TBSホールディングス【9401】の投資判断を考える。株価は低迷していて割安水準だが、投資対象になるか?

★★購入は待ったほうが良い

「TBSホールディングス【9401】へこれから投資をしようか考えている」
「TBSホールディングス【9401】の株価、業績や株主還元について知りたい」

この記事はそのような方へ向けて書いています。

本日もご覧いただきありがとうございます。

今回はTBSホールディングス【9401】についての投資判断を考えてみたいと思います。


TBSホールディングスは株価が長らく低迷してきましたが、自己資本比率が高く業績もそこまで悪くはないです。調べていて気になったのが事業の利益率の割合と投資有価証券の配当金です。
放送事業より不動産事業が利益を大きく出している点や、投資有価証券で配当金を大きく受け取っています。とても驚きを隠せません。この記事では詳細を見ていきます。


株価が低迷しているからといって必ずしも業績が停滞しているわけではないので、
現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。


この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。

業績について

EPS,売上高、営業キャッシュフローマージン、ROE

EPS

epsは2009年から2011年まで芳しくありませんでしたが、2012年以降上昇しています。
2019年を機に大きく伸ばしています。

2009年度は世界同時不況の影響により、放送業界では各企業の広告が減少して、epsはかなり下げました。投資有価証券評価損もepsの下落に大きく影響しています。

2012年度はスポット広告の出稿が回復したことや経費のコスト削減で一定の成果を収めたため
2011年度から大幅に回復しました。

2019年度で大きくepsが上昇したのは業績には前年比と比較してもそこまで大差はないのですが、
投資有価証券を売却したことにより大幅にepsが上昇しました。tbsホールディングスは営業外収益として受取配当金を80億ほど受け取っています。2019年度の営業利益が188億で内訳として放送事業が33億円、映像・文化事業で75億円、不動産事業が79億円です。営業利益の内訳をみると受取配当金の80億円の大きさがわかります。不動産事業も売上の割に利益率が高いです。
投資有価証券の中で、東京エレクトロンの株を大きく保有しています。


2020年度も2019年度よりepsが上昇しています。業績は悪化していて、前期で投資有価証券を売却したので、マイナスでしたが、epsが上昇したのはこの年でも投資有価証券を売却したためです。ここまで大きく投資有価証券を売却しているのはファンドによる提案で動いた形になります。

2022年度は前期がコロナの影響でテレビ広告市況は多くの業種で業績が回復して広告費の収入が増えたこと東京オリンピック・パラリンピックが大きくメディアコンテンツ事業の利益に貢献したことと、特に投資有価証券を売却したことによるものが大きいです。

売上高

売上高は2009年が大幅に上昇しました。理由としては本業であるメディアコンテンツ事業は変わらないですが、赤坂サカス開業による不動産部門が好調なため収益が上昇しました。また「赤坂サカス」エリアのオフィス・商業施設棟「赤坂Bizタワー」などの賃貸によって安定的に収益も挙げられています。
2010年度以降も不動産事業が安定的に収益を上げているため、好調なようです。しかし、2021年度はは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う赤坂Bizタワーの稼働低下で減収となってしまいました。
2022年度の売上は回復しています。

営業キャッシュフローマージン

営業キャッシュフローマージンは8%~9%の水準で推移していて稼ぎ出せています。
ただ2020年度以降営業キャッシュフローマージンは下がりつつあり、厳しい状態が続いています。

ROE

ROEはかなり低い水準です。
高くても5%で、平均的に3%台です。
ROEに関しては経営者は意識していないのでしょう。
自社株買いは近年では多く行われていて好印象ですが、まだまだROEは低いので今後も自社株買いを行ったり、配当を増配などしてほしいです。

キャッシュフローについて

キャッシュフローについてですが、営業キャッシュフローは横ばいの傾向です。しかし、2020年度以降少しずつ営業キャッシュフローは下がってきています。
2020年度と2021年度は投資有価証券売却益が主に営業キャッシュフローが減少の要因になっています。
2022年度は売上債権の増加と法人税等の支払、投資有価証券を売却したため大きくマイナスになりました。営業キャッシュフローがマイナスなのは少し心配な点です。

投資キャッシュフローは2019年から流れが変わっています。
2019年度から投資有価証券を売却しつつ有形固定資産を購入しています。2020年度も同様に投資有価証券を売却しつつ有形固定資産を購入しています。有価証券報告書をみると、詳細は載っていないですが、不動産事業における有形固定資産を購入しています。不動産事業に力を入れていることがわかります。ただ、本業も力をいれて頑張って欲しいなと思いますが、稼げていないので仕方がありません。

財務キャッシュフローは2019年では短期・長期借入金の返済を行っています。
2020年度では長期借入金を返済をしつつ、自社株買いを39億行っています。
2021年度はコロナの影響で万が一のために資金確保のため借入をしていて財務キャッシュフローがプラスになっています。
2022年度は2020年度同様長期借入金を返済をしつつ、自社株買いを9億行っています。ただ、自社株買いは2020年度とくらべると少なくなっています。
自社株買いで買うだけでなく消却も行われているので少し安心しました。

財務健全性について

自己資本比率はとても良好で、右肩上がりで上昇しています。2013年は58%でしたが2017年度には70%と財務健全性を意識しているようです。

株主還元について

配当

TBSホールディングスの配当利回りが2.45%(8/26現在)です。
配当は2013年から2019年にかけて増配していましたが、2020年頃から減配をしてしまいました。
2022年度には大きく増配しています。
株主還元方針としては1株当たり年間20円を下限とした安定配当で、業績に連動した配当として、連結ベースで配当性向30%を目標にしているようです。

配当性向

配当性向に関しては20~30%で推移していますのでそこまで無理して配当は出し続けているようではないようです。
2022年度は配当性向が20%第ですが、すぐに配当性向が30%台になり減配する可能性もあるので注意が必要です。

自社株買い

自社株買いは過去はそこまで行われていませんでしたが、2020年度以降大幅に自社株買いを行っています。投資有価証券を売却した資金で行っているようです。少しずつ自社株買いの額も下がっては来ていますので、長期的には期待しないほうが良いかもしれません。

株価について、投資判断について

株価について

現在株価は1,631円(8/26)となっています。
過去5年間で22.81%下落しています。

現在のPBRは0.36倍で、perは12.07倍と過去per10年間で算出すると18倍ですので過去と比較すると安い水準です。

投資判断について

僕の投資判断としては、買いの検討を見送りたいと思います。
理由は不動産事業にTBSホールディングスは重点を置いていますが、それだけだと少し長期的にみて
成長ができるかと疑問がでます。
株価が割安で放置されていても、企業の価値をあげるのではなく現状維持みたいな感じのスタンスだと少し投資妙味がないなと思います。
投資有価証券を売却しているのもファンドに言われているからやってますという受け身な姿勢の印象を受けました。

長期的に投資は難しいです。配当利回りも2.56%程ですので、ホールドして株価が上がる可能性もそこまで高くないと考えると投資資金はここには向けられないです。

まとめ

TBSホールディングスの投資判断について考えてみました。
財務は健全で、業績も悪くないですが、投資をするのであれば日本テレビホールディングスのほうが
良いと思えます。

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