日本製鉄【5401】2024年3月期第3四半期(10-12月)を発表しました。増配を発表しましたが、株価は軟調です。追加投資を今後も行っていきます。

鉄鋼株

日本製鉄【5401】2024年3月期第3四半期(10-12月)が発表されましたので記事にします。
現在、日本製鉄にNISAで200株の投資を行っています。
決算発表を受けて一時4%程上昇していましたが、一気に株価は戻り元の水準に戻っています。
直近の株価も下がっていてますが、そこまで悪い内容ではなかったです。

日本製鉄に関しては、USスチールの買収の件もあるので不安要素として挙げられ、積極的に投資対象として見れないように感じている人が一定多数いるのかもしれません。
株価が下がって不人気だからこそ、積極的に投資をすべきだと考えています。
日本は魅力的な投資先がやはり多いなと感じます。
厳選すべきだとは思うのですが、先日分析した兼松も投資をしたいなと考えているのでなかなか悩みます。

日本製鉄【5401】2024年3月期第第3四半期(10-12月)について見ていきます。

2024年3月期第第3四半期(10-12月)

(日本製鉄決算短信引用)

2024年3月期第3四半期の売上収益は6兆6,418億円(前年同期比11.4%増)、事業利益が6,923億円(前年同期比9.1%減)、親会社の所有者に所属する四半期純利益4,409億円(前年同期比14.7%減となりました。今回の決算で在庫評価損を除いた実力ベースの利益を上方修正して、過去最高の8,900億円を予想しています。当期純利益も上方修正して、4,700億円の利益を予想しています。
日本製鉄は在庫評価損を除いた実力ベースの利益を使っているのは在庫評価損などの不確定要素や橋本CEOになってから構造改革に大幅に着手していて費用が重なっているからです。
2023年度の決算は900億円の評価損を見込んでいます。
上期と3Qで▲359億円の在庫評価損、4Qで▲543億円の評価損を予想しています。
4Qだけでここまで、マイナスになるのかなと疑問があります。
前回の2Qの決算の時には在庫評価損は▲1,000億円となっていましたが、今回の決算で▲900億円となります。

構造改革のため不採算な設備は積極的に休止して、固定費の大幅な削減を行っています。
2022年度は設備休止関連損失は▲235億円、事業撤退費で▲93億円です。
2023年度は設備休止関連費用で▲900億円を予定しています。(呉下工程▲641など)
2024年度まで設備関連費用で一時的な費用が発生します。
逆に、2024年以降持ち続けていればという話なのかなと思います。
2024年度以降で一過性の費用が大幅に発生しないという目途がついて、より成長に向けて資金の流れが変わり利益体質になり、さらに成長して株主還元の配当もさらに増配していけばより投資先として魅力を感じられるなと思います。

日本製鉄は以前までは業績が赤字になったり、黒字になったりで業績は安定感がなく稼ぐ力も安定していませんでした。なぜ稼げる収益構造になってきているかというと、損益分岐点の抜本的引き下げが収益力のある事業へ変化しつつあります。
国内製鉄事業損益分岐点の改善のために3つの改善を行っています。1つ目が注文構成高度化、2つ目が紐付きマージン改善、3つ目が生産設備構造対策です。

1つ目が注文構成高度化とありますが電磁鋼板・超ハイテン等高付加価値商品である高級鋼を需要拡大に対応して利益が出る商品の割合を集中して、付加価値商品を提供します。
高級鋼は自動車の軽量化や安全性向上に貢献するものや、エネルギー効率向上のために使われるものや災害に強い安全なインフラのためにつかわれるものがあり需要があります。

2つ目が紐付きマージン改善ですが、鋼材が作られたときすでに販売先・納入先が決まっている取引を紐付きと定義します。紐付きでは、鉄鋼メーカーと取引先が直接価格交渉を行います。今までは価格交渉を受注や生産などをした後に行う契約が多かったのですが、受注前に価格を安定させることで先行きの見通しが立てやすくなったこと、紐付け価格の値上げをする必要があると取引先に説明して利益率が向上しています。限界利益単価が上がることでより利益を出すことが可能な筋肉質な体質になっています。国内の粗鋼生産量は減っていはいますが、それでも利益を出す事業になっているのが結果として表れています。
今回の決算の中で2023年下期は、▲800億円程となっています。前回の予想の時には▲1,300億円程とかなり悲観的に見ていましたが、修正されています。2023下期に価格決定後の外部コスト上昇で一時的にマージンの縮小がするようです。翌期以降は適正水準に回復していくようですので、翌期の決算はさらに期待は持てるものとなります。


3つ目が生産設備構造対策ですが、国内高炉を減らしていて、2022年時点で900億円程の削減効果があります。
構造対策効果を含めてコスト改善努力で固定費を2割ほど減らしています。コスト改善することで低い水準の固定費になり利益もより出てくるようになります。
今期の国内事業は利益は減少予定となっていますが、生産量が減少する中で利益を同水準を確保している点は構造改革が成功していると考えられます。
2023年度はコスト削減効果は1,000億円と説明資料にありました。
2024上期には 阪神(堺)/一部めっきラインを休止、鹿島/鉄源1系列・厚板・大形休止予定です。
ばっさばっさ切っていますね。素晴らしい実行力と判断力です。不採算な設備は極力減らして稼げる事業に変化しつつあるのが見て取れます。



日本製鉄は海外事業でインドの市場で事業を重きを置いています。2023年度の海外事業は1,200億円ほどを予想値としていて、インドは利益を半分以上占めています。2023年2Qにおいては、インドでの利益は需要が回復して重要資産やインフラの買収効果もあり利益も調子が良いです。
粗鋼の生産能力は2014年度は国内が5,200万トン、海外が600万トンでしたが、2022年度は国内が4,700万トン、海外では1,900万トンと海外へ重点的に生産をするようになっています。また将来的に海外で6,000万トンを生産するとあり国内を合わせて1億トン体制の生産を目指すとあります。国内の縮小した市場よりも成長性を見出せる海外に展開していくことがわかります。
国内では国内高炉の設備を減らして収益性があるもの関して選択と集中を行っていき、海外では量と質を同時に実現させていくようです。
またUSスチールの買収でさらに1億トン体制の生産が現実味を帯びてきました。
トランプ大統領が阻止するみたいな発言をしているので何とも言えないです。
ただもし実現したらめちゃくちゃわくわくします。
8月中旬頃までにクロージングできた場合、2024年度3Q連結決算より連結開始(U.S.Steelの2024年7-9月期を連結)します
8月中旬頃~11月中旬頃にクロージングできた場合2024年度4Q連結決算(U.S.Steelの2024年10-12月期を連結)より連結開始します。
財務の面で少し大丈夫かなと懸念すべきところはありますが、USスチールの売上や利益が大きく乗っかてきたら、うぉーーと決算内容が変わるほど驚くと思います。

そうなったらマジで面白いことになるんじゃないかなと思います。絶対にプラスになるとは限らないので、もしかしたら思った以上に稼ぐことができずに失敗に終わる可能性はあると思います。


投資判断について

日本製鉄の現在の株価は3,502円(2024年2月16日)、PBR0.69倍、配当利回りは4.57%です。
直近の株価は下がってきていて、配当利回りも4.5%とかなり高い水準です。
高配当株がかなり株価があがり選択肢がなくなってきている中で、投資先としては買い集めたいなとおもっています。

今年中にはあと200株投資をしたいなと考えています。
過去の業績は一貫性がなく波があり黒字になったり赤字になったり、配当も減配したり増配したりで高配当の投資先として向かないかなとも思いましたが、過去の業績だけでなく、直近の日本製鉄の体質は稼ぐことができるようになってきている点や、株価がそこまで上がっていない点を考慮するとまだまだ投資先として魅力を感じます。

たしかに不安な要素は多くあります。
そういったところにチャンスは転がっていると思います。
景気敏感株をポートフォリオに組み入れると何かあったときに、株価がさがったタイミングでかなり資産が減ってしまうので難しい投資先です。
爆発力がある投資先だとは思っていて、潜在的な成長力を秘めてはいるなと感じます。
だからこそ、今が買い場でコツコツ投資を行っていきます。
将来的には1,000株を目標に投資をしていこうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました