丸紅【8002】の投資判断を考える。業績は良いが、今後の好業績を保つことができるか?

商社株

「丸紅【8002】へこれから投資をしようか考えている」
「丸紅【8002】の株価、業績や株主還元について知りたい」

この記事はそのような方へ向けて書いています。

本日もご覧いただきありがとうございます。

今回は丸紅【8002】についての投資判断を考えてみたいと思います。


商社株の中で配当利回りが高く最近では株価も好調でしたが、ウクライナ情勢の影響で株価が下がっています。
現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。


この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。

業績について

EPS

epsは2007年から2016年まで波があり安定していませんでした。
2015年のepsの下がった要因は一過性の固定資産減損損失を計上、
2016年のepsが下がった要因は資源市況の悪化による減損損失を計上したためです。
2020年度が赤字になった理由は、以下の減損損失の計上で大きな要因です。
・米国メキシコ湾石油・ガス開発事業における固定資産の減損損失940億円、
・Gavilon穀物事業の買収に伴い認識したのれん及び無形資産等の減損損失783億円
・チリ銅事業投資の減損損失603億円
・英領北海石油・ガス開発事業における固定資産の減損損失及び繰延税金資産の取り崩し 575億円

2021年度は2020年度から回復して2022年度には大きくepsが上昇しました。要因は商品市況の上昇や既存事業の収益力改善によるものです。セグメント別でアグリ事業と金属事業が大きく寄与しました。


eps成長率は10年単位では2.7%、15年単位では8.8%ですので、eps成長率は伸びています。

過去のepsは一過性の要因による減損損失が目立ち、Gavilonの投資も失敗に終わり、事業が安定していないなと思えましたが、収益力も改善しつつ安定感も出てきました。

2023年度は予想は前年比で減少予定です。

売上高、営業キャッシュフローマージン、当期純利益

売上高は2010年度に下がってしまいましたが、2011年以降2015年まで上昇しています。
しかし、2016年から2017年度にかけて下がってしまいました。
売上はそこまで安定していないです。
営業キャッシュフローマージンは3%~5%で推移していてそこまで稼いでいるとは言えないです。
純利益は波がありますが、少しずつ収益力が改善してきています。
事業が非資源分野へ移行しているのが功を奏しています。

キャッシュフローについて

キャッシュフローについてですが、営業キャッシュフローは2007年から2015年度にかけて波があり安定していませんでした。2016年以降安定的に稼ぎ出せているようです

投資キャッシュフローは2007年から2015年にかけて大きくマイナスな年が目立ちました。
2014年度がマイナスになった理由は豪州Roy Hill 鉄鉱山プロジェクト、オマーン発電事業への出資、海外資源関連への資本的支出が大きく寄与しました。
2014年度に大きな投資案件を行ってから、慎重さから投資キャッシュフローのマイナスが過去と比べて目立たなくなりました。

2014年以降変化が訪れました。
今までは投資キャッシュが主に使われていましたが、財務に大きくキャッシュが流れていて財務体質改善が行われています。良い傾向だと思います。
フリーキャッシュフフローも上手く創出できていて良いお金の循環になっています。

財務健全性について

自己資本比率は18%~29%の範囲です。総合商社の自己資本比率が平均20%台ですので、丸紅の自己資本比率は平均に収まっています。

ネットD/Eレシオは、純有利子負債(有利子負債から直ちに返済できる現預金を差し引いたもの)÷自己資本で求めます。
ネットD/Eレシオの数値が低いほど、純有利子負債が少ないということです。
丸紅のネットD/Eレシオを見ると、2013年~2017年は高い水準でしたが、2018年以降財務が改善して下がってきており良いです。

株主還元について

丸紅の配当利回りが5.05%(7/15現在)です。
配当は業績に連動して増配や減配をしていますので安定的に還元をしているとは言えません。
2022年度には大きく増配しましたが、この高い水準を保つことは少し疑問に思われます。

配当性向に関しては基本的には30%以下で推移していますが、業績が悪化したときには40%,50%.2020年度には100%越えもありますので減配する場合に注意が必要です。

株価について

現在株価は1,189円(7/15)となっています。
過去5年間で62.14%上昇しています。
ウォーレンバフェットが商社株を購入したことや資源価格の高騰の業績が好調、増配を大幅に行ったことで直近の株価は好調です。
現在のPBRは0.98倍で、perは5.12倍と過去per10年間で算出すると8倍ですので過去と比較すると安い水準です。

僕の投資判断としては、買いの検討を見送りたいと思います。
理由は現在の業績が資源価格高騰による業績が良く見えるので、資源価格が落ち着いて業績が元に戻り配当も大幅に下がってしまったら株価も大幅に下落すると思います。
したがって、今は買い時ではないと考えています。
業績が悪化して、減配の恐れがありと情報があり、株価が下落して自分が納得できる水準で購入が投資判断としては良いと思います。
業績は収益力が改善してきていて、フリーキャッシュフローも上手くキャッシュを創出できているので
良い投資先であることは変わりはありません。業績が悪化したら買いたいという判断です。
狙える株価水準は900円~1000円台だと思います。

まとめ

丸紅の投資判断について考えてみました。
高配当株で近年の業績はとても良く、業績の安定感も出てきたので魅力があります。
現在は株価が少し高く思えますので、株価が大幅に下落または減配したタイミングで投資をしたいと考えています。
今後の業績をみて事業が安定、キャッシュフローが上手く循環して長期保有で持つ価値があると判断すれば購入を検討したいと思います。

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