「中国電力【9504】へこれから投資をしようか考えている」
「中国電力【9504】の株価、業績や株主還元について知りたい」
この記事はそのような方へ向けて書いています。
本日もご覧いただきありがとうございます。
今回は中国電力【9504】についての投資判断を考えてみたいと思います。
電力株の中で配当利回りが高かったのですが、業績が芳しくなく遂に無配にすると9月13日に発表がありました。中国電力がなぜ無配になったか、無配に陥る兆候があったかを調べてみたいと思います。
この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。
業績について
EPS、売上高、営業キャッシュフローマージン、ROE
EPS
epsは赤字の年が何度も目立っています。2011年度から2014年度にかけて、事業の赤字が目立ち苦戦しています。
主因としては2011年 3 月 11 日に発生した東日本大震災に伴う津波被害で,島根原子力発電所 1,2 号機における緊急安全対策と島根原子力発電所 3 号機,1,2 号機と同様に安全対策を講じて建設していて、原子力発電工事償却準備金の引当を行った影響でepsも下落しています。
2015年以降回復していますが、下降傾向にあります。2022年度には営業収益が大幅に下がったことや
燃料価格の高騰の影響で大幅にepsは下落しました。
売上高
売上高は全体的に横ばいの傾向です。
電力株はディフェンシブ銘柄と評価されていて、景気に左右されず売上も一定程度確保できます。
電気を急に辞めるといっても、切り替える先は選択肢がほとんどないので大手の電力会社になります。そのため、売上も急激に伸びない代わりに減りもしないようになっています。
2022年度は売上が過去と比較しても下がってしまっています。
決算短信をみると「収益認識に関する会計基準」等の適用により、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る収益の計上方法が変更となったことなどで下がっているとのことです。
営業キャッシュフローマージン
営業キャッシュフローマージンは2007年から2012年まで高い水準を保っていましたが、少しずつ営業キャッシュフローマージンが低くなり10%以下の場面が何度かあります。
8%でも高い水準ですが、電力株に総じて言えるのが設備投資に必要なので収益率も高くないと維持することが難しいのと借入返済で自分の首を苦しめることになります。
ROE
ROEは全体的に見て低い水準です。3%から5%で推移していて、波があり一定ではないようです。
もう少し安定感が欲しい所です。
キャッシュフローについて
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは2007年から2012年まで良好でしたが、2013年以降営業キャッシュフローは悪化しているのと安定はしていません。投資キャッシュフローに大きく投資しているにも関わらず営業キャッシュフローが改善されていないので、現状維持費として設備投資を行っていると考えられます。
今後も営業キャッシュフローは改善されても厳しい状態が続くと予想されます。
投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローに大きくキャッシュが使用されています。
営業キャッシュにかかわらず毎年一定額行われているので、維持費としてキャッシュが流れているようです。
毎年投資を一定額行うとしても、電力会社はとてつもなく設備資金を投じる必要があるビジネスなようです。
近い将来、NTT、KDDI、softbankも設備投資が多いので同様なことが起こっても不思議ではないかもしれません。ここ最近株価は好調ですが、NTTの株価が低迷していた時期がありました。
遠くはない将来に、電力株と同様なことがあってもおかしくはないと考えることもできます。
未来のことは誰もわかりませんが、世の中何が起こるかわからないので絶対に安心な投資先だという気持ちで投資先に未来を描くのは良くないことだけはわかりました。
財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローは何度かプラスになる年がありました。
2015年度、2019年度に大幅にプラスになったのは、資金調達の為に社債の発行と借入を行ったためです。2022年度には事業が苦しくなって借入を行い、大幅に財務キャッシュフローがプラスになっています。財務を改善しようと返済を行い財務体質を改善しようと試みようとしていますがそれ以上に、事業の悪化と設備投資の維持費等が足かせとなり、事業が厳しい状態です。
フリーキャッシュフローに関してはマイナスな状況が多く続いています。
キャッシュを垂れ流していて、出血して治療してもすぐにどこかから出血する危険な状態といえます。
財務健全性について
自己資本比率
自己資本比率は低く財務健全性はあまり良くありません。そして2022年度には17%と過去と比較してもとても財務が悪化しています。
自己資本比率が低い会社で、財務があまり芳しくないと事業が厳しい時により窮地に追い込まれてキャッシュが回らなくなってしまいます。
株主還元について
配当
中国電力の配当利回りは0%(9/13現在)です。
9月13日の配当を無配にすると発表しました。
配当は2013年、2014年に赤字でも配当を出し続けていましたが2022年度に40円に減配して、さらに2023年に無配になりました。
過去最大の赤字で今後の動向も分からないので配当は出すのが厳しいので無配になりました。
配当性向
配当性向に関しては何度か100%を超えるタイミングがありました。
2013年、2014年の赤字でも配当を出し続けて、意地でも配当をすると意思を感じられました。
しかし、配当を還元するのに無理してしまい、結局無配になってしまいました。
減配をする会社でないかを調べるために配当性向が高くないか、配当性向が年度ごとに高くなっていないか、無理して株主還元していないかなど過去の推移からチェックする必要があります。
株価について、投資判断について
株価
現在株価は772円(9/16)となっています。
過去5年間で38.54%下落しています。
現在のPBRは0.52倍で、perは赤字なので測定できませんでした。
全体的に株価が下落傾向ですが、無配の発表を受けてどれくらい下がるのか、ダウ平均も大幅安が重なり日経平均もつられて下げると思いますのでダブルパンチを食らう可能性があります。
総合的分析
電力会社に荒々しい逆風が吹き今後の事業は依然として厳しさから、事業の低迷は必須だと考えられます。電力会社を救済のため国が何か策を講じるかもしれませんが、そこまで楽観視はできません。
電力株は個人投資家に配当利回りが高く、事業が安定的でディフェンシブ銘柄として人気でした。
高配当投資家として、過去の考え方に対して疑いをもって考え行動に移さないといけません。
事業が安定的でディフェンシブ銘柄だからいって、それは保証できるものかを考えたりする必要があります。
今ある事実に対して疑問を投げかけることが肝であると、その疑問を投げた事実は付加価値を生む要素を含んでいます。
1次的に考えるのではなく、2次的に考える癖をつけなければ市場では生きていけない、投資家として情報のアップデートと環境に適応できるよう自分自身も成長しないといけません。
減配、無配の会社の特徴
- 過去に何度か配当性向が高くなり100%を超えてもなお、無理して株主還元を行っていた
- とにかく設備投資が多い、維持費が高くつく
- 自己資本比率が低く、借入の返済もなんとかできている
- フリーキャッシュフローがマイナスな年が多い
まとめ
中国電力の株式分析を行いました。
高配当で割安だからといって、すぐに手を出すことは自分の資産を危険にさらすこととなります。
投資家として分析力を高め、自分がわからないものには手をださないことの大事さを学びました。
ビットコインなどの暗号資産、すぐ儲かるという儲け話から投資をするのは、自分の周りだけなく大切な家族や未来の自分を危険にさらしてしまいます。
最近では投資が20代ぐらいの若い人にも浸透しつつあり、とても喜ばしいことだと感じています。
しかし、まだ投資を始めて間もない人に儲け話を持っていき、詐欺を行って投資家としての若い芽を奪う行為に対してひどく憤りを覚えています。
自分の大切な未来と大切な人を守るためにも自己規律をし、リスクをコントロールして、常に学び続け、質素に生活し、毎日がくることにありがたみを感じ、足るを知る生活をしていなかなければなりません。
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