【高配当株投資】アステラス製薬を「追加投資」の検討理由。業績上方修正と特大和解で、特許切れの崖を完全克服へ

製薬株

アステラス製薬の決算発表がありましたので記事にしています。

結論から申し上げますと、僕は今回の第3四半期(3Q)決算と直後に発表された特大ニュースを受けて、アステラス製薬への「追加投資」を考えています。もちろん、目先の株価の上下に一喜一憂しない「長期保有」が絶対の前提です。

なぜ今、アステラス製薬を買い増すべきなのか。その理由は「圧倒的な決算数値と上方修正」、「繰延税金資産の増加を伴う前向きな帳簿整理」、「絶妙なタイミングでの和解契約」、そして「飛躍的に高まる増配期待」にあります。少し長くなりますが、今後の投資判断の参考にしていただけるよう徹底的に解説していきます。

少しでも参考になれば幸いです。

1. 圧倒的な強さを見せつけた3Q決算:売上10%増、主力製品が爆発的成長

最初に、今回の決算の具体的な数値と、主力製品の状況から見ていきましょう。ここを紐解くだけで、現在のアステラス製薬がいかに強い状態にあるかが明確に分かります。

2025年度3Q累計(4-12月)の売上収益は1兆6,013億円となり、前年同期比で10.2%(+1,483億円)という素晴らしい二桁増加を達成しました。
さらに驚くべきは本業の儲けを示す「コア営業利益」で、前年同期比でなんと48.6%増(+1,445億円)の4,421億円へと劇的に増加しています。
また、フルベースの営業利益も3,339億円(前年同期比+3,564億円)と、大幅な増加を果たしています。
今まではM&Aなど減損、のれんの償却費など費用がかかっていてコアの利益はとてもよくは見えていましたがフルベースではあまりふるわなかったことが多かったので今回の決算の内容はとても見栄えの良い数値になったと思います。

これほどまでに業績が上がった最大の原因は、間違いなく「重点戦略製品」の力強い伸びにあります。これら重点戦略製品の売上合計は前年同期比で45%増(+1,093億円)と爆発的な成長を見せました。具体的な主力製品の状況は以下の通りです。

  • パドセブ(抗がん剤): 米国等での好調なトレンドが牽引し、期待を上回る進捗で前年同期比39%増の1,626億円を叩き出しました。
  • ビロイ(胃がん治療薬): 高い検査率と低い治療中止率を背景に、前年同期比で2倍以上(100%超増)となる461億円を記録し、期待を大きく上回っています。
  • ベオーザ(更年期障害治療薬): 1月に新たな保険カバレッジが開始し、民間保険カバレッジが約80%まで拡大した恩恵を受け、前年同期比44%増の352億円となりました。
  • アイザーヴェイ(眼科治療薬): 新規患者数の増加により前四半期比で二桁成長が継続し、前年同期比26%増の558億円です。
  • イクスタンジ(前立腺がん治療薬): 大黒柱も健在であり、グローバル全体で引き続き物量が拡大し、前年同期比4%増の7,322億円と期待を上回る進捗を見せています。

このように主力製品が軒並み絶好調であることに加え、SMT(持続的な利益率向上)の取り組みを通じた徹底的な費用管理によって販管費率が改善(前年同期比-2.7ppt)したことが、コア営業利益の爆発的な増加に直結しました。

この好調なモメンタムを受け、
アステラス製薬は通期の売上収益を2兆1,000億円(前回予想から+700億円の上方修正)、
コア営業利益を5,200億円(同+300億円)、
フルベースの営業利益を3,400億円(同+1,000億円)へと「再度の上方修正」を発表しています。以前の下方修正に下方修正を重ねていた時とは違い上方修正に上方修正に重ねているのはとても気持ちが良いですね。1Qあたりにワーストのシナリオで数値を組んでいたとあったので、どれだけ数値を保守的に見積もっていたかがわかります。

2. 決算の内容について読む:大規模な帳簿修正と「繰延税金資産の増加」が意味するもの

前述の通り素晴らしい売上の伸びを見せた今回の決算ですが、実はその裏でかなり大規模な無形資産の減損テストや費用の見直しなどが行われていました。

「2026年2月時点で減損の兆候はありません」とはっきりと注釈が入れられており 、大規模な減損が今すぐ発生するリスクは低いと経営陣が判断していることが読み取れます。

そして、今回の決算でもう一つとても興味深い点がありました。それが「繰延税金資産の大幅な増加」です。

会計の専門用語になりますが、繰延税金資産とは簡単に言えば「払いすぎた税金(将来、税金を安くする効果のある資産)」のことです。
重要なのは、企業は「将来、確実に十分な黒字(課税所得)を出せる」という強い合理的な見通しがない限り、この繰延税金資産を大きく計上することはできないという会計上の厳格なルールがある点です。以下はアステラス製薬の繰り延べ税金資産の過去の推移です。

年度繰延税金資産本業の状況と会計の動き
2018年507イクスタンジが絶好調。利益が安定しており、割引券も適正水準。
2019年551次の成長に向けた研究開発投資(R&D)を強化。
2020年456一時的な税務処理等で減少するも、依然として400億円台を維持。
2021年527買収や開発が加速し、将来の節税効果(資産)を積み増し開始。
2022年597遺伝子治療などの先端領域へ巨額投資。
2023年781【変化の兆し】 資産の増加ペースが上がる。
2024年981【確信へ】 減損損失を出しながらも、資産は1,000億円に迫る。
2025年(3Q)1,308【現在】 過去最高水準。前期末から約33%の急増。

つまり、アステラス製薬が今回、繰延税金資産を大きく増やして計上したということは、経営陣が「我々は将来、確実に大きな利益を叩き出せる」と強力な自信を持っていることの裏返しなのです。徹底した帳簿修正で将来の悪材料を出し尽くし、同時に繰延税金資産の計上で純利益を押し上げる。
もしこれらがパズルのように一個一個組み合わさればなかなか素晴らしい結果になると僕は考えています。といってもあくまで楽観的な考えですので、将来どうなるかわかりませんので注意が必要です。

3. 決算直後のサプライズ!Lupin・Zydusとの「特大和解契約」

僕が追加投資をより考えた最大の理由が、決算発表が終わった翌週・翌々週という絶妙なタイミングで発表されたニュースです。
アステラス製薬は、後発医薬品(ジェネリック)メーカーであるLupin(ルピン)およびZydus(ザイダス)との間で抱えていた特許侵害訴訟において、劇的な和解契約を締結しました。

ニュースリリースによれば、LupinおよびZydusそれぞれとの和解契約に基づき、アステラス製薬は訴訟解決のため、両社合計で6,000万米ドルを受領します。さらに、両社から総額1億5,000万米ドルの一時金ライセンス料を受領するとともに、両社が米国内で販売する対象製品1単位当たりのライセンス料を受領します。

一時金だけでも合計2億1,000万米ドルです。現在の為替レートで計算すれば、なんと約315億円もの莫大なキャッシュが、アステラス製薬の口座に一撃で転がり込んでくることになります。

さらに見逃せないのが、後半部分の「米国内で販売する対象製品1単位当たりのライセンス料を受領する」という点です。一時金という「フロー(単発)」の収入だけでなく、米国という世界最大の医薬品市場において、相手企業が製品を売れば売るほどチャリンチャリンとアステラスにお金が入ってくる「ストック(継続)」の権利までもぎ取ったのです。

決算発表で帳簿を綺麗にした直後に、この数百億円規模のキャッシュインと将来の継続収入を発表する。この鮮やかな一連の流れを見ると、アステラス製薬の経営陣が緻密な戦略のもとに経営を進めており、業績のさらなる拡大に向けた強力な布石を打っていることが分かります。

4. 最大の懸念「エクスタンディの特許切れ(パテントクリフ)」は防ぎきれるか?

アステラス製薬に投資する上で、市場がこれまで最も懸念してきた最大のリスクについて触れておきましょう。それが、同社の屋台骨である「エクスタンディ」の特許切れ、いわゆるパテントクリフ(特許の崖)問題です。

エクスタンディは年間7,000億円以上を稼ぎ出す超大型主力製品ですが、2027年頃に向けて米国などで特許満了を迎えます。特許が切れれば安価なジェネリック医薬品が市場になだれ込み、売上が激減するのは製薬企業の宿命です。「エクスタンディの特許が切れたら、アステラスの配当は維持できないのではないか?」——そんな恐怖から、株価は長らく上値が重い展開が続いていました。

しかし、今回の和解契約の発表を見て、僕は思いました。
「この強固なキャッシュインフローの仕組みがあれば、エクスタンディの特許切れという最大の危機であっても、十分に防ぎきれる」のではないかなと。

確かに、数年後にエクスタンディの売上が落ち込むことは避けられないでしょう。しかし、今回LupinおよびZydusから得られる巨額の一時金(約315億円)と、それに続く米国での継続的な販売ロイヤルティ収入が、減収のダメージを見事に相殺・吸収する強力なクッションとして機能します。

さらに冒頭で見た通り、アステラス製薬は次世代の成長ドライバーの育成を急ピッチで進めています。パドセブ、ビロイ、ベオーザ、アイザーヴェイといった新薬群が、すでに爆発的なスピードで売上を伸ばしています。

つまり、今回の和解契約によるキャッシュフローの創出は、特許切れの問題を薄めてくれる出にはないかと思います。

5. 「増配」の確度が飛躍的に高まっている理由

自分がアステラス製薬に投資をしたのは配当の持続性と増配の可能性があるからです。

アステラス製薬は、これまでもDOE(株主資本配当率)を意識した安定的な配当政策を掲げており、株主還元に積極的な姿勢を見せてきました。しかし、特許切れの懸念から「本当に配当を維持できるのか?」と疑心暗鬼になっていた投資家も少なくありませんでした。

ですが、ここまでの解説から今の状況がいかに「増配」に向けて視界良好であるかがお分かりいただけると思います。

  1. 主力製品の爆発的成長による本業の儲け(コア営業利益)の大幅な増加
  2. 繰延税金資産の計上による「純利益」の押し上げ効果
  3. 帳簿のクリーンアップによる「将来の減益リスク」の排除
  4. LupinおよびZydusからの「数百億円規模の一時金キャッシュイン」
  5. 米国内での継続的な「ロイヤルティ(ライセンス料)収入」の確保

これだけの好材料が揃えば、経営陣が株主還元を強化しない理由がありません。
純利益が押し上げられ、キャッシュフローが潤沢になれば、当然ながら配当の原資は分厚くなります。私は、今回の業績上方修正と特大の和解契約を背景に、さらなる「増配」のアナウンスが飛び出す確度が極めて高まっていると読んでいます。

ただ質疑応答から毎度のことですが、一気に増配をするとは考えていないと岡村CEOと北村CFOは述べています。毎回アナリストから配当について聞かれていますが、同じ答えで中長期的に安定的に増配していくとあるので、今回大幅な増益とはなっていくとは思いますが増配もそこまで大きくはないと僕はみています。その代わりに自社株買いはあるのかもしれません。

6. まとめ:ブレずに「長期保有」で追加投資を実行を検討

株式投資の世界において、不確実性(リスク)は常に株価を押し下げます。アステラス製薬も「特許切れ」という不確実性に怯えた売りによって、魅力的な配当利回りが放置される場面がありました。

しかし、今回の第3四半期決算が示した圧倒的な数字と上方修正、そしてLupinおよびZydusとの大型和解は、その不確実性を覆し、確実な成長とキャッシュを生み出すしています。繰延税金資産の大幅な計上という強気の会計処理は、将来の業績への絶対的な自信の表れでもあります。
アステラス製薬はさらに中期経営計画が今年の中盤当たり発表予定となっています。
そこでどう方向性を向けていくかがなかなか楽しみでもあります。

僕は、目先の数円、数十円の株価の動きには一切興味がありません。
圧倒的な売上成長とキャッシュフローの裏付けで、増配の確度が高まった今だからこそ、僕はアステラス製薬への追加投資を前向けに考えています。確かに自分が保有している時より株価が上がってしまい、配当利回りも3%前半とそこまで魅力的に映りませんが長期保有で今後も保有し続けていくというのであれば平均取得単価は上がってしまいますが、含み益を考慮すると追加投資をしても負けにくい投資になると思います。株価が上がったら資産が増えますし、株価が下がっても追加で投資をするだけですのでそうすれば株数も増えて配当金も増えて増配もしてというどちらに転んでも自分には良いと思います。

自分の考えたストーリー展開ですので、あくまで楽観的に考えています。

そして、手に入れた株は決して手放さず、金の卵を産む鶏として「長期保有」を貫くつもりです。

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