【AIで投資脳は退化する?】高配当株投資家が「思考停止」の罠を回避し、AIを最強の参謀にする3つの防衛策

学ぶべき投資スキルについて

「AIにおすすめの高配当株を聞いて、そのまま買えばいいや」

もしあなたが今、少しでもそう思ったのなら、この記事はあなたのためのものです。

僕は昨年末ごろからGeminiを使用してあともう少しで1か月が経とうとしています。
使い続けているととても便利な反面、このまま使い続けると危機感もありました。
AIを使っているのではなく、依存しているのではないか?
このまま依存していった先にもしGeminiが使用できなくなったら、考える力がなくなってしまうのではないか。

AIの進化は投資の世界を一変させました。
膨大な決算データの中から、一瞬で有望な銘柄をリストアップしてくれるAIは、間違いなく便利なツールです。しかし、そこには致命的な落とし穴があります。
それは、「AIを使えば使うほど、投資家としての『勘』や『分析力』が失われていく」というパラドックスです。

特に、一度買ったら長く保有し続ける「高配当株投資」において、入り口での判断停止は、将来の「減配」や「株価暴落」という可能性が出てきます。

なぜ、AIは私たちの思考力を奪うのでしょうか?そして、どうすればAIを使いながら、逆に投資家としての実力を高めることができるのでしょうか?

本記事では、AI依存が引き起こす脳の思考停止と、高配当投資家が実践すべき「思考停止にならないための3つの具体的解決策」を徹底解説します。

自分自身が使い始めているので、自分で考えて原因や解決策を負荷ぼるためにも記事を作成しました。情報過多の世の中で必要なツールであるAIですが、使い方を間違えれば駄目ですし、だからと言って今ある現代のツールを使いこなさなければ生き残っていけないとも思います。
少しでも参考になれば幸いです。


1.なぜAIを使うと「投資脳」が退化するのか?3つの原因

便利すぎる道具は、時に人間の能力を奪います。Google mapやカーナビの登場で私たちが道を覚えられなくなったように、AI投資もまた、私たちの「金融リテラシー」の筋肉を削ぎ落とそうとしています。その根本的な原因は以下の3点に集約されます。

原因1:プロセスがブラックボックス化し「なぜ?」を考えなくなる

AIは、質問に対して「答え」だけを提示します。

例えば、「利回り4%以上のおすすめ銘柄は?」と聞けば、AIは即座に銘柄コードを返します。
しかし、そこに至るまでの「なぜその銘柄が選ばれたのか?」「どのようなリスクを考慮して除外された銘柄があるのか?」という思考のプロセスは省略されます。

高配当投資で重要なのは、現在の利回りそのものよりも、「その配当が将来も維持される根拠」です。AIの出した答えだけを受け取る習慣がつくと、この根拠を探る探求心が失われ、表面的な数字だけで判断するようになってしまいます。
よくある投資雑誌を見てこれがおすすめだと見て投資をしても本当にリターンが出てくるとは限りません。
自分も投資を始めたときにキヤノンに投資をして減配は今後もしないから大丈夫だ買いだと載っていたので投資をして数か月たったころに減配して株価も大幅に下落してというダブルパンチを食らいました。

原因2:確証バイアスによる「イエスマン化」

人間には、自分の考えを肯定する情報ばかりを集めたがる「確証バイアス」があります。

「〇〇株は買いだよね?」といったニュアンスでAIに質問すると、生成AIはユーザーの意図を汲み取り、それに沿ったポジティブな情報を優先して提示する傾向があります。

これでは分析ではなく、単なる「安心感の補給」です。自分の仮説に対する批判的な視点を持たなくなることで、リスク管理能力が著しく低下します。

以前兼松の分析をしていた時にgeminiと問答をしていた時に、他に兼松のような良い企業はあるかと尋ねたら稲畑産業が挙げられていました。
稲畑産業は確かに良い企業だと僕も思います。
今政策保有株の売却があるから純利益はよく見える。しかし営業利益の方はどうか?ヨコヨコじゃないかと尋ねたらそうでしたね。もしそういう状況なのであれば買いは見送るべきだとも思いますと言われて、分析力や見落としが中にはあるなと思わされたことが何度かありました。

原因3:情報の「咀嚼(そしゃく)」不足による記憶の定着率低下

自分で決算短信(PDF)を開き、細かい数字を目で追い、電卓を叩いて配当性向を計算する。この泥臭い作業こそが、投資家の血肉となります。「苦労して調べた」という体験が、銘柄への理解度や愛着、そして相場急変時の握力(保有し続ける力)を生むのです。

AIに数秒で要約させた文章を流し読みするだけでは、情報は脳の上辺を滑っていくだけで、知識として定着しません。
僕が証券会社に勤めていた時に、上司によく四季報で会社の情報を開いて調べる癖をつけるようにと言っていました。最初はこういうのって意味あるのか?効率的じゃないなとか思っていました。
しかし、今になってこういう継続して行う努力は大切だなと思います。


2.高配当投資家がAI時代を生き抜くための3つの解決策

では、AIを捨てて、再び紙の四季報と電卓に戻るべきなのでしょうか?

答えは「No」です。AIの計算速度と網羅性は圧倒的であり、これを活用しない手はありません。
重要なのは、「AIに任せる領域」と「人間が汗をかく領域」を明確に分けることです。

ここからは、思考停止に陥らず、むしろAIを使って思考力をブーストさせる3つのメソッドを紹介します。

解決策1:AIは「スクリーニング(発掘)」担当、自分は「一次情報の裏取り」担当

AIの最大の強みは、膨大なデータ処理です。逆に人間の強みは、文脈の理解と責任を取ることです。この役割分担を徹底しましょう。

【実践フロー】

  1. AIの仕事(入り口):「東証プライム上場で、時価総額1000億円以上、過去10年間減配がなく、現在の配当利回りが3.5%以上の銘柄をリストアップして」と指示します。ここはAIに丸投げでOKです。
  2. 人間の仕事(出口):リストアップされた銘柄の中から気になったものを選び、必ず自分の目で「決算説明資料」や「中期経営計画」を読みに行きます。AIが抽出したデータが正しいかを確認するだけでなく、「社長の言葉に嘘はないか?」「このビジネスモデルは10年後も通用するか?」という定性的なチェックを行います。

  3. 僕はよく投資をする企業の統合報告書を読むようにしているのですが、経営者の言葉や何を大事にしているかや従業員の働きやなぜ事業が好調かなど色々と読むようにしています。
    統合報告書はかなりのページの量ですので面倒くさいと読む人は多くないと思います。
    この中にチャンスもあるのも確かだと思います。
    しかし、もしこの膨大な量の資料をAIに投げて質問して大事なところだけ要点を絞ってと言ったらそれもありかもしれませんが、その情報は果たして役に立つのだろうかと疑問があります。経営者の大事な視点であったり、なぜこの企業は急に成長できたのか、ビジネスモデルの理解など色々と学ぶことが多いのにそれを全部省略して必要な情報だけ読む。それは本当に投資として上手くいくのだろうかと思ってしまいます。

「AIが選んだから買う」のではなく、「AIという優秀な助手が持ってきた候補リストを、投資家であるあなたが最終面接する」というスタンスを崩さないでください。

解決策2:AIを「辛口の批評家」として使い、論破できるか試す

AIをイエスマンにしないための最良の方法は、あえて「敵役」を演じさせることです。これを「壁打ち」と呼びます。

【具体的なプロンプト例】

「私は○○を高配当目的で購入しようと考えています。しかし、あえて機関投資家の視点で、この銘柄を買わない理由、または将来の減配リスクを3つ、辛辣に挙げてください」

こう質問すると、AIは「資源価格の変動リスク」「脱炭素トレンドによる逆風」など、耳の痛いリスクを提示してきます。

これに対して、あなたが論理的に反論できるか自問自答してください。

「資源以外の非資源分野が伸びているからカバーできる」

「PBRがこれだけ低いなら下値は限定的だ」など、自分の言葉で反論できて初めて、投資のGOサインを出します。

AIに思考を代行させるのではなく、AIを思考の「スパーリングパートナー」にするのです。

解決策3:数字に表れない「定性情報」の分析にリソースを全振りする

PERやPBR、配当性向といった「数字」の分析において、人間はAIに勝てません。ならば、人間はAIが苦手な領域に全勢力を注ぐべきです。それが「定性分析」です。

高配当株投資は、企業との長い付き合いになります。そこで重要になるのは以下のようなポイントです。

  • 経営者の熱量と誠実さ:決算動画を見て、経営者の話し方や表情、株主に対する誠実さを肌で感じる。
  • ブランドの「堀」:その会社の商品は、値上げしても顧客が離れないほど愛されているか?自分がその会社のファンになれるか?
  • 企業文化と不祥事リスク:OpenWorkや転職会議などの口コミサイトを見て、従業員の士気や、組織の腐敗がないかを確認する。(AIはここまでの「空気感」を読むのは苦手です)

AIのおかげで単純な数値計算の時間が浮いたのですから、その時間を「企業の人間性」や「ビジネスの堀」を見極めるための深い思考に充ててください。これこそが、AI時代における人間の付加価値です。
よくAIが登場してからAIに仕事を奪われるという話を聞きます。
それは確かにそうだと思います。しかし僕は思います。確かにAIに仕事を奪われる人もいると思いますが、AIに仕事を奪われない人も多くいます。その違いは単純作業か付加価値を生む仕事かということです。
簡単にただ手入力して何も責任もなく努力もなく事務作業している人がいます。
一方でなぜこの数値はこうなったのか、この数値を改善するにはどうすればよいか、この数値の改善を提案するためにはどうすればよいかなど考えて提案して価値を提供できる人がいます。
前者の人はAIに仕事を奪われてしまうでしょう。しかし後者の人はもしAIに仕事を奪われることがあっても、すべて奪われないと思います。


3.結論~AIは「答え」ではなく「問い」をくれるツール~

「AIを使って投資をするとバカになる」というのは半分正解で、半分間違いです。

正しくは、「AIに『答え』を求めるとバカになるが、AIと『対話』をすると賢くなる」です。

高配当株投資の目的は、単にお金を増やすことだけではなく、自分自身の「資産を守る力」を高め、経済的に自立することにあるはずです。

AIという強力なエンジンを搭載しつつ、ハンドルはしっかりと自分の手で握り続ける。その主体性さえ失わなければ、AIはあなたの投資人生における最強のパートナーとなるはずです。


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