商船三井【9104】2025年3月期通期決算発表。大幅減配を発表をしました。悲観的になるのはまだ早いのでは?

海運株

商船三井【9104】の株価は決算発表を受けて株価が10%のマイナスとかなり下げました。また翌日以降も下げていて、悲観的に下がっています。
大幅減配がかなり効いているようです。僕は昨月商船三井に100株NISAで投資をして早速含み損になっています。前月に投資をした三井物産もあり、プラマイゼロの損益状況です。
僕は大幅減配に少し動揺しましたが、冷静に考えると減配はあるんだろうなと思っていたのでめっちゃ動揺にはなりませんでした。
今回の決算を受けて、そこまで悲観的になりすぎなくてもいいんじゃないかと思っています。

商船三井【9104】2025年3月期通期決について簡単に解説していきます。

商船三井【9104】2025年3月期通期決算について

(商船三井2025年3月期決算説明資料引用)

売上高は1兆7,754億円(前年比+1,475億円増)、営業損益1,508億円(前年比+477億円増),経常損益4,197億円(前年比+1,607億円増)となり、増収増益となりました。
経常損益はかなりプラスになっています。
経常損益が大幅にプラスになっているのは、製品輸送事業のコンテナ船事業が前回同様に業績の大きなプラスになっています。
2025年3月期では、コンテナ船事業は経常損益は2,176億円です。2024年3月期の経常損益は515億でしたのでかなりプラスになっています。
コンテナ船は昔は赤字体質でしたが、海運会社大手の日本郵船、川崎汽船、商船三井の三社が設立したoneのコンテナ事業がかなりの稼ぎ頭になるまでになりました。oneはアジア―北米航路の比率が高く(全体の約3割)、この航路が「ドル箱」と呼ばれるほど利益率が高いことが好調の大きな要因です。北米向けは長期間にわたり満船が続いています。oneは欧州航路や南米航路も展開していますが、特にアジア―北米航路とアジア域内航路を中心に差別化戦略を採用しています。これは競合他社と正面からコスト競争をするのではなく、自社が強みを持つ航路でサービス品質やネットワークの広さを武器に競争優位を築くためです。
コンテナ船事業は2026年3月期の経常損益の予想は360億円で前年比とくらべるとかなり大幅にマイナスになっています。新造船の供給圧力と米国の関税政策の影響による運賃市況の軟化が主に大幅減益の要因です。たしかに、海運業界で大きく儲けていた企業が船をさらに作り、供給過多になり、運賃が下がりというサイクルがありました。
商船三井は逆のことを行っていて、海運業界が良い時期に船を造りというのではなく、不景気が来ても良いように景気に左右されない事業-不動産、フェリーなどの基盤づくりや体力温存をしています。
コンテナ船事業の見通しはかなり保守的に見積もっている数字ではないかと思えました。相互関税とかトランプ大統領がどう行動するかで、混乱がさらに起きる可能性もあり、業績の見通しがしにくいからこそ、oneの事業も保守的に見積もらざるを得なかったのではないかと思います。

エネルギー事業は経常損益は1,036億円(前年同期比+367億円)です。
2024年3月に取得したFairfield Chemical,Carriers社も利益貢献、三井海洋開発の持分法適用化に伴う持分法投資利益の計上、LNG船の安定利益により増益になっています。
2026年3月期はエネルギー事業の経常損益は660億円と前年同期比で▲376億円です。LNG船など長期貸船契約で安定利益があるものの、中国や欧州の経済低迷が予想され需要の減少などがあり減益予想としています。エネルギー事業では景気に左右されない事業として2023年-2025年の9,780億円の投資のうち7,850億円を投資に振り分けています。景気はこれから不安定になり利益が下がるかもしれませんが、長期的に見れば着実に海外企業と差が出てくるのではないかと思いました。

商船三井のLNG船の90%以上が中長期契約(5~10年程度)で運航されており、スポット市況に左右されにくい収益構造となっています。LNG船事業は、一般的なドライバルク船やタンカーと異なり、市況変動の影響を受けにくいのが特徴です。

ドライバルク事業は、経常損益は139億円(前年同期比▲232億円)です。ドライバルク事業は長期契約の貢献で前年度比で増益したものの、中小型バルカーは中国国内の需要が低迷したり、前年度計上した貸倒引当金戻し入れによる利益の剥落で減益となっています。
2026年3月期は経常損益は70億円と前年と比べてもまた減益となっています。
中国内需の低迷および米国の関税政策の影響による海上荷動き停滞が主な要因で減益となります。
トランプ大統領の影響はかなりマイナスに響いています。

ウェルビーイングライフ事業は、不動産事業で経常損益は109億円(前年同期比+23億円)でした。
もっと稼ぎ出せているかなと思ったのですが、あまり思ったほど事業全体に占める利益は少ないですね。フェリーとかクルーズ船の事業を含めると、81億円です。
2026年3月期においても不動産事業の経常損益は40億円と前年比と比べてもかなり利益が減っています。
利益が積み上がっていくにもうちょっと時間がかかるのかもしれないですね。
ただこれだと、商船三井の事業の全体の利益が落ち込むタイミングまで間に合わない気がします。
なかなか厳しい状況ですね。もうちょっと深堀しておくべき点でした。

今回配当金に関して大幅に減配となりました。
340円→150円とかなり減ってしまいました。減配は覚悟していましたが、ここまで減配するとは…。
ただ、僕はこの配当金はかなり保守的に見積もられた配当金だと思います。
現在の配当方針は配当性向30%で配当を還元しています。
まだ暫定的ですが、商船三井の配当性向を上げていくという話も上がっていると資料で読みました。
だから、150円は保守的になりすぎての配当金で、200円ぐらい出すのではないかと思います。200円を出すと、現在の株価4,600円程で配当利回りが4.3%ほどになります。
あくまで僕の素人の投資家の考えでは、この大幅減配は自社株買いの布石ではないかと思いました。
以前に商船三井の資料で自己資本が積み重なってきているので、今まで自社株買いは行っていなかったが、昨年から行っています。また株価が下がっていくタイミングで安く株を買えるタイミングを見て自社株買いをして、増配をするのではないかと楽観的に考えています。
営業キャッシュフローも少しずつ安定感が出てきたのは、市況に左右されない事業への投資が物語っていると思います。
現在含み損を抱えていますが、冷静に分析して株価の損益に惑わされないで見ると、現状はかなり悲観的に見られているのではないかと思えました。
悲観的に見られている要因は、景気の先行き感が不透明なのもありますが、それが過大にマイナスに見積もられていて、配当の大幅な減配もさらに株価を下げていく要因となります。
僕は長期的に商船三井を見たときに、今回の決算の内容はかなり楽観的に見られました。
市況がさらに悪化しそうであれば、橋本社長の思い通りになっていて、先読みで景気後退時でも安定感がある事業になっていくのでキャッシュフローも安定感があり、自己資本も厚く、体力もあります。

短期的には悲観的ですが、長期で商船三井を見たときに楽観的にみられる決算の内容でした。
ほとんどの投資家は今回の商船三井の業績をみて、海運バブルの終わりだと思い悲観的になっていると思いますが、僕は海運バブルはもうすでに終わっていますが、ステップアップとして成長もしていると思いますので、日本の海運株の進化の途中だと思います。蛇が脱皮するのは大きくなるためではなく、古い皮膚を脱ぎ捨て新しい皮膚に生まれ変わる新陳代謝です。商船三井も今脱皮をしていて、さらに環境に対応できるようになってきています。
追加で投資は、今後の株価次第です。もっと株価が下がるという展開になれば追加で投資を検討、または自分のポートフォリオがさらに盤石になっていくのがわかれば、リスクを取って商船三井に投資をしたいです。

商船三井【9104】へ新規投資をしました。(NISA2025年4月3日100株)。なぜ今になって商船三井に投資したのか?
今回は商船三井【9104】に新規に投資を行いました。商船三井【9104】に今なぜ投資を行ったのかを記事にしました。今回ボーナスで投資をした銘柄の1銘柄として商船三井です。2銘柄目は明日公開しようと思います。商船三井は以前から投資したいリスト...

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