オリックス【8591】2024年第2四半期決算が発表されました。決算の内容はどうか検証してみました。

リース株

オリックス【8591】2024年第2四半期決算が発表されましたので記事にします。
オリックスは株主優待があり個人投資家に人気な会社です。株主優待は2024年3月で廃止となりますが、黒字経営を50年ほど毎年黒字を出し続けているという素晴らしい会社です。

今回の決算の発表で進捗率が50%下回っているなどの要因で株価が6%ほど下落していました。
業績に何があったのか決算の内容を見ていきます

オリックス【8591】2024年第2四半期決算について簡単に解説していきます。

2024年第2四半期決算全体

営業収益は1兆3,597億円(前年同期比50億円減)となりました。
サービス収入、生命保険料収入、運用益が増加しましたが、一方で不動産売上高や商品の減少で前期比とかくして営業収益は微減となりました。
営業費用は1兆,1195億円(前年同比1%減)となりました。支払利息や一般管理費が増えましたが、商品と不動産売上の費用が減ったことにより営業費用は減少しました。四半期純利益は1,281億円(前年同期比5%増)となりました。

今回の決算では進捗率が38%とあまり芳しくありませんでした。前期と比較して営業収益は減少していますが、増益とはなっています。
今期の通期目標が3,300億円と思った以上に高い壁ですね。
説明資料によるとキャピタルゲインが下期中心であることが説明にありました。
上期では不動産が99億円とその他事業が137億円で200億円近くのキャピタルゲインです。下期から来期は不動産が200億円-300億円、事業投資が400-600億円、その他が400-600億円のキャピタルゲインを予想しています。

最低でも1,000億円のキャピタルゲイン、最高で1,500億円のキャピタルゲインを予想しているようです。今の進捗率があまりに芳しくないので2Qの段階で1,281億円ですので3Qで600億円ほど、4Qで600億円ほど2,000億円程にプラスキャピタルゲインで1,300億円以上必要です。大丈夫か?
結構厳しいですね。新規投資で、上期が不動産が1,000億円、事業投資2,000億円(東芝等)、その他2,000億円と結構新規投資を上期だけで行っています。下期でも同様に同程度の金額を投資の実行を予定しています。

ここ数年のオリックスは確かに過去と比べると投資キャッシュフローはマイナス幅が多くなっています。攻めの姿勢が見受けられます。営業キャッシュフローもそれと並行して過去と比較してみると伸ばしつつあります。直近ではコロナの影響などの外部環境を受けてepsは下降傾向です。

新規投資で今後もオリックスが事業を弥生会計のようにグレードアップさせて売却して儲けていく事業投資会社に変貌していっているようです。リース会社ではありますが薄まりつつあるんだなと思いました。まさに金融商社ですね。

今回の決算で生命保険料収入や運用益が業績に貢献しているところから考えると大手の保険会社の東京海上HDやMS&ADなど良い決算がもしかしたら出てくるかもしれないですね。

オリックスの今回の決算で空港コンセッション事業がコロナ後初の黒字化となっていました。また回復余地が大きいとあり、ようやくかという感じですね。

(オリックス決算説明資料引用)

あとは今期の目標値の進捗率が芳しくないのは借り入れコストの増加が要因としてあります。確かに図をみると資金調達コストは年々上昇してきています。支払利息が900億円と前年同期比で400億円程増えていますね。オリックスでさえ、調達コストでここまで増えているので他のリース会社は大丈夫か不安なところですが、みずほリースは以前分析したときにはそこまで高くないかなと思いました。
他のリース会社で三菱HCキャピタルはあまり詳しく見ていないので何とも言えないです、東京センチュリーはもしかしたら結構厳しいかもしれないですね。

以前リース会社の業績がとても芳しく、株価も上昇傾向にありましたが、一方でリース会社は先に借入をしてから資産を買いその資産を活用することで収益を上げていきます。借入コストが今後重荷になっていくのではないかと以前リース会社(または総合商社を分析した時-記憶がうろ覚えです)を分析したときに思っていましたが、早々に利益に影響を及ぼしていくとは思いませんでした。
注意点としては他の業種で海外比率が高く、自己資本比率が低い会社を保有している方は要チェックする必要があります。金融業に精通したオリックスだからこそ調達コストを抑えられています。

事業投資・コンセッション事業で97億円(前年同期比57億円増)と増益なっています。

オリックスは事業投資、コンセッション事業を行っています。
コンセッションとは空港や道路などの公共施設について施設の所有権を公的機関に残したまま、運営を民間事業が行うことです。

事業投資は前期に投資をした健康食品大手のDHCなどが利益に貢献しています。コンセッションに関しては、旅客数の回復で黒字化になっています。

オリックスは医療機器販売会社や製薬会社への出資等を通じてヘルスケア事業に注力していて、他のリース会社とは異なります。
ヘルスケア事業に出資しているのでDHCの子会社化は今後のヘルスケア事業の拡大していきオリックスの事業に貢献していくと思われます。DHCは新経営体制を構築してガバナンスやマーケティング、ITなどオリックスの優秀な社員が派遣され、より収益がでる会社に育っていくと考えられますので期待はできそうです。

投資判断について

オリックスの株価は決算発表で6.29%下落で2,630円となりました。配当利回りは3.57%です。PBR0.81倍です。けっこう下がりましたね。

たしかに進捗率は50%以下となっていて、悲観的にみられます。株価が下がっても、業績が何か危機的状況に陥っているわけでもないので、そこまで慌てる感じでもないかなという感じです。

株価がリーマンショック並みに下がったのであれば、慌てる必要がありますが、進捗率に達しないからと言ってすぐに投げ売りする内容でもなかったです。
逆にここから株価が下がって配当利回りが4%、4.5%までずるずる下がるのであれば購入したい気持ちがあります。今オリックスの含み益がある程度あるのであれば、そこまで売らなくてもいいんじゃないかなと僕は思います。今は決算の時期ですので、他の銘柄に目移りする気持ちもよくわかります。
自分が投資をしている会社があまり業績が良くなく株価が下がっているのに、他の人が投資をしている投資先の業績が良く株価も上昇、増配とかなったら目移りしたいと思うはずです。

決算発表のイベントって前から思ってたのですが、決算発表中の市場で人の感情が急激に浮き沈み激しくなって賭博場と化しているなと前から少し感じていました。例えると、大勢が参加するビンゴ大会で
ゴロゴロくじを主催者が引くたびに誰かが、ビンゴと言い良い商品を受け取り、自分はあともう少しでビンゴで抜けて商品を受け取るのにまだかまだかと感情が敏感になりドキドキします。
決算が発表されてある銘柄は大幅に下がり、ある銘柄は大幅に上がります。感情が落ち着かないです。

話は逸れましたが、オリックスに関しては現段階では決算がまずかったからと言って売るまでは考えていないです。オリックスよりもさらに良い会社があり、資金も余裕ができてきて投資をするのであれば可能性はあります。でも、最近ではオリックスの良さも感じてはいます。100株ぐらいであれば持っててもいいんじゃないかなと思います。追加で投資は今の株価と配当利回りでは考えられないですが、決算の内容も大事ですが、もっと大事なのは長期的に見て投資先の会社が成長しているのかどうかが重要だと思います。

オリックスの今期の業績に関しては下方修正がある可能性があります。それでも、まあ仕方がないかぐらいの気持ちの心境です。含み益はありますが、含み益なんて幻みたいなもので、今まで積み重ねてきた配当金や株主優待を僕は見ています。

株主優待を廃止するんだから、下限を設けているので減配はさすがにないと思うのと増配はしてほしい気持ちはありますが、無理して背伸びして配当を還元はしないほうが良いと思います。

あとは自分の判断だと思います。オリックスより良い銘柄があるのだったら、自分が分析して納得したのであればそっちに切り替えるべきですし、預言者ではないので、最終的に何が良かったのかは振り返ってみてみないとわかりません。


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