。
残りのNISA枠はアサヒグループホールディングスに株価が下がったタイミングで追加で投資をしたいなと思いましたが、兼松にも長期的に投資をしたいですね。やはりNISA枠は後半戦のために残しておいた方がいいのだと理解しました。


コメント