伊藤忠商事【8001】の決算2024年3月期第1四半期(4-6月)が発表されましたので記事にします。
伊藤忠商事に投資をして現在400株のみ保有しています。
今回もまた総合商社の決算は好業績なところが目立ちました。
総合商社では、伊藤忠商事は非資源割合が大きいので減益率も限定的でした。
僕が以前から考えていた、非資源の割合が大きい伊藤忠商事が資源高が落ち着いても業績を伸ばしているが、他の総合商社は資源高の影響も薄れて減益幅が多くなった時に伊藤忠商事が一人勝ちして、株価上昇していくのではないかと希望的観測をしてます。
決算の内容は悪くない内容でしたが、今までが以上に株価が上昇してきていたので、商社バブルもようやく落ち着き始めて、集団の熱気も冷めつつあります。
僕が決算資料を読んでいて、かなり気になった点がありました。この気になった点が三菱商事の決算でも数字としてでていたので、他の会社が大丈夫が心配になりました。
伊藤忠商事【8001】2024年3月期第1四半期(4-6月)について簡単に解説していきます。
2024年3月期第1四半期(4-6月)
(伊藤忠商事決算説明資料引用)
売上収益は3兆4,849億円(対前年比0.9%減)、当社株主に帰属する当期利益は2,132億円(前年比7.5%減-進捗率27%)となり減収減益となりました。当期純利益は7,800億円を目標としていますので、進捗率から上手く達成すると考えています。2年連続で8,000億円台の純利益を達成していましたが、外部市況がよかったので反動で今期は7,800億円の減益予想となっています。
外部環境の良さに関係なく、非資源の稼ぐ力がよりついてきていて、いずれ8,000億円に到達するのも時間の問題であると思います。仮に、9,000億円の当期純利益、一兆円の当期純利益を安定的に稼ぐことができるようになると思いましたら、長期保有投資先として投資冥利があります。
外部環境も少しずつ落ち着きつつあります。非資源割合の多い伊藤忠商事の力の見せ所だと思います。前期の通期決算の内容では、為替の影響や資源高の影響で何とか稼げていたなという印象で、非資源の事業は少し苦戦していたなという印象でした。
セグメント別に見ていくと、金属セグメントは562億円(前年同期比194億円減-進捗率24%)です。
減益の主な主因としては、石炭価格の下落や鉄鉱石の下落が挙げられます。またアメリカのドルの借入金額の金利負担の増加が利益を押し下げています。下の伊藤忠商事の決算説明資料によりますと、金利の負担が130億円となっています。
決算短信の数字を見ると、支払利息が3倍近くになっています。この内容は僕の中ではかなりインパクトが大きい内容でした。アメリカの金利上昇でここまで負担になっているとは思いませんでした。そんな事金利が上昇しているから当たり前じゃんと当然のことだと思います。
ただ、僕には漠然としか理解できていませんでした。金利が上昇して、どれくらい数字として表れるのか、業績にどう影響を与えるかを具体的に想像ができませんでした。目の前にある当然のことを考えることは、何か落とし穴があったり、見過ごされているチャンスを考えるきっかけとなります。
三菱商事も調べてみたら支払利息が大きく増えていました。企業として力のある会社であれば問題ないと思いますが、業績が厳しい会社が外部環境が悪い中でさらに金利が上昇していてより利益を逼迫しているというのであれば、体力がない会社は今後生き残れるか心配です。連鎖的に企業の倒産で、銀行業が貸していたお金が戻ってこず、金融不安になるのではないかと不安視してしまいました。日本でも金利上昇がさらに上がるということであれば、未来に対して悲観的に見ていく必要があります。
例えると海で一人で泳いでいてすぐ近くまで鮫が来ているのに気づかず、サメの背びれが見えたらゾッとするあの感覚に似ています。
銀行株が上がり、金利の上昇で業績も好調になるとの思惑もあるようですが、負の側面も見ていくべきです。誰かの利益は誰かの損失です。銀行業が儲かっている中で、借入を行って今まで儲かってきた会社の業績が急激に悪化するということも考えていく必要があります。
情報・金融セグメントに関しては、144億円(前年同期比37億円増-進捗率18%)です。伊藤忠テクノソリューションズの事業の好調さや、保険の窓口などの販売手数料の増加が増益に寄与しました。進捗率はかなり低いものとなっていますが、説明によると上期は進捗はあまり芳しくない状態が続きますが、下期に収益が集中していくので、問題なく目標を達成予定と言及していました。コネクシオを手放していたので、減益している点は見逃せないですが、下期にどう改善していくか楽しみに注目していきます。
食料セグメントでは208億円(前年同期比21億円増-進捗率34%)です。進捗率は34%と好調ですが、保守的に見積もっていたので、好調になっていると説明がありました。
1Qにおいて過去最高益となっているので、今後も順調に利益を積み重ねていくと思います。
前期に実施した暖簾減損等の反動もあるので23 年度の業績回復は鮮明になっていくと予想されます。前期はDoleの減損225億円、北⽶畜産関連事業での減損損失45億円、プリマハムでの減損損失が約15億円がありました。DOLEに関しては前期の1Qは大幅に赤字だったものの、今期の1Qは黒字で着地できています。DOLEでの米ドル金利上昇で支払利息は増加しているので、やはり厳しいんだなという印象です。市況も落ち着きつつあるので、伊藤忠食品や伊藤忠飼料、日本アクセスなど前期より収益が改善されています。
第8カンパニーセグメントは208億円(前年同期比62億円増-進捗率50%)です。ファミリーマートを起点として生活消費分野に強みを持つビジネス基盤を最大限活用しながら、異業種融合・カンパニー横断の取り組みを行っています。
お客様の単価が上昇しているのと、コロナの時と比べて来店数が増えているのが業績の改善に繋がっています。デジタルサイネージなどの販管費の費用が重なっているものの、それでも業績は改善されていて、進捗率も50%と素晴らしい結果を残しています。
機械セグメントに関しては、317億円(前年同期比129億円増-進捗率30%)です。機械セグメントは思った以上に業績が改善されていて驚きました。
東京センチュリーが前期1Qでロシア向け航空機の損失の反動があるので増益ということもわかりますが、日立建機の持ち分が前期の3Qから法適用開始されています。日立建機との資本提携を通じてより事業拡大を図っています。日立建機は東京センチュリーと金融分野において協業で建機ファイナンス会社を運営しています。東京センチュリーがファイナンス商品や与信などを行い、日立建機がマーケティングなどを行っています。北米の建設市場は規模が大きく、住宅やインフラ整備などで安定した需要が見込めるので、建設機械を分割で購入されるかたが多く、金融に強みのある東京センチュリーと日立建機が組めば相乗効果として良い方向性に向かっていくと思います。
エネルギー・化学品セグメントでは375億円(前年同期比147億円増-進捗率43%)です。一過性の損益(リチウムイオン電池事業の再評価+160億円,伊藤忠エネクスの固定資産売却-メガソーラー+20億円)が+185億円ありましたので、エネルギー事業・化学品セグメントも堅調でした。一過性の損益の利益もあったので進捗率はとても良かったです。
投資判断について
伊藤忠商事の株価は5,629円(2023年8月8日場中)、配当利回りは2.84%です。
現在の株価水準では、投資判断はしていないです。現在取得単価(3,310.7),400株保有で配当利回りが取得単価で4.8%ほどですので伊藤忠商事が増配して、取得単価で配当利回りが5%になりましたら、投資を検討していこうと考えています。増配して一株配当が170円になり、株価がそこまで上昇してないければ購入も視野に入れていきます。
今の段階では優先的に伊藤忠商事を購入していくという考えはないので、新NISAのために現金は留保しつつ、以前選定した銘柄の情報収集をしつつ、投資判断を検討して、他の銘柄でよいものがなければ新NISAのために選定した銘柄を投資していきます。
伊藤忠商事は企業として素晴らしく、長期保有投資先として保有し続けます。追加で投資をすることは考えてはいますので、あとはタイミングと現金次第で投資をします。
もし伊藤忠商事をもってなくて、100株投資をしたいというのであれば、もう少し待っても良いかなと思います。いずれ買いのチャンスが来ると思います。さらにバフェットが買って株価が上昇というシナリオもあるかもしれませんが、株価上昇もここから2倍、3倍はないと思うので、含み損抱えてもナンピンして保有し続けるという方であれば、僕は投資先として良い投資先だと判断しています。
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