書評『ファスト&スロー』要約まとめ-システム1,システム2

投資本

今回はダニエルカーネマン著の『ファスト&スロー』を要約しました。

この本は自分の意思決定はどのような過程で決定されていくか、人間の考え方の習性がわかります。
株式投資でも購入するか、売却するかなど常に判断を求められます。

自分の考え方の癖を理解して、どのように意思決定するかを把握して投資で良質な決断をするのに役立つので僕はファスト&スローを読んでいます。投資だけでなく、仕事や日常などでも役立つことが多いのでオススメの1冊です。

ファスト&スローを読むメリットをお伝えさせていただきます。

この本を読むメリット

  • 考え方の癖を知り、投資の決断の質を向上させたい
  • 物事を深く考えられるようになる
  • 自分が意思決定をしたときの、意思決定の質がどうかを考えるきっかけとなる

僕はこの本を読んで、自分の考え方や自分の今までの投資の決断の質が最悪だったなと考えさせられました。
今では、自分の下した投資の決断の質が以前より向上したと思います。この本を読んで本当に良かったと思います。

ファスト&スローの大事な要点をまとめてみましたので、この記事を読んで少しでもお役に立てれば幸いです。

システム1とシステム2の考え方

人間の考え方には2種類の方法があると著者は言及しています。


①システム1→自動的に高速で働き、努力は不要、必要でもわずかで自分からコントロールしている感覚はないです。システム1の考え方は動物の先天的なスキルです。人間は周囲の正解を感じて物事を認知して注意を向けます。

具体例)

  • 突然聞こえたほうの方角を感知する
  • 怖い写真を見せられて顔をしかめる
  • 簡単な文章を理解する
  • 2+2の答えを言う
  • ゴキブリがでてきたときに反射的に不快感を感じる
  • 見やすい図を理解する

②システム2→複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動に注意を払う。
システム2の機能はシステム1が提案した考え方や行動を監視して制御する。提案の一部は修正したり、却下したりするなど修正を行う。

具体例)

  • パレードの中、特定の一人の声を集中して聞く
  • あるページにaの文字が何回出てくるか数える
  • 複雑な内容の文章を理解して説明をする
  • 10×12×14×18を計算する
  • 2種類の洗濯機を総合的に比較する
  • 街中でふと聞いた曲の名前、歌手名と歌詞を思い出す
  • アルファベットを逆から言う

この2つの考え方である本の内容を思い出しました。『投資で一番大切な20の教え』です。

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『投資で一番大切な20の教え』の中では一次的思考と二次的思考が紹介されていました。
1次的思考とは単純に物事を考えて、誰にもできる簡単な考えです。
具体例)良い企業だから買う、高配当だから買う、有名企業だからつぶれない

二次的思考とは物事について正しく見極める必要があるので、見極めた後さらに深堀していく

具体例)良い企業だが、実際にはそうではない。株価が過大に評価されていて、今から
買っても利益に繋がらない。むしろ損失に繋がるだろう。どのくらいまでの株価で
購入することが芳しいか。

投資において重要なのはシステム1で良い企業だから、高配当だから、潰れなさそうだから、みんなが買っているからと単純に買いに向かう思考ではなく、システム2で高配当でも配当性向が高すぎないか、いままでの過去の配当はどうか、CEOは株主還元についてどのように言及するかなど深堀して事実を見極めていかなければなりません。

システム2の思考をもって投資判断の質が向上されるはずです。日頃からシステム1で自動的に判断するのではなく、システム2で物事1つ1つに対して深堀していく習慣が必要です。

認識容易性

認知容易性とは、分かりやすい、見やすいなど理解しやすいことを信頼できるや親しみを感じるなど好意的にみることです。
簡単な図や文章は認知しやすいです。しかし、認知しやすいがために深く考える癖ができません。楽に感じて警戒心が薄く、論理的エラーが生じてしまう恐れがあります。
別の選択肢が存在しても、他の解釈がある可能性に気づいていない可能性があります。つまりもっともらしい、簡単な答えに導かれます。自分が見たものがすべてと考えれば辻褄が合わせやすくなり、認知が容易になります。

一方で、難解な用語、文章の時は認知しにくいものは認知的負担を感じます。慎重になり、より疑い深く注意して考えるようになります。注意深く考えることは選択する力があり、情報の取捨選択力を向上させてくれます。
投資において、ある会社の株価が上がってるから、将来的には業績が明るい、今は高いがもっと業績も上がるから株価も上昇し続けるはずだと考えて投資をして失敗をしたという話を聞きます。アナリストがこの銘柄を推奨したから投資をして購入しましたが、株価が下がり続けて含み損を抱えていると聞きます。
専門家が言うことはいかにも正しそうなので判断が簡単です。業績が明るいからと言って来年、再来年も業績が好調であり続けることはない保証はないです。
人は何かを情報をもとに判断をしています。投資の判断はシステム2で考えること、自分自身で考えて練りに練った考えが投資においてリターンをもたらすと考えています。じぶんで考えた考えが失敗することもあると思います。
しかし、その失敗は将来的に投資だけでなく自分のために必ず役に立つはずです。自分で考え抜いて、学んで、失敗をして成長するほうが10年後、20年後の長期的な未来の自分のためになると思います。

まとめ

『ファスト&スロー』の内容を一部要約してみました。

ファスト&スローを購入してよかったと思います。
何度も読み返していますが、味わい深いです。
この本がきっかけで、投資心理学の本を読むきっかけともなりました。
投資の分析で投資判断するのではなく、投資の分析と自分自身の理解を通じて判断が行われると学ばせていただきましt。本は出会いとよく言いますが、1冊1冊の出会いに感謝しなければなりません。
今後も良書を1冊でも多く紹介できればと思います。

ファスト&スロー上


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