投資歴2年、資産550万円を突破して気づいた「市場で生き残り続けるための生存戦略」

投資

(楽天証券 資産推移)

2020年6月。世界がパンデミックの混乱に揺れる中、私は恐る恐る投資の世界に足を踏み入れました。あれから丸2年が経過した2022年6月末、私の株式資産合計は5,498,680円(その他株式を含めると5,502,209円)に到達しました。

2021年末時点の資産合計が4,891,800円でしたから、この半年間でおよそ12.5%の上昇を記録したことになります。数字だけを見れば順調に見えるかもしれません。しかし、この2年間は決して平坦な道のりではありませんでした。

投資を始めたばかりの頃の自分を思い出すと、今の状況は想像もつきませんでした。「大切なお金が明日には半分になっているのではないか」「これは巧妙な詐欺ではないか」――そんな実体のない不安に押しつぶされそうになっていたからです。しかし、規律を守り、少しずつ資産が積み上がっていく過程を経験した今、確信を持って言えることがあります。「20代のうちに投資を始めて、本当によかった」ということです。

本記事では、2022年上半期の激動の相場を振り返りながら、私が学んだ「市場で生き残るための思考法」を深く掘り下げてみたいと思います。


1. 「熱狂」という名の罠:海運株ブームから学んだ客観性

2022年上半期は、まさに「投資の難しさ」が凝縮された期間でした。 記憶に新しいのは、2021年から続いた「海運株」の大ブームです。商船三井や日本郵船といった銘柄に資金が猛烈な勢いで流入し、SNSを開けば「海運株で資産が倍になった」「配当利回りが10%を超えている」といった景気の良い言葉が溢れかえっていました。

市場はまさに熱狂に包まれていました。しかし、私はあえてその熱狂から距離を置き、静観を決め込みました。なぜなら、市場の熱気というものは、人間の判断力を恐ろしいほどに鈍らせるからです。

高値掴みの心理学

熱狂の中にいると、人は「今買わないと乗り遅れる」という恐怖に支配されます。そして、本来の企業の価値(ファンダメンタルズ)を無視して、上昇するチャートだけを追いかけてしまうのです。 当時、海運株を高値で掴んだ投資家たちの多くは、こう言っていました。 「株価はまだ上がるから大丈夫だ」 「利回りが10%を超えているから、含み損になっても長期保有すれば元が取れる」

しかし、投資家として冷静に問い直すべきは、以下の点でした。

  • この空前の好業績は、構造的な変化なのか、それとも一時的な需給の歪み(運賃高騰)なのか?
  • 業績がピークアウトした際、その高い配当金は本当に維持できるのか?
  • サイクル性の強い「シクリカル銘柄」において、ピーク時に長期保有を前提に買うことがどれほどのリスクを伴うか?

私は海運株には投資をしませんでした。それは、自分の能力の輪(Circle of Competence)の外にあると感じたからです。周りが盛り上がっている時に「何もしない」ことは勇気がいりますが、その勇気こそが、後々の致命的な損失を防いでくれるのです。


2. 相場の不透明感と「生存」の条件

現在、相場を取り巻く環境は極めて不透明です。ウクライナ情勢の長期化、世界的なインフレの加速、そしてそれに伴う利上げと経済成長の後退。半年ほど前までの楽観論はどこへやら、SNSやニュースでは「投資成績が悪化した」「含み損に耐えきれず投資を辞めた」という悲痛な声が聞こえてくるようになりました。

私がこの2年間で生き残ってこれたのは、能力が高かったからではありません。断言しますが、「たまたま運が良かった」、そして**「リスクを取りすぎなかった」**。ただそれだけです。

リスクの過剰摂取がメンタルを破壊する

もし私が2021年の強気相場で、周囲の「勢いのある投資家」を真似てレバレッジをかけたり、特定のセクターに集中投資をしたりといった過剰なリスクを取っていたらどうなっていたでしょうか。おそらく、現在の調整局面でメンタルが崩壊し、夜も眠れない日々を過ごした末、最悪のタイミングで投げ売り(市場退場)していたに違いありません。

市場で生き残るために必要なのは、優れた予測力ではなく、**「最悪の事態が起きても、翌日も平然と市場にいられるだけの余裕」**です。


3. 逆張りの思考:群衆と反対を行く勇気

私が投資を行う上で常に肝に銘じている言葉があります。

「他の人が大きくリスクを取っていたら、自分はリスクを最小限に抑えるべきである」 「他の人が相場に悲観的で投げ売りをしていたら、恐怖に囚われず買いに向かうべきである」

これは投資の神様と言われるウォーレン・バフェットの教えにも通じますが、実践するのは至難の業です。人間には「同調圧力」に屈しやすいという本能があるからです。

安心感という最大のリスク

周りと同じ行動を取り、同じ意見を持っている状態は、精神的にとても「安心」できます。しかし、投資の世界において、その安心感こそが最大のリスクになります。 「みんなが買っているから安全だ」と思う時は、すでに株価に全員の期待が織り込まれ、割高になっているサインです。逆に「みんなが絶望している」時は、将来の不安が過剰に価格に反映され、お宝銘柄が放置されているサインです。

リターンとは、他人と違う行動を取ったことに対する「報い」として得られるものです。周りと同調している限り、平均以上のリターンを得ることはできず、むしろ暴落時には群衆と共に崖から飛び降りることになりかねません。


4. ブラックスワンに備える:予期せぬ衝撃を前提とする

投資哲学を深める上で避けて通れない概念があります。ナシム・ニコラス・タレブが提唱した「ブラックスワン(黒い白鳥)理論」です。

かつて、白鳥はすべて白いものだと信じられていました。何万羽もの白い白鳥を観察してきた歴史が、「白鳥=白」という常識を揺るぎないものにしていたのです。しかし、オーストラリアでたった一羽の「黒い白鳥」が発見された瞬間、それまでの数千年の常識は完全に覆されました。

投資におけるブラックスワンとは

これを市場に置き換えると、「過去のデータ上、こんな暴落はありえない」「この企業が倒産するはずがない」という予測が、たった一つの予期せぬ出来事(パンデミック、戦争、金融システム崩壊など)によって無意味化することを指します。

未来を予測することはできません。できるのは、**「何が起きても破綻しないポートフォリオを組むこと」**だけです。

  • 市場の熱気に飲み込まれず、自分の規律を守ること。
  • 自分の心の弱さ(欲望や恐怖)を自覚すること。
  • 常に「黒い白鳥」が飛来する可能性を頭の片隅に置いておくこと。

これらを守ることこそが、投資における真の「知性」だと僕は考えます。


5. 2022年下半期への展望:守りながら積み上げる

2022年の後半戦も、一筋縄ではいかない展開が続くでしょう。僕の目標はシンプルです。

「市場に生き残り続けること」

資産を急激に増やそうと焦るのではなく、まずは負けないこと。投資規律を厳守し、保守的な姿勢を崩さず、程々のリターンをコツコツと積み上げていくこと。派手なパフォーマンスを競うゲームに参加するつもりはありません。

投資は、一生続くマラソンです。2年という月日は、その長い道のりのほんの序盤に過ぎません。20代で始めたこの挑戦を、30代、40代と続けていった先に、どのような景色が待っているのか。それを見るためにも、私は今日もしがみつき、考え、そして規律に従って投資を続けていきます。


おわりに:

もし、今の相場に不安を感じている方がいれば、こう伝えたいです。 「生き残っているだけで、あなたはすでに勝者への道を歩んでいる」と。

市場が熱狂している時は慎重に、悲観に暮れている時は冷静に。自分自身の弱さと向き合いながら、一歩ずつ進んでいきましょう。下半期も、共に市場という大海原を生き抜いていきましょう。

投資規律について
規律1.負けないように投資をする株式投資は勝ちに行こうとすればするほど、勝つことは難しいです。勝つということにこだわることは、リスクをとってリターンを得ることに重きを置いてしまい、損失が出た際に市場に残ることができないかもしれません。勝つこ...

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