伊藤忠商事【8001】2022年度第2四半期決算について。増配、自社株買い、好業績。今から投資はどうか検証。

商社株

伊藤忠商事【8001】が発表されましたので記事にします。
総合商社は資源高の影響で全体的に決算の内容がとても芳しく、増配と自社株買いを行っている会社が多いです。伊藤忠商事は決算発表前に増配と自社株買いを発表して株価が急騰しました。
伊藤忠商事は他の総合商社と比較すると資源の割合が多いのではなく、非資源割合の事業が多いです。今後資源高が落ち着き始めても伊藤忠商事に関しては手堅く経営して対応することが可能だと考えています。

伊藤忠商事【8001】2022年第2四半期期決算について簡単に解説していきます。

2022年第2四半期決算全体

(伊藤忠商事IR引用)

2022年第2四半期の累計収益は6兆9,922億円(前年同期比19%増)となりました。
主な要因として大きく貢献したのはエネルギー・化学品セグメントです。
エネルギートレーディングとエネルギー関連事業の市況価格上昇で1兆7,207億円増収となりました。次に大きく貢献したのは金属セグメントで石炭価格の上昇と円安の恩恵を受けて6,919億円の増収となりました。

売上総利益は1兆844億円(前年同期比12%増)となりました。

主に貢献したのがエネルギー・化学品セグメントで、市況価格上昇に伴う取引やCIECO Azerの採算改善により、412億円増益の1,528億円となりました。

次に貢献したのが金属セグメントで、石炭価格の上昇等で234億円増の1,274億円です


四半期純利益は前年同期比176億円減益の4,830億円となりました。
四半期純利益が初期の見通しでは7,000億円でしたが、8,000億円と上方修正しました。2Q時点で進捗率は60%となり、とても良い結果となりました。売上総利益、営業利益は過去最高となり素晴らしいです。

セグメント収益

繊維セグメント〈進捗率45%〉

繊維セグメントは116億円(前年同期比16億円増)となりました。
コロナウィルスの影響が少なくなってきてアパレル事業の業務改善がされましたが、原材料高や物流費高騰の影響等を受けているので厳しいことには変わりありません。
前年と比べても利益はあまり変わっていないので、てこ入れをする事業であると思いますが、伊藤忠商事としてはそこまで注力していないのかもしれません。

機械セグメント〈進捗率71%〉

機械セグメントは725億円(前年同期比259億円増)となりました。
前回は船舶市況好調から用船料収入、自動車関連投資関連で増加しましたが、今回は電力価格高騰で北米IPP事業の採算改善や自動車・建設機関連事業が好調なようです。
北米IPP事業は世界最大の電力市場である北米で発電資産への投資を行なっているようです。
主流だったPPA(電力購入契約)方式から、市場で電力を取引する マーチャント型のIPP事業が主流となっているようですね。興味深い。

他の総合商社で電力について調べると、丸紅は電力事業の歴史が長いので北米IPP事業に強みを持っているようです。
発電事業と電力サービス事業のグローバルプレイヤーとして業界トップの地位を構築している事を強みとしているようですね。

金属セグメント〈進捗率58%〉

金属セグメントの2022年第2四半期は1347億円(前年同期比6億円減)となりました。要因としては石炭価格の上昇や伊藤忠丸紅鉄鋼の事業が好調でしたが、一過性損益の反動で横ばいとなったようです。
前回は進捗率が一番好調で38%でしたが、第2Qで58%と金属セグメントの利益を上方修正しましたが進捗率は芳しいです。

エネルギー・化学品セグメント〈進捗率50%〉

エネルギー・化学品セグメントの2022年第2四半期は485億円(前年同期比186億円増)となりました。エネルギートレーディングが好調なだけでなく、上流権益の採算改善が寄与しているようです。進捗率は50%とセグメントの上方修正をしましたが、それでも進捗率は高い水準です。

食料セグメント〈進捗率40%〉

食料セグメントの2022年第2四半期は277億円(前年同期比39億円減)となりました。Doleの事業、プリマハムの事業、不二製油グループの事業は円安や原材料高の影響で芳しくない状態です。資料によると採算は改善しているというものの、一過性の利益により何とかという感じだ捉えられました。
国内の食品事業を行っている会社は値上げやコスト削減を行っていますが、それ以上に厳しいのが現状です。プリマハムは直近の決算が芳しくなく下方修正をしています。

食品業界は今後もまだまだ厳しい現状が続くと予想されますので、伊藤忠商事の食料セグメントも先行きは見通せません。

住生活セグメント〈進捗率67%〉

住生活セグメントの2022年第2四半期は195億円(前年同期比95億円減)となりました。進捗率は67%でとても良いです!!北米住宅用構造材関連事業の連結子会社化の再評価益等により増益したようです。2022年6月に米建設資材会社のルイジアナ・パシフィックから住宅用構造材製造事業を買収すると発表がありました。北米建材事業を拡大しているようですね。伊藤忠商事は北米建材分野で米国・カナダの市場において、フェンスの製造・卸売、木の素材事業等を行っています。2018年ごろから活発になっています。

情報・金融セグメント〈進捗率40%〉

情報・金融セグメントの2022年第2四半期は254億円(前年同期比413億円減)となりました。進捗率はワーストで40%です。伊藤忠テクノソリューションズの事業は堅調でしたが、子会社の携帯販売会社のコネクシオの事業悪化がとても響いています。

情報金融セグメントは中々軌道に乗らないですね。コネクシオが大幅減益で、株価が下がっていて配当利回りも6%台となっています。東京センチュリーも決算発表していませんが少し心配です。
東京センチュリーは前々から業績が下降しているのではないかという節がありました。

第8セグメント〈進捗率81%〉

第8セグメントでは生活消費分野に強みを持つ伊藤忠商事の、異業種の事業種の取り組みを加速させる事業を行っています。つまり、事業ごとの垣根を越えて相乗効果を生む架け橋になる事業と認識しています。ファミリーマートなどがこのセグメントで挙げられます。

第8セグメントの2022年第2四半期は69億円(前年同期比310億円減)となりました。
第8セグメントは事業として立ちあげたばかりなので、かつ前期は一過性の利益があったので大幅に前年比と比較して減益となりました。

投資判断について

伊藤忠商事の株価は現在4,019円です。決算発表から株価も上昇しています。
増配も発表してくれているので、配当利回りも上昇していて3.48%となりました。来期以降も株主還元として累進配当を実施だけでなく、増配と自社株買いを行っていくと発表しています。さらなる増配を期待するとなると3.5%以上の配当を受け取るだけでなく株価上昇の恩恵も受けることができます。
僕は伊藤忠商事に投資をして1年2か月が経ちますが良い投資先だと思っています。
しかし、今から投資をする人は注意しないといけません。今は資源高や円安の影響で商社株は利益は過去最高となっています。増配や自社株買いなど株価上昇でとても良い投資先に思えます。
僕の感覚では商社バブルが起こっていると判断しているので、含み損を覚悟してリスクをとって投資を行わないといけません。
商社の会社が軒並み業績が好調で、お金が流れ込んでいます。熱気に包まれているようにも感じます。直近の決算で総合商社の決算が発表されていく毎に、まだまだ業績は好調に続くのではないかと錯覚してしまいます。

今持っている総合商社の株の含み益に飽き足らず、もっと稼ぎたい本能的な欲が働いて他の総合商社を購入検討していた自分がいました。稼ぎたいという欲は恐ろしいと実感しました。欲をコントロールしないといずれ痛い目に合います。
今は伊藤忠商事と兼松の投資で現状満足しています。むしろ満足するということを覚えないと、リスクをコントロールしないと市場では生きていけません。
リスクの話では、ギリシャ神話のイカロスがよく話でたとえられます。イカロスは塔に閉じ込められて、逃げ出すために翼を集めて作りました。父のダイダロスは忠告します。翼で空の中くらいの高さを飛ばないといけません。低く飛ぶと霧が翼の邪魔します。しかし高く飛びすぎは太陽の熱で翼の蝋が溶けてしまいます。イカロスは忠告を聞かず太陽に近づきすぎて、蝋でくっつけた翼が蝋が溶けて翼が取れてしまい、大海原に落下してしまいました。

イカロスのこの行動は投資家にも当てはまります。リスクを取りすぎてリスクに気づかず、リスクが顕在化したときに取り返しのつかないことがわかり現実だと認識します。群衆の熱気に惑わされず、僕もイカロスのようにならないように、欲を律して程々を徹底したいです。足るを知るは意味は分かりますが難しいです。

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