『これからパンローリングの投資本を読む人へ』を読んで。投資リターンの改善ができるおすすめの本です。

投資本

僕は読書が好きでよく投資本や、行動経済学などビジネス書を読むことが多いです。
投資家はたくさんの良書を読むべきで、良書を読むことで質の高い情報に触れることを継続することで、普段の投資の際の情報収集も栄養価のある情報かそれともジャンクフードのような短期的な情報かを選別できる能力が培われます。

今回おすすめしたい本は『これからパンローリングの投資本を読む人へ』です。

もし過去の自分が投資歴を重ねていき、投資も着実にリターンが出てきたときにこの本を送りたい、と思う一冊です。本屋に寄ると、よく今話題の投資法、この投資手法で資産○○万円とか、増配株で不労所得で人生が変わる!みたいなフレーズが並んでいるので実際に読んでみるとおおかた似たような内容だったり、内容がそこまで薄いなという感じの本もあります。

こういう本の系統として、投資法にばかりに重点が置かれすぎているなと思っています。
たしかに投資法は大事だと思いますが、投資法ばかりでは投資では勝てないと思います。
野球選手がバッティング能力がいかに高くても、体力がないから走れないですとか、スランプに陥ったときにどう乗り越えるかとか、一つの能力だけ秀でてもスポーツ選手としてプロの厳しい世界で生き残るとは限らないです。投資でも同じことが言えると思っていて、投資法は大事ですが、それだけでは生き残り続けることは難しいです。

今回おすすめしたい本として『これからパンローリングの投資本を読む人へ』です。
この本は投資初心者から投資中級者へ進むにはどうすればよいかを教えてくれます。
ページ数もそこまで多くはなく、文章もわかりやすく、難しい計算式とかは書かれていないです。

自分が『これからパンローリングの投資本を読む人へ』から学んだことについて共有します。

万年初級者の典型

著書の中でまず万年初心者の典型を上げています。
万年初心者の特徴としては自分勝手でわがままな人、結果が出ないのは、○○が悪い、失敗や損失は他人や相場のせい、他人の失敗を批判する割には自分の失敗を反省して経験から学ばない、上手くいかないと悪口、文句を言うなどを挙げています。

僕も投資を始めた当初はこんな感じでした。
最初に投資をしたキヤノンは雑誌の中でおすすめの高配当でかつ今まで減配をしたことがないからおすすめだと情報を鵜呑みにして投資を行いました。結果的にコロナの影響を受けて業績が下降して減配と株価下落のダブルパンチを食らい、保有し続けてプラスになって売却できたものの、あの時は雑誌のおすすめしたのに何で業績がとか、配当減配しないと思っていたと自分が良いように解釈をしていました。雑誌のアナリストのせいだとか、何かのせいにすることで自分の失敗じゃないように解釈していました。

著者は言います。
中級者の投資家に進むには、自分の失敗を謙虚に受け止めて、自分の悪かったところを反省して、次への投資の行動に移せるように学んでいると述べています。

自分はよく現在の相場を見るために、株価を見るのではなく、yahooの投資掲示板のコメントや、Xなどのコメントを見て、悲観的なのかとか、楽観的なのかを見て分析しています。現在の生の声を拾うことで、客観的に分析できると思うからです。
逆に投資系youtuberのライブの動画は見ないです。投資系youtuberのライブの動画のコメントはどちらかというと、人が自分の意見は正しいんだと思って安心できる場所で、コメントを見て同じ人が一緒だと安心でき自分の考えを納得できる場だと思うからです。

yahoo掲示板のコメント欄にあまり良くない言葉を見かけます。
例えば、株価が上昇していない投資先に対して糞株だなとか、もっと他に良い投資先に投資すればよかったとか、選んだのは自分なのに、自分が悪くないように何かのせいにするコメントをたまに散見します。こういう時に、多分この人は今もそうですが、この先も投資家としては大きくは成長できないなと思いました。何かのせいにしたい気持ちもわかります。それが一番楽ですから。
僕も投資を始めて投資が上手くいかないときに何でこの企業はあまり成長していないんだとか、他の人の資産が増えているのを見て、隣の芝生は青く見えるという状態になっていました。

人生でもそうですが何か悪いことがあったときや失敗したときに、何かのするのは一番楽です。でも同じことが起きたときにまたそう言い続けるのか、それとも自分の学びに変えてどう行動に移すのかは自分次第だと思います。

運とスキルについて

相場にはわかりやすい時期と難しい時期があります。著者は言います。
これまで偶然タイミングよく勝てていた投資家は難しい相場になるといつの間にか消えます。
一方で実力のある人は、大きく目だないですが、難しい環境にも順応して継続的に結果を残して、わかりやすい時期に備えています。
最近イチロー選手の動画を観てあることについて説明していました。
才能のある選手は才能では打つことができますが、年を重ねていくと才能だけでは打つことは難しくなると。才能は運から授けられたものです。

ビギナーズラックは毎年毎年続くわけではないです。
有名な投資家でハワードマークスが言っていた言葉があります。
ある投資家は、年間成績では一度も同業者の上位に入っていなかった。しかし、十数年にわたる実績だと上位4%に入っていると述べています。
短期的に一年のリターンが多いからといってそれは運の要素もあります。継続的にリターンを出し続けていくことのほうが難しく、そのリターンが積み重なると長期で見たときにリターンが多く生まれています。

釣りで運よくたまたま大きい魚を得られるかもしれませんが、それが継続的に得られるとは限らないです。しかし、中級者から上級者は運の要素ではなく、継続的に手堅く釣りで魚を得られます。
著者によれば資産は増えたり減ったり波のような形を描きながら増えていきます。
ただし、それは中級者から上級者の場合です。初級者は良い時期はあるのですが、結果的に減ってしまいまうようです。

投資の結果は大事だと思います。
自分を含めて投資家は短期的なリターンに対して過大に評価してしまいます。
運の要素もあったかにも関わらず、一回結果が出れば良いように解釈してしまいます。
企業を分析して投資をして大きくリターンを得ることも大事ですが、その大きなリターンを継続的に出せるかと言われたら難しいと思います。もしかしたら大きくリスクを取っているので、大きなマイナスに繋がる可能性もあります。
投資中級者になるには運の要素を除いて、悪い時も良い時も長期的にリターンを獲得できるようになる必要があります。
だから、投資手法は大事だと思いますが、その投資法を続けたからと言って偶然上手くいっただけかもしれないので、継続的にリターンを得るにはどうすればよいかと考えれば投資手法だけでなく、投資心理や、感情のコントロールや、資金管理、相場観、忍耐力など様々な要素がかけ合わさってようやく投資のリターンが着実に積み重なるようになると思います。

著者はまたプロの投資家は勝つことを考えるよりも、負けないことを考えたほうが良いと述べています。以前徒然草を読んでいた時に、双六の名人にコツを聞くと勝とうと思って打ってはいけない。負けないようにと打つことだ。どの手でいったら、早く負けてしまうかを考えて、その手は避けて、たとえ一目でも遅く負けるような手を選ぶことが大切だと文章で述べていました。

書評『徒然草』に学ぶ投資で負けないようにするには?
今回は吉田兼好著の『徒然草』の一部を解説しました。徒然草は吉田兼好 が鎌倉時代末期に書いた随筆集で枕草子・方丈記とならんで日本古典文学の三大随筆にあげられています。今回徒然草を取り上げた理由はあるページに勝負ごとに対してどのようにすれば負け...


チェス、ポーカー、将棋などいろいろな人の本を読むのですが、達人たちは本質的には同じところに結論に至ります。不調の時や悪い時にも継続的に結果を出すことだと思います。
スポーツの世界でも、いかに失点を抑えるかは長期的な試合で見ると重要な鍵です。

最近ではまたポーカーの本で意思決定の本を読んだのですが、なかなか面白かったのと投資に活かせそうな文章がいくつもあったのでご紹介したいと思います。

『これからパンローリングの投資本を読む人へ』は初心者にはもちろんですが、中級者や上級者にも、原点を振り返るという点において読んでおいて良い一冊だと思います。
派手さはありませんが、僕の中では日本の投資本ではかなり上位におすすめしたい本です。けっこうリターンが改善されると思うほど、内容は素晴らしいです。目新しさはなく、当たり前なことが書かれていますが、当たり前なことができて長期的にリターンが生まれると思います。


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