「任天堂【7974】へこれから投資をしようか考えている」
「任天堂【7974】の株価、業績や株主還元について知りたい」
この記事はそのような方へ向けて書いています。
本日もご覧いただきありがとうございます。
今回は任天堂【7974】についての投資判断を考えてみたいと思います。
任天堂はで株主還元が厚く、直近の業績は好調です。今までは株価が高いので、購入するにも500万ほど必要で個人投資家には手が出せませんでした。
しかし、ついに任天堂が株式分割を発表をしました。10月1日から50万円ほどで購入することができるようになりました。
現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。
この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。
業績について
EPS
epsは2007年から2010年まで高い水準をキープしていました。しかし、2011年度以降徐々に悪化して2016年までepsはあまり良くありませんでした。
2012年度は「ニンテンドー3DS」本体や海外における「Wii」本体の値下げと流通在庫の補償や、期中において為替相場が大きく円高に推移した影響等でepsが赤字になっています。
2014年度は欧米の本体値下げの影響でWii Uハードウェアの採算が依然として厳しく、利益率の高いソフトウェアの販売数量を十分に伸ばせなかったためepsは赤字です。
2017年以降は業績が回復して、右肩上がりで上昇しています。
2017年度はNintendoSwitchを全世界で3月3日に発売し好調なようです。ゼルダの伝説 ブレ
ス オブ ザ ワイルドは世界中で人気で276万本(Wii U版を含め合計384万本)の販売を記録しました。
業績が好調になりつつ、メジャーリーグ球団シアトルマリナーズの運営会社の持分の一部を売却したことにより特別利益を計上したためepsも伸びました。
2018年はNintendo Switchでは、全世界でハードウェアの販売が好調に推移しています。さらにソフトウェアでは、『スーパーマリオ オデッセイ』『マリオカート8 デラックス』『Splatoon 2』など人気のソフトウェアが人気で売れました。さらにNintendo Switchでのデジタル販売が好調なため業績も好調でepsも伸びました。
売上高、営業キャッシュフローマージン、ROE
売上高
売上高は2007年から2009年まで好調でしたが、2012年から売上高が減少して2017年度ごろまで売上が低迷しています。
2019年度はNintendoSwitchの販売が好調なだけでなくソフトウェアの販売も好調でした。『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が1,381万本、『ポケットモンスターLet’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』が1,063万本、『スーパー マリオパーティ』が640万本の販売と大健闘しました。
2022年度はハードウェアの「Nintendo Switch」、「NintendoSwitch(有機ELモデル)」、「Nintendo Switch Lite」の3つが安定的に販売され売上に貢献しました。ハードウェアだけでなくソフトウェアもとても好調でした。『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』が1,465万本、『Pokémon LEGENDS アルセウス』が1,264万本とかなり大きく売上て、ブランドのある商品は稼ぐ力があるなと思ます。
営業キャッシュフローマージン
営業キャッシュフローマージンは2007年度~2013年度にかけて10%以上と好調でした。
しかし、業績の悪化に伴い10%以下となっています。2018年以降業績も元に戻り勢いが増して
より営業キャッシュフローマージンが高くなっています。営業キャッシュフローマージンが高い時では35%と素晴らしいです。
ただ、営業キャッシュフローマージンに波があるので、今は好調ですが業績に陰りが出てくる可能性があります。
ROE
ROEは2011年から2017年まで10%以下で低い水準でした。
しかし、2018年以降10%以上ととても高い水準でキープしています。
ROEが28%と高い時もありました。しかし、業績に浮き沈みが激しいためか2022年には下がっています。2023年度も下がる可能性があります。
もう少し安定的にROEが高ければよいのですが、ゲーム業界で競合していくには一筋縄ではいかないので今後もROEはシーソーゲームのように乱高下していくでしょう。
キャッシュフローについて
キャッシュフローについてですが、営業キャッシュフローは2007年から2009年まで横ばいでしたが、少しずつ悪化しています。2013年から2017年にかけて営業キャッシュフローはとても悪い状態が続いていました。しかし、2018年以降営業キャッシュフローが改善しています。
全体的に営業キャッシュフローは全体的にあまり安定してないので、長期投資は難しそうです。
投資キャッシュフローではそこまでお金が流れていないですが、2020年と2021年には株式と債券などの有価証券を購入しているようです。持ち分法による投資利益や為替による利益も業績に貢献しました。
財務キャッシュフローはそこまで大きくキャッシュが流れていません。
任天堂は無借金経営を行っているので、借入の返済ががないので当然だとも言えます。
2022年に財務キャッシュフローが大きくマイナスなのは配当を還元しただけでなく、自社株買いを行ったため大きくマイナスになりました。
フリーキャッシュフローに関しては全体的にみると芳しくないようです。
上手くキャッシュが循環されていないように見えます。ただ、2018年以降少しずつフリーキャッシュフローが改善して現金が溜まってきていて、さらに年度を重ねるごとによりキャッシュが溜まりつつあります。この状態が続けばよいのですが、ゲーム業界なので浮き沈みが激しいので、ヒットできる商品を開発し続けないといけません。
財務健全性について
任天堂は無借金経営を行っています。
自己資本比率はとても良好で、80%台と高い水準です。
ゲーム業界は浮き沈みが激しいので防衛策として財務健全性を高めているようです。
株主還元について
配当
任天堂の配当利回りが3.38%(8/23現在)です。
配当は2017年から2022年にかけて大幅に増配しています。しかし、業績によっては配当も減配をする可能性があり安定した配当を狙いたい場合はホールドは難しいなと思います。
配当性向
配当性向に関しては50%で推移しています。業績が厳しくなった時に100%を超えるときもありました。もう少し配当性向の余裕が欲しいなと思います。
任天堂の株主還元方針は各期の利益水準を勘案した配当により実施することを基本方針としております。
自社株買い
自社株買いは2022年に大きく行われていますが、他の年はそこまで行ってはいないようです。
配当も大事ですが、こっちに還元して企業の価値を高めるほうが良いのかと思います。
株価について、投資判断について
株価
現在株価は60,050円(8/23)となっています。
過去5年間で66.62%上昇しています。
現在のPBRは3.43倍で、perは20.63倍と過去per10年間で算出すると36倍ですので過去と比較すると安い水準です。
投資判断
僕の投資判断としては、買いの検討を見送りたいと思います。
任天堂に投資するにあたり、ブランドも確たる地位を築いています。さらに無借金経営で安心して投資をすることができます。
しかし、思ったほど業績が安定していない点や高配当ではありますが、業績によっては減配もする可能性が高い、ゲーム業界に属するためゲームの需要が予測が難しい点などが挙げられます。
業績に関して、任天堂の分析をする前は売上高はある程度横ばいかなと思ってましたが、売上が伸びないときは本当に伸びないようです。一度面白くないとイメージがつき違うゲームに目移りしてまうとスイッチングしやすいのも弱点であります。一つのソフトウェアのゲームをクリアして飽きてしまい、次のゲームを作成してさらにまたゲームを作成するとなると消費期限が短いと考えられます。
ゲームは確かに中毒性があり、消費者に根強い消費意欲をもたらしますが、すぐに飽きてしまう恐れがあります。任天堂の業績からもその傾向が見られます。ブームが過ぎてしまうとより業績が落ち込みますが、最新作のゲームを発表をして目新しさを作り次のブームにつなげていく。ただゲーム業界はなかなか厳しい業界だなと考えさせられます。業績が一貫して推移するのが難しいので予測が難しいです。
僕の投資スタンスは長期投資を行うのが前提ですので、短期的な業績というより長期的な業績を見て分析をして企業の価値が高まっている会社に投資をすることです。株価がかなり割安な水準であれば任天堂に投資をする可能性もありますが、今の段階では投資は難しいです。
任天堂への投資は4000円~4300円であれば買いのチャンスだと思います。
まとめ
任天堂の投資判断について考えてみました。
魅力のある会社だと思いますが、まだまだ様子を見たいところです。
株価がもっと安くなってからでも投資をしても良いと思います。
下手に株価が高いところで含み損を抱えてナンピン買いは単価が高いので難しいのと資金が拘束されてしまう恐れがあります。自分で株価がどれくらいになるかEPSやBPS、ROEなどを用いて株価を計算して納得できる株価で投資をするべきです。
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