兼松は3月26日に中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)を発表しました。
内容として良い材料だったのは、中期経営計画の中では株主還元策で累進配当にしてくれたことです。
中期経営計画の発表を受けて、株価は2%ほど上昇しましたが、そこまで上昇はしませんでした。
以前兼松の決算内容を見ていた時に、累進配当を導入してくれたらなと記事にしていましたが期待に応えてくれるように累進配当を導入してくれてよかったです。
現在300株を旧NISAで保有していて、投資をしていた先として良かったです。
株価は上昇していて、以前の配当利回りは4%以上ありましたが配当利回りも下がって3.59%です。
以前から情報収集と分析をしていて、株価は上昇してしまっていますがそれでも投資先として良いなと感じています。
中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)について
(兼松中期経営計画説明資料引用)
中期経営計画の概要としては最終年度に当期純利益を350億円を計画しています。
ROEも16~18%とかなり高い資本効率で利益を上げていきます。
2024年3月期の段階で235億円を予想値としています。235億円に到達するかは決算の内容を見てギリギリ到達するか、難しいかというラインです。
今回の235億円という数字は上昇修正後の純利益ですので、中期経営計画の最終年度の200億円には容易に達しています。
2027年度3月期の350億円の当期純利益はけっこう強気な数字だなと思います。
会社の年初の挨拶を読むと兼松のCEOの宮部さんは今期の目標である235億円をさらに超えて、次期中計の最終年度の2027年3月期にはさらに大きく伸ばし、新しいステージに達すると発言しています。
年初の挨拶はけっこう伏線だったんですね。中期経営計画の最終年度でたしかに大きく235億円から350億円とかなり利益が伸びますので、年初の挨拶の伏線は回収されました。
数値を見るだけでなく、年初の挨拶や、決算説明資料の中の言動や行動など観察していくべきだなと改めて思いました。株主総会にも今後参加して従業員や会社や経営者を見ていくべきなんだろうと思います。
(兼松エレクトロニクス中期経営計画説明資料引用)
兼松エレクトロニクス中期経営計画の2027年3月期で155億円の経常利益を目標としています。ICTソリューション事業のコアとなる兼松エレクトロニクスの事業ですが、2024年3月期と比較してそこまで大きく伸びる感じではないです。
この点はけっこう気になります。
350億円の当期純利益を2027年3月期に目指しますと言っても、現状の2024年3月期では235億円、ICTソリューション事業に力を入れていく方向で見て、兼松エレクトロニクスの中期経営計画の数値の最終年度の経常利益が17億円程伸びますが、伸びるのは良いのですが、兼松の業績の350億円までには程遠く、円安の恩恵も受けての状況で今の業績ですので、今後そこまで到達できるのかはかなり難しそうです。
中期経営計画の質疑応答の内容の中でも、350億円に到達するために3年間で100億円増益は詳細な説明がないと株式市場に織り込まれないとあり、どのように具体的に100億円増益を目指すことが可能なのかの質問があり、ICTソリューション事業だけでなく、全セグメントで成長していくと言及しています。前回の中期経営計画の中で実施した投資の効果なども寄与していくとあります。
今まであんなにも保守的に数値を見積もってきた兼松がここまで大胆に数値を掲げるのはなにか策があるのだと考えています。僕としては手堅く堅調に業績を上げて配当を着実に増配してくれれば問題はないですが、この計画については何かが引っかかりました。
隠し玉があるのか、大手の企業と資本提携業務で相乗効果を狙うのか?だから、兼松エレクトロニクスの看板の大きさじゃなく、兼松がTOBすることで兼松の大きな看板で何かができる?
あくまで妄想なので、当たる可能性は低いですがとても興味深いです。
(兼松中期経営計画説明資料)
説明資料によれば、完全子会社化した兼松エレクトロニクスがカギを握っているようです。ICTソリューション事業の成長、シナジー効果で他セグメントの利益も向上するとあります。
ICTソリューションへの集中投資を通じてより成長していくと記載しています。電子・デバイス食料などよりもICTソリューションのほうが今後当期純利益の成長率の伸びが高いので、既存の事業は安定的に手堅く稼ぎ、ICTソリューション事業で資本効率的に成長させていく感じですね。
資本政策として成長のために中期経営計画の間にICTソリューション事業に400億円の投資、強みの事業(GX関連)に200億円、基盤事業に330億円、株主還元に270億円を行います。ICTソリューション事業に力の入れ具合が違いますね。
また兼松は取引先と長く深く関係を築いていて、兼松の2万社を超えるグループに対してグルソリューションを提供することで利益を獲得していくとあります。
(兼松中期経営計画説明資料引用)
宮部CEOになってから、さらに会社間の連帯感が強まっていくように感じています。
グループ一体経営の実現をすることで情報・ノウハウ、人材、営業基盤、資金などのグループ間シナジーを発揮できるように体制を整えています。
グループ一体経営が実現することでさらに企業向上に繋がります。2023年9月27日にグループ成長戦略推進室を新設しています。グループ一体経営実現に向けてさらにスピード感が高まっています。
中期経営計画の数値目標のために、グループ一体経営を主軸にさらに連帯感を強めています。
兼松エレクトロニクスを取り込んでさらに連帯感を強めたことで、ICTソリューションを食料部門の事業に提供することで、より成長をしていき、兼松サステックを子会社化することでGXソリューションをモビリティ事業へとつなげることで成長に繋げていきます。
兼松はDXとGXをグループ間で相乗効果を生むために、グループ成長戦略室をコア組織として設けています。
2023年統合報告書でも、最初のページから兼松エレクトロニクスと兼松サステックの社長との対談をしているシーンだったので、より連帯感のある姿勢と今後連帯感が強固になっていくと主張がしたかったのではないかと読み取れました。
今回の2027年3月期で当期純利益を350億円目指すということになれば、株主還元である配当はどうなるのだろうとざっくりですが計算してみました。当期純利益を350億円だとして、epsに計算すると414円ほどになります。配当性向を35%とすると一株の配当は145円となります。今の株価は2,528円ですので、一株配当を145円で配当利回りを計算すると5.6%になります。素晴らしいですね。
当期純利益は絶対に達するものではないので、一株配当を130円ぐらいに増配したとしても現在の株価で配当利回りは5%です。
予想の数値を鵜呑みにはできません。兼松の事業に関しては他の総合商社と異なり非資源割合が多いので資源の影響は大きくは影響しません。手堅く収益を積み上げていくと思います。
だから、長期保有(3年~4年)という前提で、株価が下落しても保有し続けることができれば、配当という果実を実らせることできると思います。
僕は今300株のみ保有していて、今追加で取得すると平均取得単価が上がってしまいますが、株価上昇という所に焦点を当てているわけではなく、配当に焦点を当てているので、今年に追加で投資を検討中です。
株価がここからさらに上昇して3,000円台になったら投資は難しいですが、今の2,500円台はまだまだ投資をしたい水準です。
兼松は今回中期経営計画の中で一株の配当の下限を90円として、累進配当を導入しました。
累進配当は減配をせず現在の配当水準を維持しつづけ、増配するというものです。
こういう材料があると長期で安心して持ち続けることができます。
ただ総合商社が累進配当を導入している企業が多いので、累進配当の良さが打ち消されてる感は否めないです。累進配当のバーゲンセールみたいですね。
こんなにも良い企業なのに株価が他の総合商社と比較して大きく上昇していないのでもう少し目立っても良いのにとはいつも思います。
株価が上昇すると投資がやりにくいので、心境としては複雑ですね。
今のうちに追加投資をして、長期で保有し続けていくようにしていこうと思っています。
兼松に関しては来年にも追加で投資をしていこうと考えています。
ポートフォリオの主力としても考えて投資を行います。
今年は新NISAで73株と特定口座で100株投資をして、現在473株保有(旧NISA300株、新NISA73株、特定口座100株)しています。
株価がここから上がらなければ株価が3000円程は手は出しにくいですが、2,500円以下を狙って1000株をまずは目標に投資を行いたいです。
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