決算速報に騙されない。キャッシュフローを重視して「不当に売られた優良株」を狙う理由

投資

ブリヂストンヤマハ発動機の2つの企業の決算を比較してみて高配当投資において「大きな学び」がありました。「決算速報で利益が激減したから暴落!」「過去最高益だから急騰!」といったニュースが飛び交い、短期的な株価の動きにハラハラしている方も多いとは思います。

今回の2社の決算から学んだことは「決算速報の見出し(純利益が減った・増えた)だけで投資判断をするのは本当に危険だ」ということです。そして同時に、「そこにこそ、高配当投資家にとって最高のチャンス(買い場)が転がっている」ということに気づきました。

今回は、僕がこの2社の決算から学んだ「純利益の罠」と「チャンスの掴み方」について考えてみたいと思います。

少しでも参考になれば幸いです。


1. 決算速報の「見出し」だけで株を売買する危険性

最近の相場を見ていると、決算発表直後にAIや短期トレーダーが「見出しの数字(特に純利益の増減)」だけを読み取って、機械的に株を売買しているような動きが目立ちます。

  • 「純利益が前期比で半減!やばい、売れ!」
  • 「純利益が15%増益!すごい、買え!」

一見正しい反応のように思えますが、「長期で安定した配当をもらい続けること」を目的とする高配当投資家にとって、この表面的な数字だけで判断するのは致命的なミスに繋がります。

なぜなら、決算書の「純利益」という数字は、会計上のルール(税金や過去の資産の評価見直しなど)によって、いくらでも実態とは違う動きをする「幻の数字」になり得るからです。

その事実をまざまざと見せつけてくれたのが、今回のブリヂストンとヤマハ発動機でした。
これは自分にとって興味深い内容でした。
やはり学び続けていくと点と点が繋がっていくところは面白いです。


2. ブリヂストンが見せた「税金ボーナス」の正体

まずは、僕が投資先としてとても気になっているブリヂストン(2025年12月期本決算)です。

ブリヂストンの決算は、本業の儲けを示す「営業利益」は前期比でたったの2%増(ほぼ横ばい)でした。しかし、最終的な「純利益」はなんと14.8%も跳ね上がっていたのです。
何か政策保有株の売却益とか固定資産の売却とかだろうかと思いきや決算短信を見るとどうやら違うようでした。

「営業利益が微増なのに、なんで最終利益が15%も増えるの?」と疑問に思いますよね。

中身を紐解くと、その理由は「法人税等の負担が、前期に比べて約1,000億円も激減していたから」でした。

これは偶然ではありません。ブリヂストンは過去数年、不採算工場を閉鎖したり、儲からない事業を売却したりと、血を流すような「事業再編(大リストラ)」を行ってきました。その整理がようやく終わり、税効果会計などの恩恵を受けた結果、帳簿上の税金がガクッと減ったのです。

つまり、ブリヂストンの純利益15%増は「膿を出し切った企業に訪れた、会計上のボーナスタイム」でした。中身(キャッシュフローの堅さ)を伴った、非常に質の高い増益だと言えます。


3. ヤマハ発動機が見せた「帳簿上の大減益」の罠

一方で、市場を大パニックに陥らせたのがヤマハ発動機です。

決算速報の見出しには「純利益が大幅な下方修正!(前期比で半減以下)」というショッキングな数字が踊り、株価は大きく売り込まれました。また減配も発表されていてそれがさらに株価下落を誘いました。

これを見た多くの人は「本業のバイクや船外機が全然売れなくなって、会社が傾いているんだ!」と勘違いして株を投げ売ってしまったはずです。

しかし、これも決算の中身をしっかり見ると、全く違う景色が見えてきます。

彼らの利益を吹き飛ばした最大の犯人は、本業の悪化ではなく「繰延税金資産(くりのべぜいきんしさん)の取り崩し」でした。

これは簡単に言うと、「将来、税金を安くしてもらえる予定だった割引券(資産)」を、米国市場の先行きが少し不透明になったから「やっぱり一旦、帳簿から消しておこう」と処理しただけのことです。

ここが一番重要なんですが、この税金処理によって、ヤマハ発動機の金庫から「現金(キャッシュ)」は1円も流出していません。 確かに、関税リスクなどで本業も少し足踏みはしています。しかし、二輪やマリン事業で日々莫大な現金を稼ぎ出している「キャッシュフローの強さ」自体が消滅したわけでは決してないのです。

投資系の情報サイトで決算の数値を要約してすぐに結果がわかるサイトがありますが、それをみてもすぐにそれだけで判断してはいけないと思っています。
株価が下がればチャンスが生まれますし、その株価下落を分析してチャンスとしてとらえるかは自分の能力次第でもあります。


4. キャッシュフローを見れば「暴落はチャンス」に変わる

僕はこの2社の対照的な事例を見て、確信しました。

株価は短期的に、表面上の「純利益の増減」に過剰反応します。ブリヂストンのようにプラスの会計マジックが働けば素直に評価されますが、ヤマハ発動機や、あるいはEV再編で巨額の一過性費用を出しているホンダのように、マイナスの会計マジック(特損や税金処理)が出ると、市場は中身も見ずに容赦なく株を売り叩きます。

でも、高配当投資家が絶対に見失ってはいけない真理があります。それは、「企業が配当を支払う原資は、帳簿上の純利益ではなく、手元の『現金(キャッシュフロー)』である」ということです。

帳簿上の利益が税金や減損のせいで一時的に赤字になろうが、本業のビジネス(ストック収入や圧倒的なブランド力)が回り続け、営業キャッシュフローがドバドバと入ってきている限り、配当は守られます。

だからこそ、純利益の悪化だけで株価が暴落し、配当利回りが不当に跳ね上がっている瞬間は、「絶好の投資チャンス」になります。

多くの人が「利益が減った!逃げろ!」と騒いでいる横で、決算書の中身を開き、

「なんだ、ただの税金処理か。キャッシュフローは無傷じゃないか」

と冷静に判断できた人だけが、優良な高配当株をバーゲン価格で拾うことができるのです。


5. まとめ:高配当投資家が向かうべき場所

今回のブリヂストンとヤマハ発動機の事例は、僕に「数字の裏側にあるストーリーを読み解く力」の大切さを教えてくれました。

短期的な株価の変動や、ニュースの「〇〇%減益!」という見出しに振り回されるのは、もうやめにしましょう。そんな表面的な判断で大切な資産を手放してしまうのは、あまりにももったいないし、危険です。

  1. 利益が減った(増えた)理由は、本業の実力か?それとも会計上の処理か?
  2. 過去の膿を出し切るための「前向きな痛み(一過性の損失)」ではないか?
  3. 配当の原資となる「現金を稼ぐ力(営業キャッシュフロー)」は死んでいないか?

この視点を持って決算書の中身をしっかり見れば、市場が勝手に作り出した「恐怖による暴落」は、すべて「無料のボーナスチャンス」に変わります。

短期的なノイズを無視して、企業の本当の稼ぐ力(キャッシュ)に投資するのもまた投資スキルとして武器にもなるなと思いました。

ヂストンとヤマハ発動機の対比からの学び」「見出しだけで判断する危険性」「キャッシュフローを見る重要性」「僕という一人称」をすべて盛り込み、熱量の高い約3000文字のブログ記事に仕上げました。

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