総合商社の比較分析を検証(伊藤忠商事VS三菱商事VS三井物産)。総合的に魅力的なのはどの会社だ!!

商社株

「総合商社に投資をしようと思うがどこに投資をしようか迷っている」
「大手総合商社3社の業績や株主還元など比較してどのように違うか知りたい」

今回は大手総合商社3社の比較分析を行いたいと思います。
売上や当期純利益など過去の業績からどのように企業が歩んできたのか。
1社だけの株式分析で投資判断だと、会社の良い所に極端に集中したり、悪いところを見落としている可能性もあります。
総合商社で伊藤忠商事のみ400株所有しているので、投資先として良い所悪いところを総合的に勘案して今後の投資戦略にも活かしていきたいと思います。


この記事をみて、投資をする際の判断にお役に立てれば幸いです。

当期純利益の比較推移

当期純利益の利益を比較をしてみると、伊藤忠商事の当期純利益はなだらかに上昇傾向にあります。
景気に左右されず、収益基盤が固まりつつあり、収益が積み重なっていて収益力が高まっています。
三菱商事と三井物産が赤字になったときでも黒字経営が達成されています。
ただ、伊藤忠商事に関しては三菱商事と三井物産のように資源高の影響で急激に伸びるということはそこまではないです。その分安定的に、事業を着実に一歩一歩進めていくことがこの図から見ることができます。今後もなだらかに成長していくと予想されます。

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財務健全性の比較

ネットD/Eレシオは、純有利子負債÷自己資本。
ネットD/Eレシオが低いほど、純有利子負債が少ないので財務が健全です。
純有利子負債とは、有利子負債から直ちに返済できる現預金を差し引いたものです。
三社ともに高い水準ですね。100%を超えていているので注意が必要です。
2020年、2021年は3社100%超えていましたが、2022年には改善されています。
財務健全性に関してはそこまで総合商社は良くないですね。

伊藤忠商事に関しては、2013年から結構危ないですね(笑)
しかし、少しずつ改善していき2018年頃には80%台になりました。

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ROEの比較推移

ROEでは伊藤忠商事が全体的に高い傾向にあります。ROEが高い傾向にあるだけでなく、高い水準で維持できているところが三菱商事と三井物産との違いです。
2016年には三菱商事と三井物産は赤字でしたが、伊藤忠商事は赤字にならず自己資本の資産効率が上手く10%と高くキープしています。
三菱商事と三井物産は資源価格が高騰すると勢いがすごいですが、反動もすごいのでROEが下がってししまう年が多々見られます。

ROAの比較推移

三菱商事は総資産が一番多いですが、総資産を効率的には伊藤忠商事と比較すると上手く活用はできていないようです。伊藤忠商事はROAが3%以上が平均的で高い時には5%に達しています。
三井物産も三菱商事と同様にROAの水準はとても高いとまでは言えません。資源高の影響を受けると一時的にROAが高く位置します。
しかし、三井物産の場合は2018年頃からROAが高くなりつつあります。事業を資源から非資源事業へ転換を図っているので功を奏しているようです。2022年には三井物産のROAは6%と極めて高い数字となっています。

株主還元の比較

配当比較


配当利回りは現在(9/16)伊藤忠商事が3.45%、三菱商事が3.46%、三井物産が3.66%です。
株主還元での配当は三菱商事が一番多く行っていて、 伊藤忠商事と三井物産は同水準の配当になっています。

配当は3社とも配当は右肩上がりで伸ばし続けています。
三菱商事が配当に関して多く還元しているようです。伊藤忠商事と三井物産は無理なくなだらなかに上昇しています。
配当政策に関しては三菱商事と伊藤忠商事が累進配当で、三井物産は下限配当としています。
累進配当政策とは減配をせず現在の配当水準を維持しつづけ、増配するというものです。

伊藤忠商事に関しては累進配当政策と一緒にステップアップ下限配当を宣言しています。つまり増配しつつも、前年度の配当は減配しないというものです。2022年度は120円を下回らない、2023年度は130円を下回らないと宣言してます。
下限配当は1株の配当金の金額を下回らないように目標数値です。三井物産は2020年に発表した中期経営計画で80円を下限とすると目標をしていました。

配当性向

配当性向に関しては、三井物産が30%~40%、伊藤忠商事が25%~35%、三菱商事が30%~40%です。伊藤忠商事に関してはそこまで無理をして配当を還元しているようには見えない程度になっています。着実に収益力が向上しているので、増配しても基盤が安定しているので配当性向も安定的に推移しているのでしょう。

2016年は三菱商事と三井物産で赤字になっていて0円となっていますが、赤字になっても配当は出し続けています。しかし、伊藤忠商事は赤字にならず安定的に配当を還元しています。
三菱商事に関しては配当性向が100%を超えるときがあったのと配当もそろそろ増配が厳しくなってきていると判断しています。

総合商社三社で配当還元の競い合いで、いずれ増配が厳しくなるのは三菱商事と三井物産ではないかと思います。いずれ資源高の影響が薄れ多く増配をしたことに関して重荷になってくるでしょう。
三社ともお互いを競い合い、高見を目指し、向上していく姿は素晴らしいです。

株価の比較

三社の株価の推移を見ていきます。
現在(9/16)の株価は伊藤忠商事が3,773円、三菱商事が4,338円、三井物産が3,281円となっています。株価の上昇の勢いとしては伊藤忠商事が一番です。安定的な業績をもとに、成長し続けていると判断されて株価も上昇しているのでしょう。
三菱商事も三井物産もそれに負けず資源高の影響を受けて好業績と増配などを行い好感触を受けて株価は直近は上昇傾向にあります。
ただ、三井物産と三菱商事は資源高の影響が薄れて業績がどれくらい下がってしまうのか未知数です。
業績が下降して株価もそれにつられて大幅に下がってしまう恐れがあるので注意が必要です。
伊藤忠商事は非資源事業の割合が多いので、そこまで心配はしていないです。今後も安定的に業績を積み上げていくと判断しています。

まとめ

伊藤忠商事のみ保有しているので、ひいき的に分析をしてしまったかもしれません。
しかし、数字を比較して分析してみると改めて伊藤忠商事の良さが再認識されました。
長期投資先としてどの会社も今後この先もあり続ける会社だと思います。

僕としては事業を安定的に一歩一歩進んでいく会社に投資先として安心を覚えます。
伊藤忠商事を投資先として選びました。
配当を受け取りつつ、会社の成長で会社の価値が向上しています。
株価も業績と共に上昇しているのでまだまだ伊藤忠商事のポテンシャルは高いと認識しています。
今後も伊藤忠商事の株主として応援していきたいです。

伊藤忠商事に投資をする理由
業績に一貫性があるため総合商社3社(伊藤忠商事、三井物産、三菱商事)の当期純利益を比較したときに、伊藤忠商事は他社と比較して当期純利益に一貫性があると思いました。2007年から2014年では、伊藤忠商事の当期純利益は三井物産と三菱商事に差が...

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