高配当株稲畑産業【8098】の投資判断について考える。業績は問題ないか?なぜ株価が上昇している?株主還元の方針は?

商社株

「稲畑産業【8098】へこれから投資をしようか考えている」
「稲畑産業【8098】の株価、業績や株主還元について知りたい」

この記事はそのような方へ向けて書いています。

本日もご覧いただきありがとうございます。

今回は稲畑産業【8098】についての投資判断を考えてみたいと思います。


専門商社株の中で配当利回りが高く最近では大幅増配を行って株価がとても好調です。
現在の株価、業績、キャッシュフロー、株主還元から投資をできるか総合的に判断したいと思います。


この記事を読んで少しでも役に立って投資収益が改善されるととても嬉しいです。

稲畑産業【8098】とは

稲畑産業は1890年に京都で稲畑染料店として発足し、その後ケミカル分野を中心に事業を拡大している専門商社です。
世界17カ国に約60拠点を展開しており、売上比率も50%以上が海外と国際的な企業です。

事業内容は4つに分類されています。

  • 情報電子
  • 化学品
  • 生活産業
  • 合成樹脂

業績について

EPS

epsには2007年から2010年まで下降していましたが、2011年度以降EPSは力強く上昇しています。
2018年は欧州子会社の太陽光発電関連事業の貸倒引当金の計上等でepsは下がってしまいました。
2019年では主力ビジネスの好調に推移したのと2018年に発生した太陽光発電関連事業の撤退に関する貸倒引当金の費用が発生しなかったため大きく伸びました。
2022年度には業績が好調で大きく上昇しました。注意しないといけないのは大幅にepsが上昇したのは
事業が好調なのはもちろんですが、それ以外で政策保有株式の削減のため特別利益として投資有価証券売却益が発生しています。そのため、epsも大きく上昇しています。2027年まで政策保有株式の削減を2021年末に対して80%削減するとのことから今後も特別利益として計上される予定です。


コロナやウクライナ情勢の影響は受けず業績も一貫しており、業績はとても良好です。
eps成長率は10年単位では7.8%、15年単位では11.2%ですので、eps成長率は伸びています。

売上高、当期純利益

売上高は2007年から2010年では下降していました。
2011年以降は同水準を維持しつつも少しずつ改善されています。
今後の売上高は急に伸びはしないで同水準で推移していくと予想されます。


当期純利益に関しては2007年~2010年にかけて売上同様下降気味でしたが2011年以降上昇し続けています。
利益率が改善されて事業が好調だと窺えます。
2022年度にはさらに業績が絶好調で利益は過去最高ととても良い結果を残しています。

主に業績が好調なのが合成樹脂事業です。
理由としては新型コロナの落ち込みからの回復と樹脂価格が上昇したため大きく増収したからです。


その他3つの事業、情報電子事業と化学品事業と生活事業に関しては堅調に推移していき合成樹脂事業が今後業績のキーポイントとなりそうです。

キャッシュフローについて

キャッシュフローについてですが、営業キャッシュフローは2007年から2014年まで波があり業績が安定していませんでした。しかし、2015年以降営業キャッシュフローが安定して改善しています。
2022年度がマイナスになったのは意外でした。業績が芳しく株主還元も手厚くしたので不思議に思いました。
調べたところ決算短信からみると売上債権の増加、棚卸資産の増減によるものです。
今後も棚卸資産が増加していないか注意しないといけません。
在庫が増えて資金繰りの悪化に繋がり借入を行う必要がでて財務の悪化につながりかねません。

投資キャッシュフローに思ったほどお金が流れていないようです。気になった点が2017年と2018年がプラスになったところです。主に投資有価証券の売却によるものです。

財務キャッシュフローは大きくキャッシュが使われているようです。
2019年度と2021年度を見てみると短期借入金の返済、長期借入金の返済が主なものとなります。
2022年度は財務キャッシュフローがプラスになっていますが短期借入金を借入したためです。

フリーキャッシュフローに関しては2007年から2014年にかけて安定しておらず不安定でした。
しかし、2015年以降は業績が安定してきていて上手くキャッシュを創出できているようです。

財務健全性について

自己資本比率はとても良好で、2018年以降改善されていてとても良いです。
2022年度に短期借入金の借り入れがあり少し心配でしたが自己資本比率は問題ない水準なようです。
商社は自己資本比率が低い会社が多い中で稲畑産業の自己資本比率が40%以上は財務基盤がとても良いです。

株主還元について

稲畑産業の配当利回りが5.10%(6/16現在)です。
配当は2013年から2018年にかけて微増でしたが、2019年頃から株主還元に力を入れ始め増配傾向にあり、2022年度には大幅に上昇しました。


稲畑産業の特徴として累進配当政策を実施しています
累進配当政策とは減配をせず現在の配当水準を維持しつづけ、増配するというものです。
こういう材料があると長期で安心して持ち続けることができるできます


配当性向に関しては20~30%で推移していますのでまだまだ増配の余力がありそうです。
総還元性向を50%を目指すとありましたので引き続き株主還元に力を入れていくと感じられました。

株価について

現在株価は2,256円(6/16)となっています。
過去5年間で54.052%上昇しています。
株主還元で大幅増配したところから株価が上昇しました。
現在のPBRは0.73倍で、perは6.25倍と過去per10年間で算出すると8倍ですので過去と比較すると安い水準です。

僕の投資判断としては、買いの検討を様子見したいと思います。
様子見の理由は現在の業績が樹脂価格高騰が寄与しているので今後の業績が同じように上手く行くかどうか予測ができないからです。さらに投資有価証券売却の特別利益があるので業績が好調とも見ることができます。


近年ではキャッシュフローが改善されて財務健全性もとても良好だと思います。
しかし業績が悪化した場合を考えたときに株価が下がると想像したときに今の水準では高いなと感じられます。
そういった場合に買い増しすることができるか想像すると僕だったらおそらく投げ売りしてしまうと思います。現在は様子見です。
狙える株価水準は1600~1800円だと思います。

まとめ

高配当株稲畑産業の投資判断について考えてみました。
高配当株で近年の業績はとても良いので、今後も業績が上昇していくと予想されます。
優良株であるので長期で保有して持つにはとても良いかと思います。
株価が高くなってきているので、少し待ってから投資することもありだと思いました。

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