NTT(日本電信電話)【9432】2023年通期決算が発表されましたので記事にします。
決算発表前から株価は下落傾向にありましたが、決算発表後さらに株価は下落しています。
来期の業績はあまり良くないことが嫌気されて売られてしまっているようです。
株価は下落していますが結構狙い目だなと思います。
NTT(日本電信電話)【9432】2023年通期決算について簡単に解説していきます。
2024年3月期通期決算について
営業収益は13兆3,746億円(対前年比1.8%増)、営業利益は1兆9,229億(対前年比5.1%増)、当期利益は1兆2,795億(対前年比5.5%増)となりました。営業収益、営業利益、当期利益は過去最高となりました。とても素晴らしいですね!EPSも15.1円(対前年比8.4%増)となり増加しています。2023年度はかなり好調な年だったのではないでしょうか。それなのにここまで株価が下落するのは違和感を感じます。
2024年度の予想はは13兆4,600億円(対前年比854億円増)、営業利益は1兆8,000億(対前年比▲1,129億円減)、当期利益は1兆1,000億(対前年▲1,795億円減)と増収減益となっています。
増収減益とはなっていますが、そこまで悲観的になるほどの内容ではないかなと思いました。
NTTはセグメントが4つに分かれています。
①総合ICT事業ー携帯電話事業や県の通信サービス、国際通信事業、ソリューション事業、システム開発事業などを行っています(NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ)
②地域通信事業ー県内通信サービスの提供などの事業(NTT東日本、NTT西日本)
③グローバルソリューション事業ーシステムインテグレーション、ネットワークシステムサービス、クラウド、グローバルデータセンターなどを行っています(NTT データ)
④その他(不動産、エネルギー等)ー不動産、エネルギー等の事業を行っています。(NTTアーバンソリューションズ、NTTアーバンソリューションズ)です
2023年度の営業収益は
総合ICT事業が6兆1,400億円(前年同期比810億円増)
地域通信事業3兆1,183億円(前年同期比56億円増)
グローバルソリューション事業4兆3,674億円
(前年同期比2,757億円増)
その他(不動産、エネルギー等)1兆,6329億円
(前年同期比▲1,741億円減)となりました。
2023年度の営業利益は総合ICT事業が1兆1,444億円(前年同期比505億円増)、
地域通信事業4,377億円(前年同期比172億円増),
グローバルソリューション事業3,096億円(前年同期比439億円増)
その他(不動産、エネルギー等)598億円(前年同期比▲74億円減)となりました。
総合ICT事業
2023年度の売上は6兆1,400億円(前年同期比810億円増)
2023年度の営業利益は1兆1,444億円(前年同期比505億円増)
2023年度の当期純利益は7,951億円(前年同期比233億円増)
法人事業とスマートライフ事業で増収増益となりました。コンシューマ通信は前年とそこまで変わりはありません。法人事業の収益は統合ソリューション事業が好調で2023年度は1兆8,817億円でしたが2025年度は中期目標として2兆円を目指しています。統合ソリューション事業では大手企業向けに統合ネットワークやIOTソリューション事業が好調です。
スマートライフ事業では金融事業が成長しています。金融決済取扱高は13兆円まで達しています。クレジットカードとQR決済で高い成長性があります。金融事業はやはり利益率が高いですね。
またNTTドコモはマネックス証券と資本提携業務を行うと発表もありさらに金融事業において利益が出てくるのではないかと思います。また今年の3月ごろにオリックスクレジットを買収の発表をしています。融資事業の強化でdスマートローンをさらに与信力の強化を行っていきます。
また2024年7月にグローバル事業を拡大するためにNTTドコモ・グローバルを設立すると発表しました。過去に海外で失敗していたので今回はどうなるかは何とも言えないですね。
2024年度の事業売上は6兆2,440億円
(前年同期比1040億円増)
2024年度の営業利益は1兆1,700億円(前年同期比256億円増)
当期純利益は7,990億円(前年同期比39億円増)
法人事業や金融面のスマートライフ事業が今後も成長を牽引するので業績も成長していきます。
グローバルソリューション事業
NTTデータ
2023年度のグローバルソリューション事業4兆3,674億円
(前年同期比2,757億円増)
2023年度の営業利益グローバルソリューション事業3,096億円(前年同期比439億円増)
当期純利益は1,339億円(前年同期比▲161億円減)
増収減益になった要因はNTT Ltd.連結拡大や為替の影響で売上や営業利益は増加しましたが、金融費用の増加や税金費用の増加で減益となっています。
2024年度のグローバルソリューション事業売上4兆4,300億円
(前年同期比626億円増)
2024年度の営業利益グローバルソリューション事業3,360億円(前年同期比264億円増)
当期純利益は1,370億円(前年同期比31億円増)
売上高はさらに規模拡大により増収して、営業利益は統合等の費用がかかるものの構造改革費用の剥落や増収により増益となります。
為替は138円で数値を見積もっているのでさらに円安になればより利益面で上積みされる可能性があります。
NTTデータはデータセンター事業を積極的に行っていて、質疑応答の動画によればデータセンター投資拡大時期になっている。データセンターは先行的に投資をして普通の資産より利益を獲得するのに時間がかかります。建物を建てるのにも時間がかかりますし、機材を運ぶのにも、運用していくにも時間がかかります。しかし回収の時になった時に、利益が良くなっていく方向になる。
2025年度に採算性が取れるようになると説明資料に記載がありました。
地域通信事業
地域通信事業は赤字になるかなと思いきや増収増益の結果となりました。
地域通信事業はNTT東日本、NTT西日本から構成されています。
NTT東日本
2023年度はNTT東日本は営業収益は1兆7,105億円(対前年比83億円増)
営業利益は2,986億(対前年比132億円増)
当期利益は2,069億(対前年比45億円増)
増収増益を確保して過去最高益となっています。
(NTT東日本決算説明資料引用)
しかし、2024年度は大幅に減益となります。
NTT東日本は営業収益は1兆6,550億円(対前年比▲555億円減)
営業利益は2,100億(対前年比▲886億円減)
当期利益は1,470億(対前年比▲599億円減)
2022年度と2023年度はノンコア資産の売却で利益もより出すことはできていましたが、説明資料によると2024年度以降営業利益は下降トレンドに入っています。地域通信事業は固定音声関連収入などの減収、光回線の増加も厳しくなりコストが先行しているので今後もまだまだ苦戦を強いられる可能性が高いと思います。
NTT西日本
2023年度はNTT東日本は営業収益は1兆4,970億円(対前年比▲46億円減)
営業利益は1,389億(対前年比40億円増)
当期利益は988億(対前年比56億円増)
2023年度は減収増益となっています。音声収入源は減少してしましましたがコスト削減で+110億円、ノンコア資産の売却で+230億円となった結果増益となっています。
(NTT西日本説明資料引用)
2024年度は大幅に減益となります。
NTT東日本は営業収益は1兆4,450億円(対前年比▲520億円減)
営業利益は800億(対前年比▲589億円減)
当期利益は540億(対前年比▲448億円減)
とかなり減収減益となっています。2024年度は前年同様に音声収入は▲260億円減少、コスト削減等で+140億円増加、ノンコア資産の売却の反動▲230億円減少、さらに2024年度で先行施策等で▲240億円減少となり営業利益は800億円となります。
説明資料によると2024年度が底で、今後増益していく予定とあります。
投資判断について
NTTの株価は162円(2024年5月10日)、PBRは1.48倍、配当利回りは増配をして3.14%となりました。
株価は直近でかなり下げてきていますね。
今回の決算が嫌気されて株価がさらに下落していました。
決算の内容を見てみましたが、そこまで下落するほどの内容かな?という印象でした。
たしかに減益ということばを見れば身構えてしまいますが、長期的に見れば今後もゆっくりではありますが成長余地があるだけでなく配当も増配してくれるだけでなく自社株買いでさらに増配余地が高まっていくと思います。前期比も増配しただけでなく、今期も増配してくれています。
今回自社株買いの発表もなく、増配も0.1円と分割したのでかなり小さく見えますが、動画の説明で今後も増配など積極的に行っていくと説明していました。
島田社長も0.1円の増配はなんだこれと笑いながら言っていましたが、配当方針が変わっているわけではなく事業展望に応じて増配、epsも着実に成長しているので増配をしていくと話していました。
僕の投資判断は今の株価が結構おいしい水準だなと思いますので、投資をしようと検討中です。
まだ悲観的になってさらに株価が下落するのではないかと思いつつも、そしたらさらにほしくなります。
株価も買いやすいので、コツコツ積み増していきたい銘柄ですね。
直近の決算ではたしかに今後大丈夫かなという印象を持たれますが、長期的に見て成長は着実にしていきますし、ずっと保有し続ければ増配をし続けると考えると10年後も20年後も仮に持ち続けたら配当利回りもかなり高い水準に達すると思います。
個人投資家の武器は時間ですので、機関投資家の精鋭には頭脳やお金など勝てない要素が多いですが、時間という最大に武器を活かして負けないように、短気の目線で考えるのではなく長期的に見て分析して考えて投資を実行していこうと思います。
日本製鉄もけっこう下がってきているので投資をしたいなと思っているので迷っています。
もしかしたら他の銘柄で株価が下がってきて狙い目の投資先があるかもしれないので、まだ何とも言えないです。
日本製鉄の決算の内容をじっくり読んで、他の決算をさらに見て、良いなと思えばNTTに投資をしたいです。
いきなりウォーレンバフェットがNTTに投資をしたみたいになって後悔しないように、考えていこうと思います。
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