伊藤忠商事【8001】2022年度第1四半期決算について

商社株

伊藤忠商事【8001】2022年第1四半期決算が発表されましたので記事にします。
総合商社は資源高の影響で全体的に決算の内容がとても芳しく、業績に反応して三菱商事や丸紅、双日などの株価にプラスになりました。しかし、伊藤忠商事は決算を場中に発表しましたが決算発表時は株価がマイナスになっていました。持ち直して株価がプラスのなりました。

伊藤忠商事【8001】2022年第1四半期期決算について簡単に解説していきます。

2022年第1四半期決算全体

(伊藤忠商事IR引用)

収益は3兆3,780億円(前年同期比15.8%増)となりました。
主な要因として大きく貢献したのはエネルギー・化学品セグメントです。
エネルギートレーディングとエネルギー関連事業の市況価格上昇で2032億円増収となりました。次に大きく貢献したのは金属セグメントで石炭価格の上昇で1,241億円の増収となりました。

売上総利益は5,250億円(前年同期比6.9%増)となりました。
主に貢献したのが金属セグメントで、石炭価格の上昇等で164億円増の699億円です。
次に貢献したのがエネルギー・化学品セグメントで、市況価格上昇に伴う取引を行うなどの結果、131億円増益の700億円となりました。
第8セグメントは台湾ファミリーマートの株式を売却したため、子会社から関連会社に区分変更の為163億円現役の940億円です。


四半期純利益は368億円(前年同期比13.8%減)減益の2,306億円となりました。
四半期純利益が通期の見通し7,000億円なので1Q時点で進捗率は33%ですのでとても良かったのではないでしょうか。

セグメント収益

繊維セグメント〈進捗率16%〉

繊維セグメントは41億円(前年同期比12億円減)となりました。
コロナウィルスの影響が少なくなってきてアパレル事業の業務改善がされましたが
一過性の利益の反動で減益になりました。前年ではエドウィンの固定資産売却で10億円がありました。セグメントで採算が取れてないなと思いますが、今後も繊維セグメントは横ばいで続くのではと思います。

機械セグメント〈進捗率26%〉

機械セグメントは187億円(前年同期比76億円減)となりました。
船舶市況好調から用船料収入、自動車関連投資の受取配当金の増加でしたがリース関連事業のロシア向け航空機の減損損失と一過性利益の減少で減益になりました。
東京センチュリーの業績が1Qが赤字でしたので苦戦していますね。東京センチュリーの通期見通しは良くないと見越しているので、ロシア関連もありますので仕方ないと思います。一過性の利益はIEIでの水道事業売却に伴う利益がありました。
IEIはイギリスを拠点の伊藤忠商事の子会社です。インフラ関連事業開発、投資、運営などを行います。

金属セグメント〈進捗率38%〉

金属セグメントの2022年第1四半期は754億円(前年同期比25億円減)となりました。要因としては石炭価格の上昇や伊藤忠丸紅鉄鋼の事業が好調でしたが、それ以上に鉄鉱石価格の下落や一過性利益の反動によるものです。
進捗率が38%と好調で一番進捗率が高いですので現在の資源高は追い風になっています。

エネルギー・化学品セグメント〈進捗率26%〉

エネルギー・化学品セグメントの2022年第1四半期は219億円(前年同期比69億円増)となりました。エネルギートレーディングとエネルギー関連事業の市況価格上昇と持ち分法投資損益が増加したためです。進捗率は26%と全セグメントの中で良い水準です。

食料セグメント〈進捗率26%〉

食料セグメントの2022年第1四半期は219億円(前年同期比47億円増)となりました。北米穀物関連事業が堅調で、北米油脂事業の再編で利益などで増益しました。
しかし、Doleの事業、プリマハムの事業、不二製油グループの事業は円安や原材料高の影響で芳しくなく、2Qでも食品セグメントは苦戦を強いられてしまう可能性があります。進捗率は26%となり全セグメントの中では良い水準です。

住生活セグメント〈進捗率37%〉

住生活セグメントの2022年第1四半期は266億円(前年同期比320億円減)となりました。進捗率は37%で2番目に良いです。欧州タイヤ関連事業の採算改善や海外不動産事業の売却益が出ましたが、一過性の利益の反動で減益に大幅に減益になりました。日伯紙パルプの売却が一過性の利益として大きく影響しています。
進捗率は好調なので、2Qも手堅く推移すると思われます。

情報・金融セグメント〈進捗率12%〉

情報・金融セグメントの2022年第1四半期は106億円(前年同期比80億円減)となりました。進捗率はワーストで12%です。伊藤忠テクノソリューションズの事業は堅調でしたが、子会社の携帯販売会社のコネクシオの事業悪化やほけんの窓口グループの代理店手数料減少やファンド運用益が減少したためです。ただポケットカードが好調でしたので今後も注目するべきです。

ポケットカードは企業との提携カードを発行して、全国に約500万人のカード会員を有するクレジットカード会社です。ファミマTカード、伊藤忠エネクスやコーナン商事との提携カードなどがあります。伊藤忠商事は事業が多角化されていますが、相乗効果で全体的に資本効率性を上げていますので、情報・金融セグメントで今後も相乗効果が見込める事業が活発化されるはずだと思っています。

第8セグメント〈進捗率23%〉

第8セグメントの2022年第1四半期は69億円(前年同期比331億円減)となりました。ファミリーマートで店舗改装や販売促進強化などで経費の増加や店舗減損や台湾のファミリーマートの株式売却の反動で減益になりました。
第8セグメントは事業として立ち上がったばかりなのと、利は川下にありと伊藤忠商事のCEO 岡藤さんはおっしゃっているので、事業面でも第8セグメントに力を注いでいくと考えられますので注目セグメントであります。

株価について

伊藤忠商事の株価は決算発表を受けて、3,765円まで下がりましたが、持ち直して3,810円で前日43円高となりました。1Qが14%減と数字ですく判断して売り急いだのかもしれません。時間が経つにつれて決算の内容が悪くないとわかり戻ってきたのでしょう。

僕個人としても内容は良いのではないかなと思います。たしかに他の総合商社と比較すると資源高の影響をそこまで享受していないです。短期的に見れば資源高の影響を受ける総合商社の業績は見栄えが良いです。しかし、伊藤忠商事の強みは非資源分野なので、資源高が落ち着いて、着実に利益を積み上げて盤石に事業を行っていくときにその真価を発揮すると思います。資源高が下落時に、総合商社に業績が急激に下がって投資家が悲観的になり、でも伊藤忠商事の業績は堅調に推移しているよねという見直され方が理想的なストーリーです。
伊藤忠商事の株価がかなり下がってしまったら、買いに向かいます。
ポートフォリオに占める割合が大きいので、長期で保有しつつ業績の動向を見ていきます。

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