高配当株 あおぞら銀行【8304】の投資判断を考える。配当性向50%と高めだが長期投資は可能か?

銀行株

「あおぞら銀行【8304】へこれから投資をしようか考えている」
「あおぞら銀行【8304】の株価、業績や株主還元について知りたい」

この記事はそのような方へ向けて書いています。

本日もご覧いただきありがとうございます。

今回はあおぞら銀行【8304】についての投資判断を考えてみたいと思います。


あおぞら銀行は高配当株で配当性向が50%まで還元していて還元意欲が高いです。
またあおぞら銀行の特徴としては、年に4回配当金を受け取ることが可能です。日本株では珍しいです。
配当性向が高いので減配の可能性もありますが、銀行株は全体的に斜陽産業なので高配当は厳しいと思われます。

現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。


この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。

業績について

EPS、売上高、営業キャッシュフローマージン、ROE

EPS

epsの傾向としては、全体的に売上同様横ばいの傾向にありました。しかし、コロナの影響を受けて2020年以降epsは減少気味です。

2009年ではリーマンショックの関連で減損損失を大きく計上したことが主因となります。
2010年以降リーマンショックの影響も和らいでいき、2014年まで上昇していましたが、2015年度から2018年まで横ばいで推移しています。
打開策がない限り、収益力に関してはもうこれ以上伸びしろがない可能性があります。
配当性向が50%と高い水準で還元しているのは裏返せばこれ以上成長の余地がないと捉えることもできます。もし成長できると考えているのであれば株主に分配するという選択肢よりも、積極的に投資やM&Aなどに配当還元よりもお金が流れているはずです。

長期的に投資を考えたときに、成長性がなく現状維持では投資対象から外れてしまいます。

売上高

売上高は2007年から下降傾向にありましたが、2010年から持ち直して横ばいの傾向にあります。
銀行業は斜陽産業で売上もそこまで急激に伸びるのはなかなか難しいです。

今後も売上に関しては同水準で推移していくと予想されます。

営業キャッシュフローマージン

営業キャッシュフローマージンは安定はしていないです。
営業キャッシュフローが安定していないためと捉えられます。
マイナスな時が散見されるので安定感がもう少しあればいいですね。

ROE

ROEは銀行業界が低い傾向にある中で、あおぞら銀行は銀行業の中では高い水準です。
2017年と2018年に関しては10%ととても良いです。そのほかの年でも8%とROEが高く自己資本を上手く活用して稼ぎ出せているようです。
あおぞら銀行は経費を抑えて、経費率を資料からも重視しているのが読み取れます。
今後もROEは他の銀行と比較しても経営効率を図った経営が可能でしょう。

キャッシュフローについて

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは安定的ではないです。
営業キャッシュフローがマイナスな時は有価証券を売却して投資キャッシュフローがプラスになるよう事業を経営しているようです。
2014年の営業キャッシュフローがマイナスになった理由は、譲渡性預金の減少の為です。
譲渡性預金とは銀行が取り扱う他人に譲渡可能な定期預金です。
2020年の営業キャッシュフローがマイナスになったのは貸出金の増加等によるものです。

2020年は全体的に資産が減っているなというのが気になりました。
利益は出ていますが、営業キャッシュフローがマイナスになっているのが散見されます。
2

投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローは一定ではないです。
2009年度はリーマンショックの影響を受けて、危機対応として有価証券を売却した結果投資キャッシュフローがプラスになりました。
2014年、2015年は営業キャッシュフローがマイナスでしたので、有価証券を売却して健全性を保ったようです。
ところどころプラスになるのは営業キャッシュフローがマイナスな時が多いです。
2020年も投資キャッシュフローが有価証券を売却してプラスになっています。

財務キャッシュフロー



財務キャッシュフローにはそこまで大きくキャッシュが流れていないようです。
配当金が8割を占めていて、配当額は200億円以下となっています。
配当金は減配をしたりしていますが無理して増配や累進配当もしていないので、
財務キャッシュに多くお金は使用されていません。

財務健全性について

自己資本比率

自己資本比率はあまり芳しくはありません。

なぜ銀行株は自己資本比率が低いのでしょうか。
自己資本比率は自己資本÷総資産です。
総資産の中には借入金が含まれています。

預金は銀行が一般の個人・法人から お金を借りている(借入金)という扱いになっていて、
銀行の借入金は膨大な金額になっていて、自己資本比率も低くなる傾向にあります。

株主還元について

配当

あおぞら銀行の配当利回りが5.59%(9/20現在)です。
配当は2013年から2017年にかけて増配傾向にありましたが、2018年頃から減配の傾向にあります。
やはり配当性向が高いと減配の可能性があるので気を付けて投資を行わなければなりません。
配当利回りやpbrから見てすぐ投資という判断は賢明ではありません。目で見て投資ではなく頭で考えて投資をする必要があります。


あおぞら銀行の特徴として年4回の配当を実施しています。
日本株としては珍しいですね。
ただ、年4回でもあまり安定的ではない配当にはそこまで魅力を感じられないです。

配当性向

配当性向に関しては50%で推移していますので増配は厳しいです。
総還元性向を50%とありましたので引き続き株主還元に力を入れていくようです。
ただ、業績の変動で減配が起こる可能性が高いので注意して投資しなければなりません。

株価について、投資判断について

株価

現在株価は2,753円(9/20)となっています。
過去5年間で35.98%減少しています。

現在のPBRは0.69倍で、perは8.93倍と過去per10年間で算出すると9倍ですので過去と比較すると妥当な水準です。

投資判断

僕の投資判断としては、買いの検討を見送りたいと思います。
理由としては配当性向が50%と高い水準で、減配も時折見られて特に成長性が目に見えてこないところです。
経費率を抑えていて、ROEも高い水準だと思います。しかし、ROEの高い水準も今後維持できるかといわれたら難しいと判断しています。キャッシュの流れもあまり安定していないので長期投資の対象としては現在の株価からは対象になりません。
狙える株価水準は1800円台です。

まとめ

あおぞら銀行の投資判断について考えてみました。
あおぞら銀行は高配当株年4回の配当を還元していますが、成長が感じられ長期的に投資と考えると難しいです。かといって、株価もそこまで安くはないです。妥当な水準ですので、年四回配当が出るからといって投資対象にはなりません。

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