最近購入して読んだ本をご紹介します。『経済評論家の父から息子への手紙:お金と人生と幸せについて』を読みました。
著者は経済評論家・山崎元さんです。『ほったらかし投資術』は読んだことがあると思います。
山崎元さんは今年の1月に食道癌のためお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。
山崎元さんの本を読んで投資を始めたという人も多いと思います。それほど日本の投資の発展に寄与した偉大な人だと思います。
『経済評論家の父から息子への手紙:お金と人生と幸せについて』は大学に合格した息子へ手紙を送ったことをきっかけで闘病の中で新たに書き下ろしたものです。
なので、金融業界の忖度なく意見を述べられていて本書はとても素晴らしい本でした。内容はそこまで難しい内容ではなく、スラスラ読み終えてページ数も170ページほどでしたが、それでも学びが多い本でした。
自分が『経済評論家の父から息子への手紙:お金と人生と幸せについて』から学んだことについて共有します。
資本主義で生きるために
山崎さんは資本主義経済について解説しています。資本主義経済ははリスクを取りたくない人間からリスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げるようにできていると言及しています。
けっこう強めな考えですが、誰も言わないだけで実際はそうだと思います。
日本のサラリーマンは安定的ですが、時間に縛られるだけでなく、仮に安い賃金だとしても何も言わないです。なぜなら、安定しているからです。安定しているから何か大きい不祥事をしない限りは、失敗してもクビにはなりません。
働かないおじさんがいてもクビにはなりません。安定と引き換えに、会社に従順になるようになったからです。
そして山崎さんは、強い言葉で述べています。
リスクを取らないことと引き換えにそこそこの賃金で満足する彼らが、世界の養分であり、経済の利益の源だと述べています。
なかなか強い言葉だと思います。周りの評価はもう気にしない状態ですので、忖度ない意見だと思います。
世界の養分か。
リスクを取らないで毎日淡々と目標もなく、平日の仕事が終わりやっと休日がきて、ダラダラ過ごして、テレビ観て、youtube観て、寝て、お菓子食べて、外に出ずに、夜があっという間に終わり、日曜日になり、あっという間に、サザエさんがテレビで流れる時間になり、明日仕事かと憂鬱になり、最後の休日を楽しもうと失われた時間を取り戻すように夜遅くまで何かテレビやアニメ、映画など見て、朝の目覚めが悪く、月曜日が始まりと繰り返します。
安定を求めるというのはこういうことなのかなと思います。誰もが同じような道を通ると思います。
それで、自分ってなんで生きているんだろうと道に迷う時もあります。
さらに山崎さんは言及します。
取り換え可能な労働者は立場が弱い。
これもそうなんだなと実感します。僕は経理で仕事をしていますが、基礎的な入力作業とか、誰でも替えがある仕事は、給料が低いです。入力作業を完ぺきにこなしても、その作業は誰でもできます。
僕は経理の仕事をし始めたときは、本当に給料が低すぎで絶望しました。
しかもそこまで数字に強くないです。そのため、どうすれば自分の価値を高められるかと考えました。
経理では他の周りの同僚には絶対に負ける、だったらpcスキル(excel)を高めようと思いました。
経理×EXCELで周りに差をつけることができるようになりました。自分の価値を高めるために他のスキルを掛け合わせて、希少価値を高めていくとう戦略を立てていくこととしました。
しかし、経理×EXCELは会社では希少価値はあるのかもしれませんが、会社を出れば僕以上のレベルの人はたくさんいます。
だから僕は経理×EXCEL×投資スキルを掛けて、より希少価値を高めていこうと思いました。
その意識をして日々仕事をしていたので、目をかけてもらう機会が増えました。
さらに希少価値を高めていくためには、経理×EXCEL×投資スキル×○○×○○といったさらに勉強してスキルアップをしていかなければなりません。
取り換え可能な人材になると立場が弱くなります。
自分もそうでした。経理では、数字も苦手なだけでなく、ミスもおおく大雑把で、経理に向いていないと思っていました。そうなると周りの評価もこいつ使えないなと思われていたと思います。
雑用も多く、誰でもできるようなことをしていました。それ俺じゃなくてもいいんじゃないかと。格下扱いされたり、同僚には馬鹿と陰口で言われていて悔しい思いもしました。そういう悔しい思いや陰口をバネに頑張れたというのもあるので、僕に陰口を言った人には感謝をしています。
ただ、馬鹿と言われて、直接その人に感謝は言わないですが。その陰口を言った人は、今も残業ばかりで不平不満を言って、年収もそこまで上がっていないと思います。
山崎さんは言及しています。
労働者に限らず、工夫のない人は損をする。他人と同じであることを恐れよ。無難を疑え。
この無難を疑えてって言葉はすごい好きです。
逆張り投資家である僕には無難を疑えというのはしっくりくる。
また労働者タイプAのみになることを全力で回避せよと言及しています。
労働者タイプAとは、
①他人と取り換え可能な同じような人材になる
②会社が用意した働き方だけで満足する
③雇用不安や賃金減少のリスクを極端に嫌う
労働者タイプAになると使い捨ての人材になってしまいます。ここでも言葉が強いですが、労働者タイプAは一生を通じて会社の奴隷のような存在になる可能性になります。
また稼ぎ方についても言及しています。人的資本までを含めた自分の資産でどれだけリスクを取るかで経済力の格差が決まります。
ここでもリスクを取らないことと引き換えにそこそこの賃金で満足する彼らが、世界の養分であり、経済の利益の源と同じように、リスクを回避したがる者が提供する価値をリスクをとっても良いと思うものが吸い上げる図式になっています。
サラリーマンの役職がついていない人はそこまで失敗をしてもリスクを負っていません。
役職が上がるごとに、リスクある判断を求められます、会社に大きく影響を与えるかもしれません。
リスクある判断、行動をしなければなりません。そういう人材が必然的に経済的価値が高くなるのだと思います。つまり、替えがきかない人材になります。サラリーマンの群れの中でリスクを取らな安定的で失敗もない、リスクを取らない、替えがきく人材は似た者同士でただの養分でしかない。
危機感を持たなければなりません。会社の身近な同僚と傷をなめ合うかのように飲んで愚痴を言い合うサラリーマンの群れの中にいてはだめだと思います。切磋琢磨して、お互いを高めあえる人間関係を構築していくべきです。
僕が驚いたのは、リスクを取る役割を金融資産に担わせるのはチキン(臆病)な選択肢だといったことです。
この内容はおそらく最近の若者などに向けたメッセージなのかなと思いました。
金融投資が日本でやる人も増えてきて、若い人も投資を行っています。その中で、若い人が全力で投資をしていたり、youtuberの影響で節約ばかりしてインデックス投資をしている人に対してのメッセージだと解釈しました。
サラリーマンとして無難に働き、リスクを取ることもせずに、金融資産の投資のために、節約して生活を切り詰めて切り詰めて自分への投資もせずに、金融資産に投資のみ行う。
僕も以前は生活を切り詰めて、株式投資に全力で投資をしていましたが、今は自分への投資も欠かさず行って、人的資本を成長させるように時間とお金を投下しています。
仮に金融資産が1億円あったとして、詐欺に遭って自分の資産が1000万円程になったらどうでしょうか。一方の人は、節約節約で生活を切り詰めてお金を使わない仙人みたいな人で自分への投資をしておらず、仕事もそこまで頑張らず淡々とこなしている。
もう一方は、自分への投資を欠かさず行い、資産も5,000万くらいあって、年を経るごとに自分の人的資本の価値を高めていきさらに稼ぐ力が増えた場合に、5,000万円が1,000万くらいになっても稼ぐ人的資本があるので何もしてこなかった人たちと比べて、経験や専門知識、スキル、人間関係など構築できているはずです。
自分への投資は何か能力やスキルなどの資産が奪われるわけではないです。自分の人的資本に税金はかかりません。
そうなったときに自分への投資は欠かせません。
最後に、僕がこの本を読んでいて目頭が熱くなった時がありました。
それは最後のページの付記の大人になった息子へという内容です。
山崎さんが息子へ綴った文章は、なんか自分の父が僕に対して本音で語りかけているような気がしたからです。
息子への愛情を読み取れましたし、これから巣立っていく息子に強く生きていってほしいという願いが文章から伝わりました。
父の長話に付き合ってくれてありがとうという言葉に目がウルっとしてしまいました。
僕が紹介した内容以外に働きかたや幸福感についても言及しています。
投資をしていない人でも、投資をしている人にも読んで欲しい一冊です。
僕はこの本を読んで、サラリーマンとしてリスクを取らないという選択肢ではなく、失敗してもいいから積極的にリスクのある行動をして経験を積んで成長をしていこうと思いました。
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