大塚ホールディングス【4578】の投資判断を考える。ディフェンシブ銘柄で優良株、業績は問題ないか。

★★購入は待ったほうが良い

「大塚ホールディングス【4578】へこれから投資をしようか考えている」
「大塚ホールディングス【4578】の株価、業績や株主還元について知りたい」

この記事はそのような方へ向けて書いています。

本日もご覧いただきありがとうございます。

今回は大塚ホールディングス【4578】についての投資判断を考えてみたいと思います。


製薬株の中でもディフェンシブの銘柄で株価も変動が大きくなく安定的に配当を還元しています。
現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。


この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。

大塚ホールディングス【4578】とは

大塚ホールディングス株式会社は大塚製薬株式会社を子会社に持つ持株会社です。

ニュートラシューティカルズ(ニュートリション<栄養>とファーマシューティカル<医薬品>を掛け合わせた造語)関連事業として、健康維持、増進を目的とした機能性飲料・食品の事業を行っています。

大塚製薬の機能性飲料と食品では
「オロナミンCドリンク」、「ポカリスエット」、「ファイブミニ」といった機能性飲料や
「カロリーメイト」、「SOYJOY」などの機能性食品などが商品としてあります。

業績について

EPS

epsには2010年から2014年まで上昇していましたが、2015年度から2018年まで横ばいで推移しています。
2019年度には大きく上昇しました。グローバル4製品(エビリファイメンテナ、レキサルティ、サムスカ/ジンアーク、ロンサーフ)が売上収益に貢献しました。しかし、主要ブランド(ポカリスエット、ネイチャーメイド、N&S製品)は減少しています。

2018年度は一見下がっているようですが前年比が米国を中心の実効税率減少の影響で+300億円を含んでいるので前年と同じ程度の利益です。

2020年度はグローバル4製品が(エビリファイメンテナ、レキサルティ、サムスカ/ジンアーク、ロンサーフ)14.5%増収していて、コロナ渦でも牽引していました。
中でもジンアークの売上が大きく伸びました。
ジンアークは抗利尿ホルモンであるバソプレシンの働きを抑制して、水のみを体外へ排泄する作用を持つ水利尿剤です。
2018年4月にアメリカで承認されてから市場に浸透しているようです。

2021年度が減少しているのは一過性の要因によるものです。
イーケプラ、スプリセルの共同販売契約終了や、和解金などの一過性によるものでEPSは減少しています。
eps成長率は5年単位では12.7%、10年単位では4.2%ですので、eps成長率はまずまず伸びています。

売上高、営業キャッシュフローマージン、当期純利益

売上高は2010年から2014年では少しずつ上昇しました。
2016年度に大きく減少した理由は抗精神病薬「エビリファイ」のグローバルでの売上が、欧米での独占販売期間終了と、日本の薬価改定において市場拡大再算定の適用を受けた影響により前期比で減少したものです。
しかし、その後2016年度以降少しずつ回復していき2021年度では2014年度と同程度となっていて好調です。主な要因としてはブロックバスターであるグローバル4製品が(エビリファイメンテナ、レキサルティ、サムスカ/ジンアーク、ロンサーフ)が売上増加をけん引しています。

今後の売上もグローバル4製品が大塚ホールディングスの成長のカギとなります。

営業キャッシュフローマージンは10~15%と稼ぎ出せています。2017年度は8%とあまり稼ぎ出せていませんが、2019年度以降15%以上と高水準となっています。今後も営業キャッシュフローマージンは高水準で推移していくと推察されます。


キャッシュフローについて

キャッシュフローについてですが、営業キャッシュフローは横ばいの傾向です。安定という点で良いですね。

投資キャッシュフローも一定額行っていますが、2015年に大きく投資キャッシュフローがマイナスになっています。理由は米国のバイオベンチャー、アバニア・ファーマシューティカルズを買収したためです。アバニアは、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの「神経疾患領域」に注力しています。

財務キャッシュフローも投資キャッシュフローと同様に一定額行っています。
2015年度はアバニアを子会社化するために借入を行っています。2015年度には自己資本比率が73%から65%とかなり下がってしまいましたが、翌年以降余裕をもって返済をして財務も改善しています。

フリーキャッシュフローに関しては2010年から2016年にかけて芳しくありませんでした。
しかし、2017年以降は業績が安定してきていて上手くキャッシュを創出できているようです。
業績の好調さがキャッシュフローを上手く循環させているようです。

財務健全性について

自己資本比率はとても良好で60%以上と高い水準です。安心して長期保有することができそうです。
財務健全性が高いので、製薬株はディフェンシブ銘柄として素晴らしいです。
製薬株はやはり良いですね。

株主還元について

配当について

大塚ホールディングスの配当利回りは2.03%(7/15現在)です。
配当は2013年から2016年にかけて増配していましたが、2016年頃以降100円と一定に株主還元をしています。増配をしていなくてとても残念な点です。増配をすると業績から厳しいのか、それとも株主に還元するよりも自分で資本を成長に充てるという考えなのかはわかりません。後者だとしても、成長してくれれば増配しなくても問題はないと思います。

配当性向について

配当性向に関しては35%~65%のレンジです。
案外高い水準ですので増配もできないのも納得ができるかと思います。
今後も増配は期待しないほうが良いかもしれません。

自社株買いについて

自社株買いは毎年100万ほど行っていますが、そこまで行っていません。2013年と2014年に
大きく行われましたがそれ以降ないです。増配はしなくてもいいので、自社株買いにもっと積極的になってくれたらありがたいですね。

株価について

現在株価は4,928円(7/13)となっています。
過去5年間で2.86%上昇しています。
過去5年間であまり上昇はしていないですね。上昇はしてはいませんが下がってもいないのでヨコヨコな状態です。上下があまりないので、低金利の預金よりかは配当を出して、株主優待を貰えるこっちのほうが良いですね。
現在のPBRは1.29倍で、perは18.23倍と過去per10年間で算出すると19倍ですので過去と比較すると少し安い水準です。

僕の投資判断としては、買いの検討を見送りたいと思います。
製薬株のディフェンシブ銘柄として長期に持つにはとても良いと思います。
しかし、配当性向が高いので増配が難しいのと利回りが低いのでそこまで旨味がないなというのが感想です。ROEも8%以下と他社の製薬株と比較して思ったほど高くはなく、自己資本を上手く活用できていないのかなと思いました。
株価も高い水準で100株購入で50万円近いお金を投資してしまうので、ポートフォリオに組み入れるにしても効率性が下がるなと思います。

しかし、ディフェンシブに投資をするとなれば、株価の上下の変動が大きくないので組み入れることで
他の景気敏感株を入れている人であれば大塚ホールディングスを入れてポートフォリオ全体の変動率を下げるということも視野に入れてもいいと思います。
コロナの影響で全体的に下がったときも3200円程度の株価の水準になった程度でしたので、
リスクを抑えるという点では大塚ホールディングスに投資するのは悪くない投資だと思います。
僕が年金生活をするようになったら購入してもよいのかなと。

狙える水準は株価3000円ほどです。
あまり旨味はないので、製薬株に投資をするなら今の段階ならアステラス製薬にコツコツと投資をしたほうが良いのかなと思っています。

まとめ

大塚ホールディングスの投資判断について考えてみました。
優良株で株価もそこまで乱高下せず、長期保有で安心して持つことができる株です。
ただ、僕の場合は購入を見送りたいと思います。
利回りが低いのと、増配もそこまで期待できない、期待収益率が低いのと、成長もあるのかといえばそこまでない、など魅力的には思えませんでした。

大塚ホールディングス【4578】株価が大幅下落。2022年決算業績から投資可能か考えてみる。
大塚ホールディングスはトータルヘルス企業で、日本人なら馴染みがあるポカリスエットやカロリーメイト、オロナミンCなどを商品として取り扱っています。自己資本比率は70%台でとても財務基盤が強く、フリーキャッシュフローが潤沢でとても僕好みの銘柄で...

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