業績比較分析(積水ハウスVS大和ハウス)。業界大手ハウスメーカーの売上、当期純利益、株価等の比較推移を検証。

建設株

「積水ハウスか大和ハウスへどちらに投資をしようか迷っている」
「積水ハウスと大和ハウスの株価、業績や株主還元など比較してどのように違うか知りたい」

今回は大手ハウスメーカー2社の比較分析を行いたいと思います。
売上や当期純利益など過去の業績からどのように企業が歩んできたのか。
1社だけの株式分析で投資判断だと、会社の良い所に極端に集中したり、悪いところを見落としている可能性もあります。
比較分析していてこんなに違うのかと驚き、株式分析はやはり面白いなと!!

この記事をみて、投資をする際の判断にお役に立てれば幸いです。

売上高の比較推移

売上高の比較をしてみますと、2008年から2012年にかけてそこまで差が生じていませんでした。
しかし、2013年ごろから少しずつ差が出てきていて、2016年以降さらに差が開いていき、2022年度では大和ハウスが4兆4395億、積水ハウスが2兆5895億となっています。
図から見ても差が開いてくのが一目瞭然です。ただ、少しずつ積水ハウスもゆっくりですが売上を伸ばしつつあります。なので積水ハウスの成長が決して鈍化しているわけではなく、大和ハウスが売上のスピードの規模が違うだけです。

当期純利益の比較推移

当期純利益の利益を比較をしてみると、そこまで両社に差は出ていないようです(2017年から2020年を除き)。大和ハウスは売上が大幅に伸びていく毎に、当期純利益も右肩上がりで利益を伸ばしています。
積水ハウスも負けずに年度ごとに当期純利益を伸ばし続けています。しかし、積水ハウスの場合は売上は大和ハウスと比較してもそこまで大きく伸ばしていないにも関わらず、当期純利益を伸ばし続けています。積水ハウスの収益性が向上しているので、もし大和ハウスのように借入を行い大きく舵を取った場合に、大和ハウスもうかうかしてられないでしょう。売上が伸びてさらに収益力も高いとなると戦うのにも大和ハウスに分が悪いです。
大和ハウスはスピード感あっての成長で、積水ハウスはどっしり構えて成長というイメージですね。
大和ハウスがウサギで積水ハウスは亀でしょうか?
10年後も20年後と考えるとゆっくり成長している積水ハウスのほうが何かあったときに財務的も良好なので長期投資には向いていると考えられます。

財務健全性の比較

大和ハウスは自己資本比率が35%で横ばいで推移していますが、積水ハウスの自己資本比率は50%台で推移しています。両社とも横ばいです推移していて、自己資本比率のボーダーラインを設けて財務健全性を保っているようです。積水ハウスは財務健全性を良好に保ちつつ、保守的に事業を行っているので長期で投資をするとなると良い投資先です。

ROEの比較推移

ROEでは大和ハウスが2008年から2013年まで10%以下でしたが、2014年以降10%以上になっています。高い時では16%となっていますが、少しずつ下降して11%台に落ちています。それでも10%以上と高い水準ですのでとても良いです。
一方の積水ハウスのROEは、2008年から2013年まで低い水準でしたが、2014年以降上昇していき、2017年~2022年まで10%で推移しています。
売上は差はつけられていますが、自己資本を使って資本の分配を効率的に行っているのは積水ハウスだと思われます。大和ハウスは借入が多いので財務レバレッジが効いているのでそれを考慮すると、積水ハウスは借入を多くしていないにもかかわらず2022には近い水準になっています。

株主還元の比較

株主還元は配当は両社とも配当は右肩上がりで伸ばし続けています。
配当利回りは9月12日時点で大和ハウスが(4.16%)、積水ハウスが(4.10%)です。
配当性向は、大和ハウスが40%以下の水準ですが、積水ハウスは40%を超える場面があるので今後増配が厳しくなってくる可能性があります。積水ハウスはそこまで大きく増配を期待せず安定的に配当を出す方向性になっていくのではないかなと思います。大和ハウスはいつかスピード感が落ち着き始めて、いつか減配する可能性があるのではないかと懸念しています。

株価の比較

(Google finance 引用)

両社の株価の推移を見ていきます。
大和ハウスの株価は事業の拡大と共に株価を伸ばしてきました。スピード感あっての成長だったので今後の株価はどうなるのかと考えると、株価は上昇はしていくものの、どこかで事業がつまずいて株価も下がってしまう可能性もあります。事業拡大のスピード感があるので、コントロールできていない部分からほころびが生じてしまい、見えないリスクが大きく顕在化されて、マイナスな印象を受けてしまうのではないかと疑ってしまいます。
積水ハウスは事業拡大スピードはないですが事業がゆっくり成長しています。株価もゆっくりでありますが伸ばしています。事業の成長はしているので割安性はあります。

まとめ

大和ハウスと積水ハウスの比較分析をしてみました。
比較して分析することで会社の強みや弱みを発見できたり、新しい発見があって知的好奇心をくすぐられました。総合的には積水ハウスのほうが投資先として魅力を感じました。長期投資としてのスタンスで行くと、成熟していますが配当も安定的に還元できる余力と財務健全性と株価がそこまで上昇していないという割安度から投資先として魅力を感じました。
今後の10年後、20年後も積水ハウスはゆっくり成長していくと思われます。ただ世の中何が起こるかわかりません。安全域を意識したときに大和ハウスであればリスクが大きく見えてしまい、事業の停滞があったときに投資をして持ち続けることができるか考えたときにすこし難しいなと思っています。
一方で積水ハウスはリスクが大きく表面化して株価が下がって半分以下になってもまだ持ち続けることができるような保守的な事業を行っていると考えています。
長期投資先としては積水ハウスです!!

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