【東京海上ホールディングス決算分析】東京海上ホールディングスの決算解説!強固な「フロート」経営の裏に潜む死角とは?少額ですが追加投資も行いました。

保険株

日本を代表するメガ損保、東京海上ホールディングス。高配当株・優良株として多くの投資家から人気を集める同社ですが、先日発表された「2026年度第1四半期(4〜6月)決算」は、一見すると少し気がかりな数字が並びました。

修正純利益は前年同期比でマイナスとなり、さらに気になったのが保有債券には1.5兆円規模の含み損が発生しています。

しかし、決算資料の内部を深く読み解くと、「一時的なノイズに隠れた強固なビジネスモデル」と、「確実に忍び寄るインフレや海外信用のリスク」という2つの顔が浮かび上がってきます。

本記事では、今回の決算から見えてきた東京海上の「良い点」と「悪い点・懸念点」から見ていき投資判断のヒントとなる情報をお届けします。

少しでも参考になれば幸いです。

1. 決算の全体像:見かけは減益、中身は「巡航速度以上」

(東京海上ホールディングス決算説明資料引用)

まずは全体感から整理しましょう。2026年度第1四半期の実績は以下の通りです。

  • 修正純利益:2,613億円(前年同期比 4%減)
  • 除く為替の修正純利益:前年同期比 9%減
  • 修正EPS(1株当たり利益):137円(前年同期 141円から低下)
  • 通期予想に対する進捗率:28%(通期目標 9,500億円)

見出しの数字だけを追うと「減益決算」です。
しかし、通期計画に対する進捗率は「28%」に達しており、1年を4等分した際の目安である25%をしっかりと上回っています。会社側の想定内、あるいはそれ以上のペースで利益を積み上げているのが実態です。

では、具体的に何が良く、何が悪かったのでしょうか。

2. 評価すべき「良い点」

今回の決算で再確認できたことは、東京海上の持つ「稼ぐ力の多様性」と「鉄壁の財務・リスク管理」です。

グローバル展開の強さ(海外事業の牽引力)

国内が苦戦する中、利益を力強く牽引したことが海外事業(International)です。
海外事業の修正純利益は前年同期比9%増の1,643億円と好調に推移し、進捗率も26%と計画を上回りました。特に北米のスペシャルティ保険(ニッチで専門性の高い保険)において、自然災害が少なかったことや良好な損害率をキープできたことが大きく貢献しています。


国内市場の成長限界を、海外の力強い成長で補うという理想的なポートフォリオが機能しています。
東京海上ホールディングスは今後も海外展開に積極的に行っていき、海外の収益の率が大きくなっているので、日本事業の利益は日本の政策保有株も寄り売却に加速がなされたらより縮小していくでしょう。

高金利を享受する「運用力」と巨大なフロート

(東京海上ホールディングス決算説明資料引用)

投資家として最も注目したいことが、保険ビジネス最大の武器である「フロート(運用可能な預かり資金)」の力です。

グループ全体の資産運用残高(AUM)は約26兆円規模に達しており、海外事業だけでも15.8兆円を抱えています。北米を中心とする高金利環境の恩恵を受け、年率換算のインカム利回りは5.4%という高水準を維持しています。北米資産運用のインカムゲイン(利息・配当収益)だけでも、通期で6,420億円(約40億ドル)を稼ぎ出す計画です。
本業の保険引受で利益を出しながらタダ同然で巨額の資金を集め、それを高利回りで運用して莫大なキャッシュを生み出す。まさにウォーレン・バフェットが好む「最強のビジネスモデル」がフル回転しています。
なぜウォーレンバフェットが好むビジネスモデルなのかを考えてみると、普通の企業であれば成長するために手元にあるキャッシュを用いて投資をしたり買収をしたり、よりビジネスを強固にするためにレバレッジを効かせて借入をする必要があります。その借入には支払利息もありますので高めなコストがかかってしまっています。

一方で保険会社のフロートは本業の保険引受で利益を出していれば、お金を預かる対価としてむしろ利益をもらいながら資金を集めることができます。
さらに契約者ごとの保険金の支払いが統計的に分散され、新規の保険料も絶えず流入するため、実質的に満期のない永久資本として長期運用に回せます。潤沢な元本と高金利環境(北米の利回り5%超など)が組み合わさることで、インカムゲイン(利息・配当)が加速度的に膨らみ、企業の成長を強力に牽引します。
キャッシュフローの流れがより強固に複利的に増えていくところがビジネスモデルの強さなのではないかと思います。またインフレでコストが上がっている中でも保険は値上げをしていき、解約するという話にならない、なくてはならないものになっています。
保険というビジネスはもう少し理解を深めていく必要があるなと思いました。
なぜここまで強いビジネスなのか、時代が変わってもサイバーリスクなど新しいリスクがでてきますがそれと同様に保険も新しいのが出てくる、またいずれ新しいリスクが出てきたときにまた新しい保険がでていく。汎用性が高いビジネスでもあります。なかなか興味深いです。

ALM(資産・負債総合管理)による鉄壁の防御力

(東京海上ホールディングス決算数値引用)

決算発表時、金利上昇により保有債券の含み損が1兆5,081億円に拡大していました。
しかし、心配は必要ありませんでした。
金利上昇によって債券価格が下落(含み損)する一方で、東京海上は将来支払う保険金の義務(保険負債)の現在価値が目減りし、負債側に「9,266億円の含み益」を生み出しています。

資産のマイナスを負債のプラスで相殺するこの仕組み(ALM)により、実質的な純資産である「修正純資産」は前年同期から約9,500億円も増加し、7兆5,591億円へと順調に拡大しています。
たまに金利上昇時に含み損が多くなるのではないかと情報誌に乗っている時がありますが、確かに債券の含み損は増えていきますが、それでも管理の観点からは東京海上ホールディングスは慌てずに捉えるべきだと思います。
情報に踊らされずに、自分で情報を取りに行って分析していく姿勢が大事だと思います。

3. 警戒すべき「悪い点・懸念点」

一方で、手放しで喜べない兆候や、今後の業績の足かせとなり得る懸念点も明確に浮き彫りになりました。

「為替(円安)のゲタ」を外すと見えてくる実態

今回の決算は、歴史的な円安(ドル円レートが前年同期の144.59円から159.57円へ進行)に大きく助けられています。
例えば、海外のインカムゲインは円建てで見ると1,414億円から1,572億円(11.2%増)へと大きく伸びているように見えますが、現地通貨(ドル)ベースでは978百万ドルから985百万ドルへと、わずか0.7%の微増にとどまっています。グループ全体でも、為替の影響を除くと実質「9%の減益」であり、円高局面に反転した際のリスク(業績の目減り)は頭に入れておく必要があります。

直近で株価が冴えないのはそういう為替の影響があるから、そこまで業績は良いとは言えないと思われているのかなと思います。

国内損保(Japan P&C)の苦戦と「インフレの波」

国内損保事業は、修正純利益が前年同期比20.8%減の772億円と大幅な減益になりました。 最大の要因は「コストインフレ」と「大口事故」です。
自動車保険において事故頻度は想定通りだったものの、インフレの加速により車の修理費(保険金単価)が想定以上に上振れしました。
また、北米賠責に関わる大口事故が発生し、Specialty分野の利益を圧迫しています。
さらに、円安の進行によって外貨建て支払備金の積増負担が増加し、金融関連損益を悪化させました。インフレが保険ビジネスの利益をタイムラグで圧迫する典型的な事象が起きています。
ただ進捗率はとてもよいです。しかし夏から秋にかけて台風などが出ていくタイミングで1Qでもう少し稼げていたとの思惑で計画より下ぶれていると言葉である通り、どれくらいの自然災害があるかでまた業績が思わしくないという見立てから株価が下がっていく場面が出てくる場合があります。

4. 総括:東京海上は「買い」か?追加投資を少額行いました。

2026年度1Q決算を総括すると、「短期的なノイズ(為替・国内事故・不動産引当)による下振れはあるものの、長期的なキャッシュ創出能力(フロート経営)は全く揺らいでいない」と言えます。

国内損保のインフレによるコスト高も、第2四半期以降には自動車保険などの料率改定(値上げ)効果が本格的に発現することで、徐々に吸収されていく見通しです。また、北米ローン資産の悪化についても、会社側は通期計画(キャピタル損益210百万ドルのマイナス)にあらかじめ保守的に織り込んでおり、想定の範囲内でのコントロールが効いています

投資家としては、見出しの「減益」や「含み損」といったネガティブな数字に惑わされることなく、年間6,000億円規模の確実な利息収入を生み出す「運用残高(AUM)のスケール」と「ALMの防御力」を評価すべきでしょう

ただし、他社のメガ損保(MS&AD、SOMPO)が軒並み大幅増益の好決算を叩き出している中で、相対的に見劣りしてしまう点は否めません。今後の焦点は、下期に向けて国内保険料の改定効果がどこまで利益を押し上げるか、そして米国経済の軟着陸(CREローンの底打ち)が実現するかにかかっています。

ただ目先の決算ではなく、長期投資先として今後も生き残り続けるであろう投資先に投資をしていくことは変わりありません。東京海上ホールディングスに関しては今年に入ってから投資を行っています。今まで逆張りのようにアステラス製薬やアサヒグループホールディングスなどに投資をして来たりしていた自分ですが、負けにくい投資先として今年から東京海上ホールディングスに投資を行っています。
今月も投資を少額ですが行っています。合計で120株になりました。来月もまた同じように10株だけ投資をしていこうと思っています。ただ淡々とコツコツ積み上げていくように投資をしていきます。
東京海上ホールディングスに関しては200株をまずは目標として投資を継続しています。


100株の取得単価が大きいので、一気に投資をして含み損になるよりかは月に端数で投資をして取得単価を平均にならしていこうと思っています。過去に花王の投資で一気に投資をして痛い目に遭った記憶がありますので値嵩株に関してはあまり資金を突っ込まずに投資をコツコツ投資をしていくほうが良いと自分は思います。来年は今保有している特定口座の東京海上ホールディングスを売却してNISAに切り替えます。また300株を目指して投資を行っていきます。

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