「大和ハウス工業【1925】へこれから投資をしようか考えている」
「大和ハウス工業【1925】の株価、業績や株主還元について知りたい」
この記事はそのような方へ向けて書いています。
本日もご覧いただきありがとうございます。
今回は大和ハウス工業【1925】についての投資判断を考えてみたいと思います。
建設株の中で配当利回りが高く業績も好調ですが、なぜか株価はイマイチです。
現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。
この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。
業績について
EPS、売上高、営業キャッシュフローマージン、ROE
EPS
epsは2007年から2012年まで横ばいでした。
2013年度から稼ぐ力が向上しています。2013年では昨年度と比較して売上が上昇したことが要因です。さらに2017年から稼ぐ力がレベルアップしています。不動産開発投資等を積極的に行ってより、売上に貢献して、さらに稼ぐ力をつけています。
稼ぐ力は格段と飛躍していて、今後も投資キャッシュにお金が流れてさらにepsの上昇が見込まれる可能性があります。
eps成長率は10年単位では15.8%、15年単位では11.1%ですので、eps成長率は伸びています
売上高
売上高は2007年から2013年まで横ばいで推移していました。
しかし、2014年以降右肩上がりで売上は上昇しています。
2014年以降では3ヶ年の総額6,500億円の投資計画(内訳:不動産開発投資4,000億円、海外投資500億円、M&A等500億円及び設備投資1,500億円)を勢いよく行っていて、その成果として売上が上昇しました。特に賃貸住宅事業、商業施設事業及び事業施設事業の3分野を重点投資分野とした不動産開発に資金を重点投下しているようです。
中期経営計画が現在7次中期経営計画まで策定されていますが、投資額の上昇と共にさらに売上も上昇しています。売上は右肩上がりなので、今後もどこかで転ばなければ売上は上昇していくでしょう。
営業キャッシュフローマージン
営業キャッシュフローマージンは高い時で10%、低い時で3%と波があります。
もう少し安定的に一貫性が欲しい所です。
ROE、ROA
ROEは2007年から2012年は低く推移していました。
しかし、2013年から上昇していき多い時でROEが16%、ROEの推移として10%以上の水準です。
自己資本を使用して効率よく経営が継続できています。
ROEが高く、ROAが低いケースもあるので注意が必要なので見てみると
ROAも高い時で6%超えていて、4%ほどで推移しています。とても良いです!
今後もROEとROAを高い水準で保っていくと考えると魅力的な会社に映ります。
キャッシュフローについて
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは2007年から2015年まで波があり業績が安定していませんでした。
2016年以降は営業キャッシュフローに安定感がでてきて、2020年を除き稼ぐ力がついてきました。
投資キャッシュフローで使用された投資キャッシュの効果が如実に表れてきています。
今後も投資キャッシュの流れが加速していくにつれて、営業キャッシュフローも比例して上昇していくでしょう。
投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローは2007年から2013年までは横ばいでしたが、2014年以降投資キャッシュの流れが変わりました。第4次中期経営計画(2013年度~2015年度)で投資規模を大きく計画しているのがわかります。3年間で過去最高の6500億円と計画後、大きく投資をしていて勢いを感じます。
実績では7582億円と計画の6500億円を大幅に上回りました。
2017年度以降でもさらに営業キャッシュフローが上がるに比例して投資に対してもさらに積極的に行っています。ここまで投資に積極的で勢いが止まらない、事業の拡大感がすごいです。
現在第7次中期経営計画も発表されていて、まだまだ投資額が増えています(笑)すごすぎて言葉が出ないです。ただ逆にここまで投資をするとリスク許容度としてはどうかなという所が否めません。
高速の道路でスピードを出しすぎて、先で渋滞が起こったときにスピードを制御できないとどうなるかと考えただけで恐ろしいです。
財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローは気になったのが、プラスの年が多いですね。
2014年度には公募増資行ってプラスになっています。2015年度は借入金と社債を発行しています。
2021年度も借入金と社債を発行しています。
投資にお金が流れているようですが、少し借入金の頻度が多いのが懸念点です。
自己資本比率は横ばいで35%とありますが、事業が急に傾くといった場合に体力があるかどうか考えると懸念が残ります。
フリーキャッシュフローに関しては投資キャッシュに大きくお金が流れているので、プラスの年は少ないです。攻める姿勢は好ましいですが、攻めすぎな感じもあります。保守的に事業を行う会社が好きなので、もう少し大和ハウス工業にバランスがあったらなと思います。
財務健全性について
自己資本比率
自己資本比率は約35%で綺麗に横ばいで推移しています。
自己資本比率35%をボーダーラインとして会社の事業を行っています。
積水ハウスは自己資本比率が50%台なので、比較すると積水ハウスの財務健全性のすごさがわかります。
ただ、大和ハウス工業は借入を行い積極的に海外展開をしているので、保守的で安定的な積水ハウスか攻める大和ハウス工業かという印象です。
株主還元について
配当
大和ハウス工業の配当利回りが4.22%(9/9現在)です。
配当は上昇傾向にあります。株主還元を手厚く行っていて良いですね。
2019年頃から株主還元に力を入れ始め増配傾向にあり、2022年度には大幅に上昇しました。
2023年度は130円を配当ととして還元予定です。
また大和ハウス工業は2022年度~2026年度の間は130円を下限としているので、それを下回らないようにするとのことです。株主還元に対して手厚く行う姿勢です。
配当性向
配当性向に関しては30~40%で推移しています.
総還元性向を35%以上をを目指すとありましたので引き続き株主還元に力を入れていくと感じられました。
自社株買い
自社株買いは2017年、2019年、2021年と大きく行われています。
積極的に行われているので、配当だけでなく自社株買いもよく行われているので株主還元に手厚いので良いです。
株価について、投資判断について
株価
現在株価は3,084円(9/9)となっています。
過去5年間で18.09%下落しています。
現在のPBRは1.00倍で、perは9.3倍と過去per10年間で算出すると13倍ですので過去と比較すると割安水準です。
投資判断
僕の投資判断としては、買いの検討を見送りたいと思います。
理由は長期投資として安心して保有することができないからです。
大和ハウス工業はたしかに成長著しいことは目に見えて数字からも一目瞭然です。
ここまでスピード感をもって積極的に投資を行っているとなると、見えないリスクが過大に蓄積されているのではないかという不安感がぬぐえません。
リスクが表面化して、財務も厳しくなった時に、はたしてどうなるかと考えたときに長期で投資をすると考えたときに僕の投資スタンスにあっていないと感じました。
株価がかなり安く放置されていて、株価がこれ以上下がらないだろうという所であれば投資をするかもしれません。しかし、5年後の株価を試算してもそこまで割安ではなくリスクに不安が残ります。
投資を大きくしていますが、少し無理をしているのではないかと懸念している点もあります。
僕が思う好ましい会社は保守的に事業を行っている会社です。
売買手数料や税金面のコストを考えると銘柄の入れ替えはしたくないので10年後も20年後も業界に居続けるであろう会社で、株価もそこまで大きく上昇していない、不人気な会社などです。
まとめ
大和ハウス工業の投資判断について考えてみました。
高配当株で近年の業績はとても良いですが、投資はしない予定です。
優良株であるとは思いますので、成長株に投資したい人には良い会社です。
リスクは大きくあると考えてるので、注意して投資をするべきです。
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