船井総研HDが叩き出した「ROE 26.5%」の衝撃。成長と還元を両取りする”持たざる経営”の凄みとは

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先日は「守りの高配当最強株」としてUSS(ユー・エス・エス)をご紹介しましたが、今回は「攻めの高配当最強株」として、コンサルティング業界の雄、船井総研ホールディングス(9757)を取り上げたいと思います。

2026年2月に発表された最新決算(2025年12月期)の内容を見ましたが

USSのROE 20%目標でもとてもよかったのですが、船井総研の実績値はそれを軽々と超えてきました。

船井総研の実績ROE 26.5%となっています。
中期経営計画でもROE30%目指すとあり、日本企業もROEの数値を意識した経営に取り組んできている企業が増えてきているなと実感しています。

日本企業の平均が8%程度と言われる中で、この数字は異常値とも言える水準です。しかも、単に利益率が高いだけでなく、「株主優待(QUOカード)」や「連続増配」もセットになっており、長期投資家にとって「インカム(配当)」と「キャピタル(成長)」の両方を欲張れる稀有な銘柄に進化しています。

今回は、最新決算の数字を紐解きながら、なぜ船井総研が「複利の塊」のような銘柄なのか、そのロジックを徹底解説します。

少しでも参考になれば幸いです。


1. 決算ハイライト:最高益更新と「ROE 26.5%」の正体

まずは、2025年12月期の決算実績を確認しましょう。文句なしの増収増益です。

① 盤石の業績推移

  • 売上高:333億円(前期比 +8.8%)
  • 営業利益:88億円(前期比 +5.9%)
  • ROE(自己資本利益率)26.5%(前期 24.3%からさらに上昇)

コンサルティングというビジネスは、工場も在庫も要りません。「人」さえいれば稼げるため、元手(自己資本)が少なく済み、ROEが高くなりやすい構造にあります。

しかし、それを差し引いても26.5%は驚異的です。これは、同社が「中小企業向け」というニッチな市場で圧倒的なブランドを築き、価格決定権を持っている(=利益率が高い)ことの証明に他なりません。

② 株式分割と実質増配

2026年1月1日付で、1株→2株の株式分割が実施されました。これにより投資単位が下がり、NISA枠でも買いやすくなっています。

そして注目の配当予想(2026年12月期)です。

  • 2025年実績:85円(分割前換算)
  • 2026年予想:48円(分割後)
    • ※分割前換算で96円相当

つまり、実質約13%の増配です。これでまた連続増配記録を更新する見込みとなりました。

会社側は「配当性向60%」を目安にしており、稼げば稼ぐほどダイレクトに配当が増える仕組みが出来上がっています。


2. USSとは違う?「成長する複利」のメカニズム

USSの記事では、「自社株買い(総還元性向100%)」によって、利益が横ばいでもEPS(1株利益)が増える仕組みを解説しました。

一方、船井総研のアプローチは少し異なります。彼らは**「成長投資」による複利効果**を最大限に活用しています。

船井総研の還元方程式

  • 総還元性向:60%以上(配当+自社株買い)
  • 内部留保:約40%

「USSは100%還元なのに、船井総研は60%しか返さないの?」と思うかもしれません。しかし、ここに「複利」の秘密があります。

船井総研は、手元に残した40%の資金を、ただ銀行に預けているわけではありません。

  • 人材採用・育成(コンサルタントを増やす)
  • M&A(物流やDX企業を買収する)
  • デジタル投資(AI活用など)

これらに再投資することで、年率10%近い利益成長を続けています。

ROE 26.5%という高効率で運用されるビジネスに再投資されるわけですから、その資金は雪だるま式に膨らみます。

  • USS:株数を減らして、1株の価値を高める(守りの複利)
  • 船井総研:事業自体を拡大させて、1株の価値を高める(攻めの複利)

長期投資家としては、配当をもらいながら「株価自体の成長(キャピタルゲイン)」も強く期待できるのが船井総研の魅力です。

. ROE 26%の「複利」の正体

ROE 26%で、配当性向が約60%(利益の6割を配当)だとすると、残りの4割が内部留保されます。

  • 意味: 会社が特別な工夫をしなくても、「1株あたりの価値(BPS)」が毎年10.4%というスピードで複利成長していくことになります。

2. 「72の法則」で見る資産の倍増スピード

あなたの資産(中身)が2倍になる期間を計算すると:

結論: 船井総研は資本を回して価値を生み出していることになります。これが「株価1,100円台」で放置されているのは、明らかなチャンスだと思いました。

毎年、純資産(BPS)が10.4%ずつ積み上がっていくと、配当金も同じ10.4%ペースで増配される期待が持てます。あくまで予想値ですが以下が計算内容となります。

今の株価もそこまで上がっていない中で配当利回りも4%もあり、株主優待も年2回ありで、
長期保有で事業の成長を見守って時間を見方にして事業の成長とともに配当を増やしていくという方向で投資をしていくのはとてもありだなと思いました。


3. 中期経営計画:ROE 25%以上を「常態化」する

今回さらに頼もしいのが、中期経営計画において「ROE 25%以上」という高い目標を維持・更新している点です。

多くの企業が「ROE 10%を目指します」と掲げる中で、船井総研は「25%以上」を当たり前の基準にしようとしています。

これを実現するために、彼らは以下の戦略をとっています。

  1. 高付加価値化:単なるアドバイスだけでなく、実行支援やDX導入まで請け負うことで単価を上げています。これにより利益率(マージン)が向上し、ROEを押し上げます。
  2. 配当性向の維持:ROEの分母(自己資本)が膨らみすぎないよう、稼いだ利益の6割はきっちり配当などで吐き出します。


4. 株主優待の拡充:QUOカードが年2回に!

高配当投資家にとって、もう一つの楽しみが「株主優待」です。

船井総研はこれまで年1回(12月)のQUOカード贈呈でしたが、2025年から制度が拡充され、**年2回(6月・12月)**に変更されました(※)。

  • 100株保有:年間1,000円分(500円×2回)
  • 1,000株保有:年間2,000円分(1,000円×2回)

株式分割後も100株から優待がもらえるため、実質的な利回りは向上しています。

QUOカードは非課税の現金のようなものですから、配当利回りにプラスして考えると、総合利回りはさらに魅力的になります。


5. 長期保有における「負けにくい」理由

最後に、なぜこの銘柄が長期保有に向いているのかを整理します。

① 不況に強い「ストック型」ビジネス

船井総研の売上の多くは、月額顧問契約などの「ストック型」収入です。一度契約した顧客とは長い付き合いになるため、景気が悪くなっても売上が急にゼロになることはありません。この安定感が、連続増配を支えています。

② 無借金に近い財務体質

「人」が資産の会社なので、巨額の借金をして工場を建てる必要がありません。自己資本比率は70%を超えており、金利上昇局面でも財務リスクは極めて限定的です。

③ 「増配」×「優待」×「成長」のトリプルコンボ

  • 配当:業績連動(配当性向60%)なので、インフレで単価が上がれば配当も増える。
  • 優待:年2回のQUOカードで、日々の生活費を節約。
  • 成長:ROE 26.5%の高効率経営で、株価自体の上昇も狙える。

まとめ:NISAの成長投資枠で輝く「傑作」

USSが「完成された成熟企業の完成形」だとすれば、船井総研は「成長し続ける高収益企業の理想形」です。

ROE 26.5%という数字は、経営陣が「資本効率」と「株主還元」を極めて高いレベルで理解し、コントロールしている証拠です。

不正会計などの特異なリスクがない限り、この高ROEと複利効果は、長期保有する投資家の資産を強力に押し上げてくれるはずです。

「配当金も欲しいけど、資産そのものも増やしたい」。

そんな欲張りな願いを叶えてくれる船井総研は、新NISAの成長投資枠でじっくりと育てるのに相応しい銘柄と言えるでしょう。

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