日本製鉄【5401】決算2024年3月期第2四半期(7-9月)の発表。下期の業績は悲観的ですが、投資先として良いと感じています。

鉄鋼株

日本製鉄【5401】決算2024年3月期第2四半期(7-9月)が発表されましたので記事にします。
日本製鉄は今年に入って100株のみ投資を行いました。
以前から気になっていた銘柄で、株式市場が全体的に悲観的になり株価が下がっていた時でしたので、
チャンスだと判断して購入に至りました。

日本製鉄は事業構造改革に本気で取り組んでおり、事業環境が芳しくない状況下においても利益を出せるようになり収益構造も改善されてきています。
過去の業績を見ると確かに業績は安定感に欠けますが、それでも直近の日本製鉄は明らかに良い方向に変化しているなと分析していて思いました。
投資難易度はけっこう高いなと思いつつも、日本製鉄への投資をする過程で学ぶことも多いと見込んで総合的な投資を行いました。

日本製鉄【5401】へ新規投資をしました。2023年10月4日100株。
今回は日本製鉄【5401】に新規に投資を行いました。日本製鉄【5401】に今なぜ投資を行ったのかを記事にしました。日経平均が大幅に下がり、ようやく買うタイミングが来たと思い、以前からマークしていた日本製鉄に投資を行いました。伊藤忠商事に追加...


今回の決算発表で業績から投資先として追加投資をするかを検証します。

2024年第2四半期決算全体〈純利益進捗率58%〉

(日本製鉄決算説明資料引用)

売上高は4兆,4124億円(前年同期比13.9%増)、事業利益4,942億円(前年同期比8.8%減)、純利益は
3,002億(前年同期比19.4%減)となり、増収減益となりました。
増収はしていますが、決算短信の内容では利益は大幅に減益となっています。
決算説明資料では、実力ベースでは過去最高の事業利益を出しています。また日本製鉄の予想着地では過去最高の事業利益である8,400億円を着地予定としています。
日本製鉄の事業は原料市況、為替などの影響で在庫評価の一過性の損益が大幅に影響を与えます。
下期では、952億円と上期と比較しても大幅に在庫評価のマイナスが大幅に響いています。また、事業構造改革の為、国内製鉄事業の商品と設備の効率化や競争優位性を高めるために費用が増加しています。構造改革の為2024年度まで一定額発生するようです。
そのため事業利益は日本製鉄が実力ベースとしての数値を重視しています。
日本製鉄は外部環境に頼らずに安定的に事業利益を6,000億円を出せる収益構造にすると橋本CEOが発言しています。将来には事業利益を1兆円を目指すとあるのでとても期待感はあります。
事業利益は4,942億円(前年同期比1,342億円増)と大幅に増益しています。

国内製鉄事業は2,180億円(前年同期比330億円増)、海外事業は740億円(前年同期比90億円増)、原料事業が650億円(前年同期比50億円増)、鉄グループ事業は1,170億円(前年同期比170億円増)です。全体的にどの事業もプラスになっていてますね!!
全体的に好調でも2023年度の見通しは8,400億円とかわらず上方修正はありませんでした。
日本製鉄は下期は悲観的に見ていて、数値から見ても上期と比較して事業利益も下がりさらに在庫評価に関しては950億円程近くマイナスになっています。

決算短信では営業利益は大幅に減益となっていますが、前期では計上されていなかった事業再編損が704億円程計上されているので営業利益も減少しています。
日本製鉄は以前までは業績が赤字になったり、黒字になったりで業績は安定感がなく稼ぐ力も安定していませんでした。なぜ稼げる収益構造になってきているかというと、損益分岐点の抜本的引き下げが収益力のある事業へ変化しつつあります。
国内製鉄事業損益分岐点の改善のために3つの改善を行っています。1つ目が注文構成高度化、2つ目が紐付きマージン改善、3つ目が生産設備構造対策です。

1つ目が注文構成高度化とありますが電磁鋼板・超ハイテン等高付加価値商品である高級鋼を需要拡大に対応して利益が出る商品の割合を集中して、付加価値商品を提供します。
高級鋼は自動車の軽量化や安全性向上に貢献するものや、エネルギー効率向上のために使われるものや災害に強い安全なインフラのためにつかわれるものがあり需要があります。

2つ目が紐付きマージン改善ですが、鋼材が作られたときすでに販売先・納入先が決まっている取引を紐付きと定義します。紐付きでは、鉄鋼メーカーと取引先が直接価格交渉を行います。今までは価格交渉を受注や生産などをした後に行う契約が多かったのですが、受注前に価格を安定させることで先行きの見通しが立てやすくなったこと、紐付け価格の値上げをする必要があると取引先に説明して利益率が向上しています。

3つ目が生産設備構造対策ですが、国内高炉を減らしていて、2022年時点で900億円程の削減効果があります。
構造対策効果を含めてコスト改善努力で固定費を2割ほど減らしています。コスト改善することで低い水準の固定費になり利益もより出てくるようになります。
今期の国内事業は利益は減少予定となっていますが、生産量が減少する中で利益を同水準を確保している点は構造改革が成功していると考えられます。

日本製鉄は海外事業でインドの市場で事業を重きを置いています。2023年度の海外事業は1,200億円ほどを予想値としていていて、インドは利益を半分以上占めています。2023年2Qにおいては、インドでの利益は需要が回復して重要資産やインフラの買収効果もあり利益も調子が良いです。
粗鋼の生産能力は2014年度は国内が5,200万トン、海外が600万トンでしたが、2022年度は国内が4,700万トン、海外では1,900万トンと海外へ重点的に生産をするようになっています。また将来的に海外で6,000万トンを生産するとあり国内を合わせて1億トン体制の生産を目指すとあります。国内の縮小した市場よりも成長性を見出せる海外に展開していくことがわかります。
国内では国内高炉の設備を減らして収益性があるもの関して選択と集中を行っていき、海外では量と質を同時に実現させていくようです。

投資判断について

日本製鉄の株価は3,440円(2023年11月17日)です。PBRは0.69倍、配当利回りが4.36%です。
僕は現在100株のみ保有していますが、追加で投資を検討しています。
特定口座で投資をしているので、一旦売却して来年特定口座から新NISAに切り替えようと考えています。その後に余剰資金で200株程投資をできればなと思います。

日本製鉄への投資は正直に言うと、難易度が高いと思います。急激に業績が悪化するかもしれないかもしれませんが、業績が良くなれば爆発力もありかなり業績はよくなり増配もしてさらに配当利回りが良くなるかもしれません。

しかし、鉄の事業は将来的に稼ぎ続けることができるか全く不透明があります。
日本製鉄の業績は今の現状がもしかしたら、頂上でこれ以上利益の成長の余地がないかもしれないです。仮に良い業績を出せても、5年後、10年後に同じように稼ぎ続けることができるのかどうかと考えたときに波がありそうだなと懸念があります。稼ぎ出し続ける未来が見えないという所がどうしもて描けないのが投資を躊躇してしまう点です。
でも、僕がこの会社に投資をしたいなと思うのが危機感をもっている会社であると認識しているかです。日本製鉄の統合報告書か何かの説明資料で危機感というワードを何度も見る機会が多かったです。
国内の市場が縮小している中で、活路を見出すために、上場企業でありながら抜本的に不採算な設備に関しては切っていく行動力は他では危機感があるからこそできると思えました。
また順風満帆な会社が今順調であり、何も危機感を覚えずに環境が変化しているにもかかわらず、策を講じない会社には投資をしたくありません。

最近、ニュースでとても驚いたことがあります。
それは伊藤忠商事がビッグモーターを経営再建のため買収を検討しているとニュースでありました。
伊藤忠商事はすごいなと思います。
このビッグモーターの件に関しては三菱商事や三井物産などはきっと手を出さない案件だと思います。

ビッグモーターがやってきたマイナスな点に関しては、もう信用はありません。
その中でもリスクをとって、伊藤忠商事はマイナス点などを含めて安い買い物で自分たちなら再建できると息巻いて、数年後にビッグモーターが再建できたら、株主として誇らしくなり感動します。
伊藤忠商事のビッグモーターの再建に関しては、成功するか失敗するかわかりません。
でも、伊藤忠商事のリスクある行動は今後環境の変化が起きても絶対とは言えないですが10年後,20年後も生き残る可能性が高いものであると考え、改めて伊藤忠商事に投資をしてよかったと思いました。

日本製鉄の今回の決算の動画を今朝視聴していたのですが、ある言葉が印象的でした。
事業環境があまり良くないと悲観的なコメントがあり、その後に悲観的な状態でも特に新しいことをやることはなく、今まで取り組んできたこと(国内の構造改革や、海外事業の展開など)を続けるだけと説明していました。伊藤忠商事も岡藤会長が似たようなコメントをしていて特別変わったことをするのではなく、今やっていることを取り組んで積み上げていくとコメントしていた記憶があります。

生き残る会社は、何か派手なパフォーマンスをするのではなく、目標に向かって一歩一歩進み続ける会社ではないかと思いました。

だから僕は追加で日本製鉄に投資をしようと思いました。

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