伊藤忠商事【8001】2022年度第3四半期決算について。株価が直近で下落していますが、業績は良くないのか?市場の評価は厳しいです。

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伊藤忠商事【8001】が発表されましたので記事にします。

今回もまた総合商社の決算は好業績なところが目立ちました。
その中で伊藤忠商事は決算発表と合わせて自社株買いを行うと発表しました。すばらしい!!
ただ、他の総合商社と比較して株価は▲1.6%程下がっています。
市場の眼は厳しいようですが、決算の内容を見て私見を述べさせていただきます。

伊藤忠商事【8001】2022年第3四半期期決算について簡単に解説していきます。

2022年第3四半期決算全体-四半期純利益進捗率85%

(伊藤忠商事IR決算短信引用)

2022年第3四半期の累計収益は10兆5,442億円(前年同期比16%増)となりました。
主な要因として大きく貢献したのは今回もエネルギー・化学品セグメントです。
エネルギートレーディングとエネルギー関連事業の市況価格上昇で2兆5,540億円となりました。

当期純利益に帰属する四半期純利益は前年同期比34億円増益の6,822億円となりました。
過去最高の利益を2年連続で出し続けているというのはさすが非資源の雄ですね。

このままいけば、8,000億円も問題なく通過はします。
伊藤忠商事の魅力は安定感があります。今回も基礎収益は景気後退の影響にも負けず、着実に収益を伸ばせています。基礎収益は一過性の損益を除いた利益です。2022年第3四半期の基礎収益は6,340億円と対前年比の5,500億円を上回っています。ただ、為替の影響が大きく690億円プラスになった結果基礎収益は大きくプラスになっています。為替の影響を除けばそこまで大きくは伸びてはいません。
しかし、注目すべき点は安定的に基礎収益の基盤が整っていることです。景気後退のフェーズに突入しつつあり、他の企業は減益の会社が多く目に映ります。伊藤忠商事は外部環境に左右されにくい事業基盤を築きつつあり、非資源の割合が大きいからこそ他の資源割合が多い総合商社と比べると業績のインパクトに派手さはないですが、安心して保有できるところが魅力な点です。
例えると、僕のイメージでは
伊藤忠商事=イチロー
三菱商事=松井秀喜
となっています。伊藤忠商事はヒットを量産して、着実にヒットを重ねて得点を取りに行く。
三菱商事は打てば大量に得点を獲得するホームランバッターみたいなイメージです。

セグメント収益

繊維セグメント〈進捗率75%〉

繊維セグメントは195億円(前年同期比29億円増)となりました。
コロナウィルスの影響が少なくなってきてアパレル事業の業務改善がされましたが、2Q同様原材料高や物流費高騰の影響等を受けているので厳しいことには変わりありません。
繊維セグメントは前からですが、うーんという内容です。
今回調べてたら面白いものを発見しました。
伊藤忠商事の会社情報の中で繊維月報の発見です。(人によっては面白いとは思はないと思いますが・・・)

伊藤忠商事の繊維部門は攻めによる「変革」の年というスローガンを掲げています。
戦略の第1は、環境配慮型素材のバリューチェーンを確固たるものとすることです。
他の総合商社にはない繊維セグメントの優位性があるので少し期待はしたいところです。

繊維月報2023年1月号(VOL.753)|特集(3/4ページ)|伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事株式会社繊維カンパニー発行の「繊維月報」の記事です。伊藤忠商事は繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において幅広いビジネスをグローバルに展開する大手総合商社です。

機械セグメント〈進捗率97%〉

機械セグメントは971億円(前年同期比310億円増)となりました。
自動車関連事業、北米事業の好調なようですね。また日立建機の持分法適用が貢献しました。
日立建機はは建設機械を購入する顧客や販売代理店への融資・リースを今後強化していくにあたりお金が必要でしたが、そこで伊藤忠商事が出資を行うことで円滑に事業をサポートできるようです。
商社の役割はトレーディングと事業投資がありますが、日立建機の場合ですと事業投資です。ある企業への投資を行うことで、株式を購入して資金の出資をするだけでなく投資先の企業の価値を高めることが目的となります。価値を高めることで、取込利益を会計上計上することができるだけでなく、配当金も享受できます。
またグループ会社として部門間の相乗効果も見込めます。
総合商社というビジネスモデルは奥が深いですね。コングロマリットディスカウントで株価もそこまで上昇していませんでしたが、資源高騰や著名投資家による影響もあって価値が追いついてきているようです。

金属セグメント〈進捗率85%〉

金属セグメントの2022年第3四半期は1979億円(前年同期比173億円増)となりました

石炭価格の上昇、伊藤忠丸紅鉄鋼の北米事業ご好調なのと、円安の影響等があり増益に貢献しました。
主な損益会社で伊藤忠丸紅鉄鋼が一番増益に貢献しました。
伊藤忠丸紅鉄鋼は伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼部門が分割と統合した会社です。
純利益の中で金属セグメントは大きく割合を占めているので、来期が少し心配ですね。安定的に稼げればよいのですが、なかなか難しいのでは?と判断しています。

エネルギー・化学品セグメント〈進捗率81%〉

エネルギー・化学品セグメントの2022年第3四半期は798億円(前年同期比145億円増)となりました。2Qではセグメントの上方修正を行いましたが、それでもまだまだ進捗率は順調に推移していて素晴らしい進捗率となっています。今回もまだ市況価格の恩恵や円安の影響を受けて業績は好調です。

食料セグメント〈進捗率53%〉

食料セグメントの2022年第3四半期は367億円(前年同期比96億円減)となりました。やはり厳しいですね。他の会社の食料事業などを行っている会社も大幅に減益になっている会社が多く散見されます。Doleの事業はインフレによる販売需要が悪化していて、さらに追い打ちをかけるように物流費の高騰が利益を圧迫させます。米ドル金利上昇で支払利息増加で減益になっているようですね。ここで米ドル金利上昇が業績に響いていてくるとは…。

食品セグメントは来期以降も厳しさを増していくと予想されます。
生き残りも厳しいとおもいますが、伊藤忠商事の見せ所だと思います。岡藤会長の稼ぐ、守る、防ぐの徹底で今後も厳しい環境でも食品セグメントに関しては粘り強く事業を行って欲しいです。

住生活セグメント〈進捗率92%〉

住生活セグメントの2022年第3四半期は863億円(前年同期比58億円減)となりました。進捗率は92%でとても良いです!!北米住宅用構造材関連事業の連結子会社化の再評価益等により増益したようです。一過性の損失が響きましたが、それでも進捗率は92%と素晴らしい。
伊藤忠商事の去年のニュースで官民連携(PPP)による公共施設整備事業に参入するようです。
公共施設整備事業はオリックスもやっていますね。
一つ目の案件として宮城県の柴田町総合体育館整備事業を整備や運営を行っています。調べたら2024年12月頃に供用開始されます。完成したら見てみたいな。
公共施設を通して地域活性化、地域に良いサービスを根付かせるというビジネスはとても素敵です。
ホルダーとして誇り高いですし、伊藤忠商事への投資を通じて(微々たるお金の投資ですが)社会貢献へ繋がったら僕としては本当に嬉しい。仮に株価が下落(下がり続けたらいやですが)しても、日本のどこかに社会貢献できたら投資をしていて良かったなと思います。

情報・金融セグメント〈進捗率60%〉

情報・金融セグメントの2022年第3四半期は384億円(前年同期比168億円減)となりました。進捗率は60%と芳しくないですね。伊藤忠テクノソリューションズの事業は堅調でしたが、人員確保に伴う経費先行があったことに加え、ファンド保有株式の評価損益悪化が利益の減少になっているようです。人員確保はやはり人材の流動性が高まっているので、どこの会社も躍起になって良い人材を確保しておきたいんですね。

第8セグメント〈進捗率110%〉

第8セグメントでは生活消費分野に強みを持つ伊藤忠商事の、異業種の事業種の取り組みを加速させる事業を行っています。つまり、事業ごとの垣根を越えて相乗効果を生む架け橋になる事業と認識しています。ファミリーマートなどがこのセグメントで挙げられます。

第8セグメントの2022年第3四半期は264億円(前年同期比265億円減)となりました。
ファミリーマートは電気光熱費や物流高の影響もあって利益が削られていますが、値上げの効果も少しずつ効果として表れてきていると動画説明でありました。前年比でここまで利益が減少したのは台湾のファミリーマートの一部売却によるもので一過性の利益の反動によるものですので、そこまで問題はないと判断しています。進捗率は110%と申し分ないです。

投資判断について

伊藤忠商事の株価は現在4,014円です。直近では下落傾向にあります。下落傾向にありますが、僕投資判断は変わらず欲しい銘柄です。僕のポートフォリオの主要銘柄として今後も期待しています。ただ、来期は新しくNISAも開始されるので一般口座からNISA枠に替えようか迷っています。今年中に考えないといけないです。
総合商社は軒並み業績が良いですが、三菱商事や三井物産に関しては購入したいかと言われたら今では購入はなかなか厳しいなと思っています。たしかに業績は好調で他の会社の決算があまり芳しくなく、目移りしたい気持ちもわかりますが、よく考えてみると資源高の影響、為替の影響など外部的な影響が重なって業績が跳ね上がっています。お金が資源らへんを流れていますが、ずっとこの状況が続くわけではありません。みんなが欲しいと思っているのは価格が上がりすぎていつか支払った価格以上の代価を支払わなければなりません。
短期的な業績に惑わされるのではなく、長期的な視点で投資を行おうと思ったときに伊藤忠商事に軍配が上がりました。いつか流れが変わります。違う業界が取り上げられて、お金が違う場所に流れ込んだときでは行動はすでに遅いです。
今買うのは業績が悪化して厳しい業界を狙っていくのが長期的に良いと判断しています。

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