2025年3月期第2四半期(4-9月)が発表されましたので記事にします。
兼松に投資をして現在473株のみ保有しています。
兼松に投資をして2年9カ月となりました。今年に入り新NISAで投資を70株と特定口座で100株追加で投資をして含み損を抱えていますが、旧NISAでも以前より投資をしているのでまだ含み益があります。
今回の決算で上方修正と増配を発表してくれました。
やはり分析していて良い銘柄だなと以前より実感していたので、現状の含み損は買い増しができるのでありがたいです。
上方修正と増配をしている商社は他にはあまりなかったような記憶があります。
3Q以降もまだまだ期待ができる内容でした。
兼松【8020】2025年3月期第第2四半期(4-9月)について見ていきます。
2025年3月期2Q決算(4-9月)について
(兼松決算短信引用)
2025年3月期第2四半期の収益は5,185億円(前年同期比9.4%増-進捗率47%)、営業利益は254億円(前年同期比13.4%増)、親会社の所有者に所属する四半期純利益151億円(前年同期比22%増-進捗率56%)となりました。増収増益となり、上方修正も行いました。
上方修正の要因はICTソリューション事業、モバイル事業、航空宇宙事業を中心に順調に推移していることと全セグメントで進捗以上に好調であることが要因です。
今回の決算の内容もかなり良い結果となっています。
進捗率は上方修正後ですがそれでも純利益に関しては、進捗率56%とかなり高いです。
中期経営計画の目標金額であった200億円はもう通過点かのように軽く越して、今期の純利益は270億円の着地となると予想されます。
兼松に関しては数値をかなり保守的に見積もって事業を運営しているので、まだ上方修正の余地がありますので3Q以降も期待できるのと、増配時点で配当性向が32.5%とまだ増配余地もありますので期待ができます。
財務健全性に関しても自己資本比率が22%→24%と改善しています。
子会社2社のTOBに伴って、大きく借入をして財務が悪化していましたが、思っていた以上に財務が改善しています。大規模に借入を行っていた時は、19%の自己資本比率でしたが、今では改善して24%の自己資本比率となっています。
今回からセグメントが分かれて電子・デバイス事業とICTソリューション事業が別になっています。
ICTソリューション事業の収益は455億円(前年同期比11%増-進捗率51%)、親会社所有者帰属四半期利益は90億円(前年同期比59%増-進捗率64%)です
電子・デバイス事業の収益は2,305億円(前年同期比13%増-進捗率79%)、親会社所有者帰属四半期利益は47億円(前年同期比10%増-進捗率47%)です。
ICTソリューション事業は好調でネットワーク、ストレージ関連、セキュリティ関連の案件が好調です。ただICTソリューション事業に力を入れてはいますが、そこまで大きくは伸びてはいません。人件費が上がっているだけでなく、オフィスリニューアルで費用が発生していますが、今後の伸びに期待はしたいですが、少し成長が鈍化してきている可能があるので注視する必要があります。
電子・デバイス事業の収益は1,261億円(前年同期比20%増-進捗率45%)、親会社所有者帰属四半期利益は40億円(前年同期比122%増-進捗率55%)です。
モバイル事業に関してはようやく立て直してきていて、直営店舗の増加や販路拡大の効果、販売台数増加、法人向け事業の伸長もあり増益となっています。2024年2月15日に兼松の子会社の兼松コミュニケーションズは、株式会社シーシーディの全株式を取得したとIRでありました。兼松コミュニケーションズは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど通信キャリアの一次代理で携帯電話など販売をしています。株式会社シーシーディは東京・茨城・長野を地盤にNTTドコモの販売代理店で15店舗があります。
半導体部品・製造装置事業ではジェイエムテクノロジー株式会社の株式を取得しています。ジェイエムテクノロジー株式会社の株を取得したことで事業領域の拡大や半導体装置の保守、改善などの強化などを行います。m&aの効果もあり、横ばいで推移しています。
食糧事業の収益は1,791億円(対前年同期比5%増-進捗率44%)、親会社所有者帰属四半期利益は24億円(前年同期比5%減-進捗率73%)です。前年同期比で減益となっていますが、それでも進捗率は73%とかなり高いです。兼松にとっては予想の範囲内ということなのか?保守的に見積もっている数値だからこそ、事業の安定感もあるので長期投資先として良いなと改めて思います。
保守的と言えば兼松は為替レートを135円で今回の決算の予想値を決めています。
今の為替で150円ですので、まだまだ上方修正の余地があるのではないかと考えています。
海外市況高や円安によるコスト高の影響により販売が苦戦して減益となっています。
鉄鋼・素材・プラントの収益は1,024億円(対前年同期比△3%増-進捗率53%)、親会社所有者帰属四半期利益は21億円(前年同期比6%増-進捗率69%)です。昨年の決算の時は持分法投資に係る減損損失の為、25億円程の損失で利益に大きく影響を及ぼしていましたが、今回の決算では、その影響はないですが、それでも市況低迷で鋼管の販売が低調に推移していて減収になっています。
車両・航空事業の収益は643億円(対前年同期比26%増-進捗率54%)、親会社所有者帰属四半期利益は20億円(前年同期比34%増-進捗率60%)です。純利益は進捗率が60%と良いですね。
兼松に関しては時期の中期経営計画の質疑応答の内容の中で、350億円に到達するために具体的に100億円増益を目指すためにICTソリューション事業だけでなく、全セグメントで成長していくと言及しています。
食料事業に関しては、そこまで伸びていませんが、車両・航空事業は伸びる余地を秘めた結果となったような気がします。
統合報告書の中で2024年3月通期の決算の内容の航空・防衛事業は地政学的リスクの高まりを背景に、取引が伸長しているとセグメントの部門長が言及しています。
この点は意外だったなと思います。
商社が景気敏感なだけに、地政学リスクが高まると逆に取引が伸びているのは興味深い内容でした。
兼松はなかなか興味深い投資先だなと感じます。リスク分散が管理されているので、今後も手堅く行っていくと思えます。
今回増配を行い、100円から105円に増配されました。素晴らしい!!
為替レートが135円ですので、為替がこの150円台の水準で行けば上方修正する余地もあります。為替が急に変動して円高になってもある、予想値が135円ですので問題はない水準だと思います
ただ兼松のことですので、保守的に事業を行っていくと思うので、配当金の増配も控えめに行っていくと思います。それの方が長期投資家としてはありがたいです。
最近ではPBRが一倍割れの企業がこぞって大幅に増配して、株価が伸びていて、配当利回りが大幅に上昇している企業が多く散見されます。
僕の考えとしては、配当利回りとしてはたしかに旨味がありますが、長期的に成長していっているのかは微妙だと思います。
今まで積み上がった内部留保を上手く活用しての手段が成長としての手段ではなく、株主に還元するのに大盤振る舞いする企業に、今後もし企業の成長が止まり、同じ水準の配当を出し続けられないとなった場合に、株価もかなり下がってしまう恐れがあるからです。
だから毎年成長して、その分配当を還元して、長期的に成長と増配をしていき企業のほうが安定感があり、長期投資先として魅力を感じます。
だから一時的に大幅に増配している企業に魅力を感じますが、僕が企業を見ている時に重きを置いているのは今の配当や、成長だけでなく、未来の配当金と成長に魅力を感じる投資先に投資を行っていきたいと思います。
今回の決算では地合いも悪かったためか株価が下がってしまいましたが、それでも僕の目にはとても価値のある企業にあることには変わりはなく、今後も追加で投資を行ってポートフォリオの主力として考えています。
この決算の結果で株価が下がるのは、市場は厳しいなと思いますが、逆に下がってくれた方が買い増ししやすいので、含み損が増えても良いのでどんどん下げてもらったらありがたいです。
最近読んだ本の中で、ウォーレンバフェットの『バフェットからの手紙』の中で、目を引く文章がありました。
ハンバーガーを買おうとして価格が下がったら喜び、価格が上がったら嘆くのに、
株価の価格が下がったら嘆き、価格が上がったら喜ぶ人が多い。
本来であれば株の価格も下がったら喜んで買い増しができるチャンスだと捉える必要があると言及していました。
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