東北電力【9506】への投資判断を考える。無配になってしまったが、投資対象になるか?

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「東北電力【9506】へこれから投資をしようか考えている」
「東北電力【9506】の株価、業績や株主還元について知りたい」

この記事はそのような方へ向けて書いています。

本日もご覧いただきありがとうございます。

今回は東北電力【9506】についての投資判断を考えてみたいと思います。


電力株は全体的に業績があまり芳しくなく株価も低迷しています。
東北電力は高配当でしたが、2022年1Qの決算で無配の発表をしてしまいました。
現在の株価から投資をできるかを業績やキャッシュフロー、株主還元から総合的に判断したいと思います。


この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。

業績について

EPS

epsは赤字の時が何年間散見されて、あまり安定的ではありません。
2008年度から2013年度まで業績が著しく悪い状態でした。
2009年度は燃料価格の高騰などにより燃料費や購入電力料が増加したことなどが要因で赤字になりました。また、自己資本比率も低く債務も多く抱えているので、支払利息が多くなりさらに業績が悪くなってしまっています。
2012年度は2011年に起きた東日本大震災により女川、東通両原子力発電所が停止していて、石炭火力発電所、水力発電所の被災で大きく費用が発生し特別損失も発生しました。

2014年度から少しずつ回復していき2020年まで黒字になり軌道に乗り始めていましたが、
2021年度から雲行きが怪しくなり、2022年度、2023年度には赤字になっています。

2016年度のEPSが大きく伸びた要因は燃料価格の低下で燃料費が大幅に減少,経費全般の効率化の実施などにより大きく伸びました。

2022年度にepsの赤字になった経緯は燃料価格の高騰、卸電力取引市場の価格上昇、昨年
2月及び本年3月に発生した福島県沖を震源とする地震に伴う火力発電所の停止により、電力調達コストが増加したことなどが重なったためです。

売上高、営業キャッシュフローマージン、当期純利益

売上高は横ばいの傾向です。売上は電力会社は好景気不景気にかかわらず売上はそこまで急激には変わりません。電力株の良いところはディフェンシブなところですので、売上が安定していないと投資先としてさらに魅力が下がってしまいます。
2022年度も業績が悪化してもそこまで売上高には影響していません。
ただ、2022年度の売上は若干下がったのは「収益認識に関する会計基準」の適用による影響のためです。今後の売上の予想は急激には減りはしないものの、横ばいと新規電力会社の参入等の影響で少しずつ減少していくと考えられます。

営業キャッシュフローマージンは総合的に12%~18%と稼ぎ出せています。ただ、直近は稼ぎ出せておらず10%以下と苦戦しています。営業キャッシュフローマージンが高く稼ぎ出せいるにもかかわらず、epsもあまり稼ぎ出せていないのは債務の多さが足を引っ張っているのと自然災害の被災によるものが大きいです。

キャッシュフローについて

キャッシュフローについてですが、営業キャッシュフローは2012年度と2013年を除き横ばいで推移しています。少し波がある様ですが、安定期に推移しています。
しかし、2021年度と2022年度に関しては業績の悪化から改悪しています。
2021年度は新型コロナウイルス感染症による影響で小売や卸売の販売が減少、福島県沖地震による発電所の停止の調達費用、設備復旧に要する費用の増加などが営業キャッシュフローの減少に大きく寄与しました。2022年度は燃料価格の上昇により燃料購入支出が増加したことなどが営業キャッシュフロー減少につながりました。

投資キャッシュフローは毎年一定額行っていて、横ばいで推移しています。
固定資産の取得の為毎年投資キャッシュフローとして計上されています。

財務キャッシュフローは2012年と2013年度に大きくプラスになりました。
東北の震災の影響で長期借入金の増加の為プラスになりました。
2022年がプラスになった要因は業績の悪化で資金繰りの為、社債や長期借入金で資金調達したため財務キャッシュフローはプラスになりました。

フリーキャッシュフローに関しては2012年度と2013年を除き波がありますがなんとかプラスになっています。ただ、今後の業績はあまり明るくはないので業績の維持は難しいのではないかとの予想でフリーキャッシュフローもプラスになりにくくなると予想します。

財務健全性について

自己資本比率は芳しくありません。
全体的に12%~18%で推移しています。借入で債務が多いので自己資本比率が低いです。債務が多いと支払利息が多くなり、業績もマイナスに引っ張られてしまい事業も採算がとれません。
今後も業績が厳しいと債務が重荷になり業績が悪化してしまうリスクがあります。

株主還元について

東北電力の配当利回りは0%(8/16現在)です。
配当は2014年から2018年にかけて微増でしたが、2019年頃から40円で数年ほど一定でしたが
2022年に減配になってしまい、2023年には無配になってしまいました。

配当性向に関しては2014年から2017年までは25%以下と余裕がありました。
しかし、2018年以降42%と徐々に悪化していて2021年度には68%と高い水準です。
今後も厳しい事業環境で配当を出すことになっても、配当を増配や安定的に出すのは難しいと考えられます。

株価と投資判断について

現在株価は649円(8/16)となっています。
過去5年間で56.70%下落しています。
現在のPBRは0.48倍でかなりの割安水準です。


僕の投資判断では買いの検討はしないです。
理由は事業環境の厳しさと東北電力の業績の維持が難しい点です。

東北電力は自然災害の多い環境で事業を行っていて、突発的に多額の費用が発生してしまう恐れが多いです。
さらに費用の多さからどうしても借入で賄う必要が出てきてしまい債務が多くなりせっかく事業で利益が稼ぎ出せていても、支払利息の多さが足を引っ張ています。
そして業績の維持も難しくなり、固定資産の維持や新規取得などでさらに費用が積み重ねなり、借入を行い事業の悪化に繋がります。
負のループに陥っているように見えてしまい、負のループから脱出することは難しいと感じられます。


まとめ

東北電力の投資判断について考えてみました。

無配になってしまい、業績もなかなか厳しい局面になりました。
事業環境も厳しく、今後も業績が暗い未来しか見えないです。
投資先としては現在は考えていません。
長期で保有して配当を受け取るというのが僕の投資スタンスなので全く投資の対象外です。
配当が復配しても、厳しい事業環境で配当維持は厳しいでしょう。
今後も投資の対象にはならない可能性が高いです。

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