NTT(日本電信電話)【9432】2025年第2四半期決算が発表されましたので記事にします。
株価はあまり冴えませんが、今回の決算をみていて、やはりNTTは魅力的だなと思いました。
すぐに結果が出る銘柄ではないですが、長期で投資をして長い年月を経てリターンが着実についてくる銘柄だと考えています。
来年の新NISAで追加で投資を考えている銘柄でもあります。
NTT(日本電信電話)【9432】2025年第2四半期決算について簡単に解説していきます。
2025年3月期第2四半期(7-9月)全体について
(NTT決算短信引用)
(NTT決算説明資料引用)
(NTT決算短信引用)
2025年第2四半期決算全体の内容は増収減益となりました。利益に関しては減益となってしまいましたが、営業収益は過去最高になりました。素晴らしいですね。
営業収益は6兆5,906億円(前年同期比3.6%増)、営業利益は9,203億(前年同期比3.2%減)、当期純利益は5,548億(前年同期比17.3%減)となりました。営業収益に関しては過去最高益となりました対前年比で減益となっています。
営業利益は3%ほど減少なのに対して、純利益が17%ほど減少は気になりましたので、決算短信を見てみると、金融費用が重くのしかかっていて914億円と前年比で327億円も費用として増えています。
KDDIの時も外貨建が円高基調になり、主に為替差損が発生していたので純利益にマイナスに影響を与えていました。
NTTはセグメントが4つに分かれています。
1つが総合ICT事業ー携帯電話事業や県の通信サービス、国際通信事業、ソリューション事業、システム開発事業などを行っています(NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ)
2つが地域通信事業ー県内通信サービスの提供などの事業(NTT東日本、NTT西日本)
3つ目がグローバルソリューション事業ーシステムインテグレーション、ネットワークシステムサービス、クラウド、グローバルデータセンターなどを行っています(NTT データ)
4つ目がその他(不動産、エネルギー等)ー不動産、エネルギー等の事業を行っています。(NTTアーバンソリューションズ、NTTアーバンソリューションズ)です
営業収益は
総合ICT事業が2兆9,993億円(前年同期比474億円増)
地域通信事業1兆5,008億円(前年同期比262億円減)
グローバルソリューション事業2兆1,440億円(前年同期比1,616億円増)
その他(不動産、エネルギー等)7,908億円(前年同期比427億円増)となりました。
営業利益は
総合ICT事業が5,533億円(前年同期比274億円減)
地域通信事業1,912億円(前年同期比249億円減)
グローバルソリューション事業1,490億円(前年同期比271億円増)
その他(不動産、エネルギー等)375億円(前年同期比33億円増)となりました。
総合ICT事業ではNTTドコモのスマートライフ事業が好調です。
スマートライフ事業では、23年度にマイナポイント収入の特殊要因を除けば金融決済の成長で888億円の増収に貢献しています。スマートライフ事業では、金融決済取扱高が増加していて、プラチナカードも今年の11月25日から行う予定で、さらに力を入れていき、消費者の囲い込みが行われています。
MONEXと資本提携業務を締結していて相乗効果を狙って今後も決済取引の収益が伸びていくと思われます。
(NTTドコモ決済説明資料引用)
またスマートライフ事業では、マーケティングソリューション収入が伸びています。
ドコモリテールDXプログラムはドコモが保有するdポイントクラブ会員の属性情報や位置情報などの各種データなどの購買情報をドコモの独自AIエンジン「docomo Sense」を活用して、集客支援や店舗仕入れの最適化などの支援をするサービスです。
店舗数が4倍強も増えているということはかなり効果が見込めているから使う店舗が多いのかもしれません。なかなか興味深いですね。
地域通信事業に関しては、営業収益、営業利益ともに減少しています。
地域通信事業の業績はあまり芳しくないです。
固定電話サービスと関連インフラの維持コストがかなり重くのしかかっています。
NTT東日本の固定電話契約数の減少で2023年末時点で固定電話契約数は前年比約8.2%減少し、1272万件となっています。さらに、2035年には固定電話契約数が約500万回線にまで減少すると予測されています。電力料金や人件費、材料費(例:ルーターなど)の上昇もしてさらに業績が悪化しています。
今後も厳しい展開が続くなと思いますが、こういうリスクがあまり市場には評価されていない要因になりますので、逆に言えば安く買えるチャンスでもあります。長期で保有し続けて忍耐力を要しますが。
(NTTデータ決算説明資料引用)
グローバルソリューション事業は営業収益、営業利益が大きく伸ばしています。
NTTデータの決算の内容を見てもかなり好調なのがわかります。
国内では中央府省向け案件が伸びていて、海外ではデータセンター事業が営業収益向上に貢献しています。KDDIもそうでしたが、ますますデータセンター事業というのは今後の重要な鍵となってくるのかなと思います。利益に関しては営業収益が伸びたことと、不採算費用が減ったのと、前年の構造改革費用が減ったので増益となっています。
NTTデータの決算説明資料の中でデータセンター事業の収益を観てみると現段階で営業利益率が16%とかなり高いです。まだそこまで採算は取れていないかなと思ったのですが、意外と利益率が高いのは驚きました。
僕の考えでは、データセンター事業は需要が増えていくものの、どの企業もやり始めて利益率が落ちていくのではないかなと思います。世界のデータセンター市場において第3位のシェアを持っていますので、今後も投資を先行してさらに収益と利益に貢献していくと思います。
グローバルソリューション事業ではクラウドサービス、データセンターサービス、マネージドサービスおよびシステムインテグレーションなどの多様なサービスを行っています。NTTの豊富な経験値や実績、ノウハウが蓄積されたものをサービスとして提供していて高品質かつ高セキュリティ、保守運用を行っています。
グローバルソリューション事業に関してはNTT Ltdの連結拡大により大きく伸ばしています。NTTデータとNTTが出資している会社です。(出資比率NTTデータ55%,NTT45%)
NTTはNTTデータとともにIWON構想等のR&D分野の連携強化、5G等のNTTビジネスの推進などのためにNTT Ltdを合弁会社として設立しました。
グローバルソリューションが中心になって今後NTTの業績に貢献していくと思います。
もしかして、いつかはNTTドコモ同様に、NTTデータもTOBされる可能性がありますね。そういう話もちらっと聞いたことはありますが、成長している企業を完全子会社化して利益を全部取り込めるようになれば、地域通信事業の悪化もカバーできる以上に成長していくのではないかと思います。
NTTの株価は冴えないので今年に入って新NISAで投資をした方は、含み損を抱えている人のほうが多いかもしれませんが、長い目で見たときに、長期で保有して株数を増やして、増配と自社株買いが行われてゆっくりと一株の価値が高まっていくことがわかると思います。
NTTはよく見る情報として、赤字の事業のNTT東日本や西日本について焦点が当たっていたり、国がNTTの株を売却しているなどマイナスな情報をよく見ますが、それでもNTTという企業は今後も強くあり続けるのと、長期で保有し続けてようやくトータルリターンとして素晴らしい結果に繋がると思います。決算は無難なものですが、NTTデータの成長性や、NTTドコモの手堅く金のなる木になっていて成長もしていっています。
他の企業が株価上昇したりして誰かの含み益が増えている現状を見て焦って他の銘柄に投資を移行するのは少しもったいないかなと思います。
すぐ結果を出すとその結果の持続性は短いですが、長期で出した結果は結果の持続性は長く綴世と思います。
これからも追加で投資を行っていきます。
来年の新NISAでコツコツ追加で投資を行っていく予定です。現在株価は151.4円(2024年11月8日)で配当利回りは3.43%の水準はかなり旨味がある水準だな思います。
含み損とかではなく、価値が上がっていく投資対象として投資をするのであれば含み損とか気にせずにコツコツ追加で投資をしていけばよい銘柄かなと僕は思っています。
最近ピラミッドについての考えに触れたのですが、ピラミッドは歴史が何千年たっても変わらず同じ状態をキープしています。
理由は構造設計で四角垂が自然に重力を利用して安定性を保つのに非常に優れていて各層が下層を支えるように積み上げられているからです。安定感にさらに安定感が積み上がっていく形状です。
また驚くべき精度で石材を切り、ぴったりと組み合わせて積み上げました。
精密さと、石材同士が隙間なく積まれているためにピラミッドは強固に歴史を経ても長くあり続けています。
良い企業で今後も生き残る可能性があるのはピラミッドのような性質を備えている企業だと思います。
企業の文化、行動理念、競争優位性など、安定に強固に積み上がっていく企業は強いなと思います。
僕はそういう企業に長期で投資を行いたいです。今が注目の銘柄で株価が上がっている銘柄ではなく、長期でやっぱこの企業に投資をしてよかったと思える銘柄を選定して投資を行うことを心掛けていきたいです。
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