NECキャピタルソリューション【8793】の投資判断を考える。株主優待が人気!業績は底堅いが投資できるか検証してみました。

リース株

「NECキャピタルソリューション【8793】へこれから投資をしようか考えている」
「NECキャピタルソリューション【8793】の株価、業績や株主還元について知りたい」

この記事はそのような方へ向けて書いています。

本日もご覧いただきありがとうございます。

今回はNECキャピタルソリューション【8793】についての投資判断を考えてみたいと思います。

NECキャピタルソリューションはNEC(日本電気)の子会社で、事業としてはリース(情報通信・事務用機器等)、ファイナンス(金銭貸付、ファクタリング等)、インベストメント(投融資、アドバイザリー等)を行っています。

リース株の中で配当利回りが高く株主優待のカタログギフトも人気があります。
現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。


この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。

業績について

EPS、売上高、営業キャッシュフローマージン、ROE

EPS

epsは全体的に見て安定感に欠けていますね。2009年はリーマンショックの影響で赤字というのは仕方がないものの、2015年以降大幅に下落しています。

2015年は前期にファンド事業で大型の営業投資有価証券の売却益が計上されたため、大幅に減益となりました。
なるほど、翌年の2016年はどうか見てみるとあまり業績のところに変化はありませんが為替による損益で前期よりかはepsは改善しているようです。epsを伸ばすにも決算短信や決算説明資料からみてみると苦戦を強いられている印象があります。

2018年に大幅にepsは上昇しているので見てみるとファンドによる営業投資有価証券の売却があったことから売上やepsともに大幅に上昇したようです。インベストメント事業のファンド投資が上手く収益に繋がっているようです。

2022年はepsが大きく改善しています。インベストメント事業で複数の大型EXITの計上等で売上高、利益ともに前年比増加がしています。EXITは投資会社などが第三者に株式を売却やIPOをすることで利益を享受できます。necキャピタルソリューションはリース会社というより事業投資会社であるという認識になりました。オリックスのような事業会社になっていくのですかね。

売上高

売上高は2007年から2009年度にかけて横ばいの傾向でしたが、ゆっくりとじりじり下降傾向にあります。リース事業は安定だと思っていましたがそんなことはないようです。ストック型だから大丈夫という考えはダメですね。

2021年頃から巻き返してきていて、2022年度には売上も伸ばしています。
リース事業とインベストメント事業が好調なようですね。しかし、2022年の決算資料を見てみるとリース事業は、契約実行高及び成約高ともに前年比減少していて、ファイナンス事業も契約実行高・成約高ともに前年比減少していることから業績は厳しくなりつつあるようですので、2023年以降少し厳しさが垣間見えてしまいました。
少し雲行きが怪しくなってきました・・・


ROE

ROEは2007年から2014年は6%で好調でしたが、2015年には4%台に転落しています。
ROEに波があり安定感に欠けています。もう少し事業の安定感があればよいのですが・・・

キャッシュフローについて

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローはリース業界特有の物でマイナスで推移しています。
リース業では営業キャッシュフローがマイナスになる傾向にあります。
リース取引は購入が先に行われてリース料が後から入ってくるので、お金が先に出ていく必要があります。しかし、necキャピタルソリューションは2011年から2014年でマイナスではなくプラスになっていました。
営業キャッシュフローがマイナスなのはリース業では成長しているという証ですが、necキャピタルソリューションは苦戦をしているようです。

投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローにはお金が流れていないようです。
リース会社全般的に投資キャッシュの特徴として挙げられます。

財務キャッシュフロー



財務キャッシュフローは年度の前半は大きくキャッシュがマイナスとして表れています。
リース会社は借入を行って資産を購入していくのが前提ですので、財務キャッシュフローがマイナスなので事業があまり芳しくないようです。

財務健全性について

自己資本比率

自己資本比率はあまり芳しくありません。しかし、金融業ですのでこの低い自己資本比率でも問題ありません。他のリース会社も10%を超えているところが散見されるので、もう少し自己資本比率が改善が望ましいです。

株主還元について

配当

NECキャピタルソリューションの配当利回りが3.59%(10/12現在)です。
配当は2013年から2017年にかけて横ばいでしたが、2018年頃から株主還元に力を入れ始め増配傾向にあり、2022年度には大幅に上昇しました。

NECキャピタルソリューションの配当の基本方針は安定配当の実施すると公言しています。
長期投資として安定した配当はありがたいですね。

配当性向

配当性向に関しては20~30%で推移していますのでまだまだ増配の余力がありそうです。
増配も慎重に行われているので、無理のない配当で還元していくでしょう。

自社株買い

(IR BANK 引用)

自社株買いは2022年に行われたぐらいで、まったく行われていないようです。
自社株買いに期待しないほうがよさそうです。

株価について、投資判断について

株価

現在株価は2,062円(10/12)となっています。
過去5年間で12.26%減少しています。

現在のPBRは0.42倍で、perは6.8倍と過去per10年間で算出すると9倍ですので過去と比較すると安い水準です。

投資判断

僕の投資判断としては、買いの検討を見送りたいと思います。
リース会社として安定感に欠けているのと、かといって投資事業会社になるといってもオリックスのほうが投資先として魅力を感じます。配当もそこまで魅力に映りません。自社株買いを行っているのかも見ると全く行われていません。

株価も試算してもあまり投資対象としては割安ではないです。
株主優待の投資投資として考えると100株だけであればよいと思います。
ただ、株主優待を狙う人限定ですので、オリックスみたいに株主優待廃止しても保有できるかと考えると、うーんなかなか厳しいです。


まとめ

necキャピタルソリューションの投資判断について考えてみました。
株主優待株としては魅力はありますので、100株のみであれば検討の余地はありそうです。
ただ、僕の場合は投資は見送ります。

オリックス、リコーリースなど投資先として他に選択肢があるので保有していない人はそっちを先に持っても良いのかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました