現在アステラス製薬の株価は決算発表を受けて、株価が下落中です。やはり下方修正でてきましたか。
株価が下落して不安に感じられる方もいるかと思いますが、僕の考えを投資判断の中に入れているので少しでも参考になれば幸いです。
アステラス製薬【4503】2024年3月期第2四半期について簡単に解説していきます。
2024年3月期第2四半期について
売上収益は767,138億円(前年比0.6%増)、コア営業利益は510億円(前年比57.4%減),コア四半期利益316億円(前年比67.2%減)となり、増収減益となりました。売上収益に関しては増益でしたが、コア営業利益と四半期純利益に関しては1Qの増益から一転減益となってしまいました。
売上収益は1Qの際は前期比で減益でしたので、少しずつ改善しています。がん領域の3製品全体で売上収益に貢献しています。
2023年2Qの前立腺癌の治療薬イクスタンジに関しては3,609億円(前年同期比289億円増)で、期初予想の6,699億円から上方修正して、7,198億円となりました。
また骨髄性白血病の治療剤パドゼフに関しても327億円(前年同期比119億円増)で、期初予想の667億円から大幅に上方修正して、852億円となりました。
あとの3Q以降もグローバル売上は成長が見込めるようです。
ドイツとイタリアで保険償還(全額を支払い、あとで申請することで割引分を返してもらう)が開始して3Q以降に売上収益に貢献します。
ゾスパタに関しても263億円(前年同期比28億円増)で、期初予想の493億円から上方修正して、552億円となりました。売上の初期予想以上に各地域で新規患者数が想定以上のため売上収益が増加してます。
がん領域の3つの製品で売上収益は改善傾向にあります。
VEOZAHは閉経に伴う重度の血管運動神経症状(顔のほてり・のぼせ等)の治療薬です。
VEOZAHは2023年5月から販売開始しています。
2023年の2Qの実績は13億円となっています。VEOZAHに関しては、期初予想を下回り、テレビCMを米国で放送したがそこまでという感じです。テレビcm等の効果は12月以降を見込むとあります。
(アステラス製薬決算説明資料引用)
コア営業利益は510億円(前年比57.4%減),コア四半期利益316億円(前年比67.2%減)とかなり利益が減少してます。
主要製品が好調で1Qのときに利益も順調なスタートだったのになぜこんなにも利益が減少してしまったのか?
Iveric Bio社買収が原因となっています。主力製品であるXTANDIの独占期間満了で主要製品の売上は大幅に減少してしまいます。
それゆえに主要製品以外にも莫大なお金と時間をかけて新薬を開発する必要があります。そのためIveric Bio社を買収して新薬をリリースしております。
Iveric Bioは眼科領域に特化した治療薬の研究開発を行っています。8月に承認されて9月に販売したIZERVAYの売上は期待に沿った内容です。
将来的にIZERVAYのピーク時の売上は2,000-4,000億円を予想しています。
なので、利益に関しては、もしIveric Bioを買収しなければ、増収増益となっていました。(為替の影響もあるので、微増です)
Iveric Bionoの買収で無形資産が1兆5,325億円と前期と比較して1兆円近く違います。無形資産が大幅に増えたので無形資産償却費も大幅に増加しています。そして2023年の無形資産償却費に関しては600億円と予想していて、利益に費用として影響を及ぼしています。同時に借入金も大きく行っているので、支払利息も増えていきます。
しかし、それ以上に将来的に成長の見込みがあると考えてリスクをとって大きく動いるので期待はできます。
注意点としては、大型買収ですので、無形資産も大きく増加して、2024年度も800-1,000億円と計上します。2025年度でようやく損益分岐点がプラスになっていくイメージです。
また、もし万が一、新薬が思った以上に上手く行かなかった場合のことを考えたら一大事です。
岡村CEOの発言の通り、2023年は種まきの時期であるということは理解できました。また来期もまだアステラス製薬の利益は成長はまだ難しいです。しかし、2025年度以降はようやく損益分岐点を超えていきますので長期投資先として忍耐を強いられます。
しかし、今回の利益に関して大幅に減少したことは事実ですので、受け止める必要があります。
以前、アステラス製薬の動画の中で証券会社の担当者から予想値が見積もりが甘いのでは?と指摘がありました。
僕もそれについては同じ意見です。前回と今回の決算で下方修正2回はちょっとと思いました。製薬の予想の難易度は確かに高いのかもしれませんが、他の日本の製薬大手の会社はそこまで予想値は甘く見積もっていないような気がします。
投資判断について
アステラス製薬の株価は現在1,851円(2023年11月2日)で配当利回り3.78%です。昨日の決算より前から株価は下落傾向にありました。今回の下方修正を受けて株価も下落しています。
最近ではあまり株価は場中のものは見ていないので何とも言えないですが、大きく下がったタイミングがあったはずです。僕の投資判断は継続して投資をしていきます。今期の2Q決算の内容からは結果としては内容は良くありませんでした、しかし今は種まきの時期であるというのであれば投資の機会としては投資をしていきたいと思っています。
ただ、アステラス製薬の投資はどうかと聞かれたら今から投資をしようとする人にはあまりおすすめはできないかなと思います。
おそらくここからアステラス製薬の株価は下がる可能性も大いにあります。
今期の配当は維持はおそらくしてくれると思いますが、利益がそこまで出せていないので増配率はそこまで高くないと思います。
アステラス製薬の今後の業績は来期になってもまだ、実りあるものになるのは難しいと考えています。
2,3年後にようやく何とかという感じだと思います。
また、今回で理解したのは、決算説明資料の数字はけっこう予想値が難しいからか精度は高くないのであまり鵜呑みはできないです。資料の中に良いと書いてあっても、疑って読むべきです。
今回買収した会社も失敗する可能性もあります。となれば、今すぐに急いで投資をするべきではないです。
含み損があるからと負けを取り戻すように結果をすぐに求めるあまり、感情的にナンピン買いで投資をするべきでもありません。
僕は現在900株保有していますが、含み損は10万ほどで、以前花王で失敗したのと比べるとかわいいものです。
アステラス製薬の投資は忍耐力が求められると理解しました。
今の僕のアステラス製薬の投資指針は短期では超悲観的に見て、中期では悲観的に見て、長期では楽観的に見ています。
おそらく、大体の人はアステラス製薬に対して、期待をしていなくなってきていると思います。
だからこそ、安くなった時に株数を増やしていきます。
利益は減っていますが、売上に関しては少し改善の兆候が見えます。
配当に関しても同様に短期ではあまり増配しないかもしれず短期で超悲観的に見て、中期では悲観的に見て、長期では楽観的に見ています。
こんなに株価が下がって何がディフェンシブ銘柄だと、投資家は思っていると思います。
僕もそれについては考えていました。
ただ、反省すべきは自分で、ディフェンシブ銘柄という勝手にラベルが貼られて、そういう勝手なラベルの範囲の中で考えているのと僕の考えの浅さは反省すべきでした。
もし、忍耐力を求められて、2年後、3年後に結果が実るかもしれませんが、もしかしたら結果が実らないかもしれません。だから、アステラス製薬の投資は忍耐力求められる時期だと理解しました。
2、3年後なんて待てないよという人は、アステラス製薬の投資はやめておいたほうが良いかもしれません。今アステラス製薬を投資をしている人はもっと早く資産を拡大したと思うのであれば無理して保有しないで他の良い投資があるのであれば別に乗り換えてもいいかもしれないです。
僕は2、3年後いや5年後も保有し続けようと思います。仮にここから株価が大幅に下がり、株価が1,600円になったらそれは買い場だと思います。
業績が急激に悪化して、新薬も不調で、さすがに倒産まではないと思いますが、かなり危機的状況であれば損切りすると思いますが、保有し続けます。
以前、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントで投資先を区別して投資をしていくものを考えてみましたが、
現在投資先に問題児、花形、金のなる木、負け犬として区別しています。
問題児–株価の上昇や増配に期待できるがまだまだ成長していない、含み損になり可能性もあり、負け犬に移行する可能性もあり
花形-大きな配当金があるが、追加の投資をしていくひつようある。成長見込みあり!
金のなる木-成長の見込みないが配当が大きい!株価の成長は期待できない
負け犬-大きく含み損を抱えて、業績も全然期待できず、配当利回りも低い
現在の僕の投資先の内訳は下記のようになります。
花形-NTT、伊藤忠商事
問題児-アステラス製薬、KDDI、内外トランスライン、日本製鉄
金のなる木-JT、三菱UFJ銀行、兼松
負け犬-オリックス
以前兼松は投資先として問題児の部類でしたが、増配もして配当利回りも高くなったので金のなる木に移行しました。アステラス製薬は花形に移行になるかなと思ったのですが、まだ芽は出ていないようでした。KDDIが今後増配して株価も上がっていけば花形としてのポジションにいると思います。
ここで急になぜ今の資産の内訳を出したのかというと、アステラス製薬を保有し続けられるのは、他の銘柄が育ってきているのもあって、リスクのある投資先から金のなる木へ育てていくというつもりで投資をしているからです。
来年の新NISAで最初から高配当である金のなる木に分類される投資先に2社投資をしようと思いますが、基礎の土台が形成されていけば、投資先が含み損になっても、問題はないと思います。
バランスが大事で、個別の結果ではなく、ポートフォリオ全体で資産が増えているかが重要です。
今順調な商社株もいつかは円高とかになったり、戦争がさらに激化すれば、それは業績はわかりません。資源が大幅に安くなって、業績もかなり落ち込んだ年もありました。
栄枯盛衰でサイクルがあり、循環して、流れています。今が順調な会社に投資をするのも良いですが、先回りして次成長な会社に投資をしていくのも良いのではないかと思います。
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