花王【4452】2022年通期決算発表がされました。配当性向80%越え!厳しい冬は続きそうです。

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花王【4452】2022年通期決算が発表されましたので記事にします。
花王の2022年の決算はやはり厳しい決算内容でした。厳しい決算内容だからこそ、構造の改革を行っていくと長谷部社長からは力強さを感じたのはホルダーとして救われました。
また今日で花王に投資をして2年が経ち学べることも多かったので、学んだことも共有していきます。
取りあえず、言えることは花王への投資の難易度はかなり高かったということと経験も積むことができたことです。

花王【4452】2022年第3四半期期決算について簡単に解説していきます。

2022年通期決算全体

(花王決算短信引用)

2022年通期決算の売上高は1兆5,51億円(前年同期比9.3%増)となりました。営業利益は1,100億円(前年同期比23.3%減)となりました。要因としては原材料価格高騰や欧米の景気成長の減速などの多くが積み重なって利益が大幅に減少しました。当期純利益は860億円(前年同期比21.5%減)となっています。原材料価格高騰でおおよそ460億円の利益を圧迫させていて、戦略的な値上げでも140億円程利益のに貢献したものの利益の回復までとはなりませんでした。

戦略的値上げを来期以降も行うと言及していて、本当に大丈夫かというのが率直な意見です。
値上げ、値上げで消費者が離れていかないかというのが真っ先に考えとしてあります。商品の価値として競争優位性があり、消費者が支払う価値があると思って購入しています。
ニュースで良く値上がり品目が今月も増えました、家計の逼迫へ繋がると消費者の声が上がっているのを見て、今の日本での値上げというのは逆にマイナスの要因にしかならないと思っています。
消費者は値上げという言葉に辟易している中で、商品を使っていくように消費者を囲い込むことが先決だったと考えます。

セグメント別業績



2022年度の事業別の利益は化粧品は前年比で66億円と何とかプラスで着地しましたが、主力事業のハイジーン&リビングケア、ヘルス&ビューティーケアでは対前年比で大幅に利益が圧迫されています。

化粧品事業はKANEBOやKATEなどの主要ブランドに集中投資を行い、売上の上昇に繋がりました。
また、固定費削減や構造改革を行った結果利益も伸ばすことができたようです。花王の化商品事業は成長領域として位置付けていて、来期の2023年の売上高は2,640億円と前年比で4.6%ほどプラスで着地見込みとなっています。コロナウィルスの影響も少しずつ緩和されている中で化粧品の需要も戻りつつあるので、利益も回復基調であるので期待はできそうです。

ハイジーン&リビングケアは営業利益が307億円と対前年比で211億円減少となっています。原材料高騰で大きく利益を削られています。
紙おむつの事業に対して抜本的に事業を改革すると動画の説明にありました。不採算事業の撤退を行うようです。たしかに、ユニ・チャームに負けてる感があるので、勝てないところで戦いに行く必要はないので構造改革を行って欲しい所ではあります。ただ、紙おむつの事業自体をなくすことではないと長谷部社長から説明がありました。事業の資産効率性を促すために紙おむつの事業や生理用品事業、ヘアアロン事業の構造改革を図ると資料でありました。
2023年度から事業別ROICを導入するとあるので不採算事業に対して構造改革の意思の強さが垣間見えました。ROICは銀行などから調達したお金をどれだけ効率的に利益をあげることができたかを測定する財務指標です。

ROEは自己資本を分母とするので、株主から見た企業の稼ぐ力が見えますが事業の稼ぐ力自体は見えないです。一方のROICは有利子負債と株主資本の合計とするため事業自体の稼ぐ力が見えるというメリットがあります。今後は構造改革を行って余計なぜい肉を落として筋肉質な会社になって欲しいですね。

決算とは別に役員報酬の一部返納というニュースが出ていました。月額報酬の30%を2023年4月から3か月間というのは進んでできることではないなと思います。どういういきさつかはわかりませんが、経営の結果に対しての報酬を受け取るという考えは良いです。

花王を2年間保有して学んだこと

花王を2年間保有して(300→200株になりましたが)学んだことは、企業は生き物であり他の生き物のと違い人間と同じように感情を持っていると実感したことです。人間は厳しい環境に投げ出されたり、不慮の事故や出来事が起こったときに本性が表れます。
企業も同じくインフレや景気後退からの需要の減退などで環境に対応できず生き残ることができず淘汰されていきます。花王に関して、インフレや原材料高騰などで利益が大幅に削られ今まで順風満帆だった事業が苦境に直面しています。花王を持ち続けて花王のプライドの高さにも気づきました。プライドの高いことは良いことです。ただ、考えも変えなくてはいけないとも思います。エリート達が今苦しいから値上げするからよろしくと消費者の気持ちも考えず、高圧的な態度できたら人は離れていきます。
今まで順風満帆だったせいか、計画の見積もりも甘く原材料高騰に対して事業計画は大きく乖離しています。また、配当性向80%と配当を出すことに対して仕方がないと思いますが、自社株買いまで無理して行うことはないかなとも思います。そりゃまあ、株価が下がることを恐れてやっていることはわかりますが、無理して行うこともないのかなと思います。プライドが許さないのでしょう。
花王は優良でエリートたちが集まり、誰もが知る一流品の物を提供していて、完ぺきな自分を演じています。ただ、成功ばかりしていたエリートが大きく挫折するととてつもなく転げ落ちるのは人間でも同じです。よくある、中学、高校、大学と一流大学に失敗もなく一流会社に行って、失敗を知らずに生きてきて初めて会社で失敗を経験して立ち直り方がわからない。そんなイメージです。

良いイメージしかない花王に投資をした自分がいけないのですが。楽観的なストーリーしか出なかったのも事実なので反省せねばなりません。

連続増配株は諸刃の剣でもあるということは学びました。連続増配NO.1の花王は今まで成長できたからこそ、増配を可能にしました。しかし、配当性向80%と高い中連続増配となると心配しか勝ちません。連続増配がストップしたとなったらと想像しただけで寒気がしてきます。連続増配だから今後増配したら配当利回りも上昇するという短絡的な考えではだめだと反省しています。
増配したり、据え置いたり時流に応じて株主還元を行っていく会社のほうが良いなと思いました。苦しい時にまで、来期がどうなるかわからないのに増配しますってなったら、会社として心配になります。

来期の予想は出ていますが、そこまで期待はしすぎるのは良くないです。
ただ、200株は保有します。決算内容を見て、花王に変化が垣間見えて更生した時にまた投資を行っていきます。事業構造改革を行っていくと資料からは力強さは感じました。変化がでてきたタイミングで、花王を買おうと声高らかに宣言します。

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