昨日SUMCO【3436】の分析をしていて、配当利回りが良くて株価もそこまで上がってないので投資先として良いいのではないかと思っていました。
業績の分析をしていてなかなかよい投資先と思っていましたが、上級者でないと扱えないなと思いました。
ただ、半導体株は成長産業ですので面白い投資先です。
SUMCO【3436】の投資をするべきか考えてみたいと思います。
半導体株の投資の難しさについて
SUMCO【3436】の株価がなぜ上がっていないのか気になりました。信越化学をみていると株価が上昇しています。SUMCOがなぜ株価が上昇していないか調べてみたら、過去に何度か増資を行っていることや、減配を何度か行っていることが主な要因なのかなと思います。SUMCOの投資キャッシュフローを見てみると確かに、投資キャッシュフローが多くなっている場面があります。2021年に増資を行っていて、財務キャッシュフローがプラスになっています。需要がある300ミリ半導体用のシリコンウエハー工場を新設したためとあります。
半導体は設備投資でお金が多く負担となります。世界最大手の台湾TSMCの半導体工場は約9,800億円です。SUMCOが増資を行ってシリコンウエハー工場を新設する金額は約3,400億円です。2021年の営業キャッシュフローは1,047億円です。営業キャッシュフローで賄えないので、現金と公募増資で賄うようです。SUMCOによると市場の成長に合わせた増産を行っていたが、既存の設備では需要が追いつかない状況になっているため大規模な投資を行っています。
設備投資額は年々上昇してきていますが、売上は確かに順調に成長していますね。ただ、2007年頃の売上がとても良かった半面、2013年頃には売上が半分以下になっています。半導体設備工場を建設するにも時間とお金をがかかります。すぐに売上に直結するわけでもないようです。
調べてみると半導体製造工場に関しては、工場の新設から生産まで2~3年かかり、生産から出荷で製品になるまでさらに時間がかかるようです。
SUMCOの過去の営業キャッシュフローを見てみると、2011年から2016年にかけて横ばいの状態です。2008年、2009年と立て続けに投資キャッシュフローが大きくマイナスになって設備投資が増えたからといっても、すぐに直結してくわけではないです。
また、半導体は景気に左右されやすいものでもあります。景気が好調なら良いですが、不景気になると半導体の需要が減り供給も止まり、さらにその供給不足が景気後退にさらに影響を及ぼします。
シリコンサイクルという言葉もあります。半導体業界の景気循環です。シリコンサイクルは約四年周期で好況と不況を繰り返します。
好景気に半導体の発注が集中して需要が多く供給が不足して、不景気には需要がなくなっていき、供給過剰になるものです。
大幅に設備投資をしても、タイミング悪く景気が後退して需要がないのに設備を維持するのは難しいです。
昔日本製鉄も半導体事業に参入していた時期もありましたが、結局失敗して事業から撤退を余儀をせざるを得ず、鉄の事業に集中しています。僕は驚きました。日本製鉄が半導体事業に参入していたとは思いませんでした。半導体事業で日本の企業はどんどん遅れをとり、アメリカや中国などに抜かれていきました。半導体事業は変化が著しいだけでなく、本当に強い企業でも生き残れるのがわずかで、生き残っても5年後、10年後も生き残るとは確実とは言えないです。他社に負けないように資金を大きく投じていく必要があるだけでなく、時間も大きくかかり、体力勝負で強固な財務基盤があって、営業利益も高い企業がないと生き残ることは難しいです。SUMCOは株価上昇余地がありますが、今後の景気に関して仮に景気後退となり業績にマイナスになった場合に業績にどれくらいのインパクトがあるのかがかなり不安な要素です。
半導体株が取り上げられる機会が多くなった今がもしかしたらピークなのかもしれないです。以前はグロース株が人気だったときに本屋では成長株に関しての内容の本が多かったです。しかし、いまでは見る影もなく、高配当株などのバリュー株が人気で本屋にも多く見られています。
高配当株も今がもしかしたらピークなのかもしれないです。半導体の本もよく見られて、色々な人は半導体はここからさらに成長していき、AIやスマホやハイテク機器などのデジタル品に必要不可欠な資源で、半導体株は大きく成長してくと楽観視しているムードがあります。
僕は以前から疑問だったのですが、chat gptについて周りの人がすごい、すごいと言っているのを見て、何がすごいのかと聞くと大体の人が世界が大きく変わると答えます。
世界の何が大きく変わるのかと尋ねると、わからないとにかくすごいんだと答えます。
周りの声がchat gptがすごいという声は最近は聞かなくなりました。人は理解できないものに対して、インフルエンサーの影響を受けて、同調して考えて、当然のことと受け入れます。人は何かに熱狂するとそれが人に伝わり、伝わった内容がまたさらに違う人に伝わり、熱狂の渦を生み出します。
前に、鬼滅の刃がブームになった時に、面白い映画だと思いますが、そんなに本当に面白いか?過大に評価されてないかと常々思っていました。周りの人に鬼滅の刃ってそんなに面白いですか?ということを言うと、周りに白い目で見られそうだったのでいうのは控えましたが、鬼滅の刃のブームも熱がさらに熱を帯びて他に伝わって、考えることを麻痺させて、周りの意見が当然のことなんだと思わせた出来事だったのではないかと色々な人を観察して思いました。
話は逸れたのですが、何を言いたかったのかというと、半導体株も同じように熱狂している人がいて、さらに他の人に熱狂が伝わり、みんなの意見が当たり前の答えのようにとらえられているのではないかと考えています。インターネットバブルの時にも、IT企業であれば未来を楽観視して、成長していくと見込んで投資をして失敗した人が多くいます。
今から半導体株が株価が大幅に上昇していく可能性があります。しかし、それは誰にもわかりません。
周りを注意深く観察して、周りの意見がバラ色になったのであれば、それは極めて危険なシグナルだと思います。周りの意見が、消極的で、買いを控えているのであれば買いだと思います。
SUMCOに戻りますが、株価が上昇していない理由として過去に何度か増資を行っていることや、減配を何度か行っていることがありますが、大多数の人がそのように思っているので、株価は上がっていません。他の人が投資をしていないからこそ、SUMCOに投資をしていくのもありなのかなと思います。
以前は銀行株は低金利で収益が頭打ちだとか、斜陽産業だとか言われて株価も低迷していました。
しかし、今では株価も大幅に上昇しています。今ある当然の事実が本当に正しいのかと考えることは投資をすることにおいてとても大事な要素だと思います。みんなが当然のことを思っていることを、それは間違っていると少数派の意見を貫き通すのは孤独ですし、とても勇気がいりますし、自分に意見が正しいか不安になる場合もあります。
人と違う行動をとることでリターンも向上していくと最近では確信しています。
SUMCOに投資をするのはかなり難易度が高いです。半導体についても勉強していく必要がありますし、景気後退時に忍耐強く保有できるかもカギになっていきます。
それでも、株価が上昇していない点やまだまだ株価上昇余力はあります。
だから、半導体株には安易に手を出すべきではないと判断しています。
でも、半導体株に投資を挑戦して失敗を経験することは他の投資に活きてくるのではないかと考えています。失敗から学ぶことが多くあります。失敗が経験値に繋がり、反省して、成長に繋がります。
コメント