現在累進配当を発表している会社を取り上げて投資判断を考えてみたいと思います。
累進配当政策とは減配をせず現在の配当水準を維持しつづけ、増配するというものです。
こういう材料があると長期で安心して持ち続けることができるできます。
累進配当株は人気がありますが現状から投資ができるか見ていきたいと思います。
伊藤忠商事【8001】
伊藤忠商事の株価は3,850円。配当利回りが3.64%、PBR1.25倍、PER7.1倍です。
配当性向は25%~35%の範囲です。
伊藤忠商事は累進配当政策と一緒にステップアップ下限配当を宣言しています。つまり増配しつつも、前年度の配当は減配しないというものです。2022年度は120円を下回らない、2023年度は130円を下回らないと宣言してます。
業績の堅調さから配当性向も高い印象もなく無理なく増配するだけでなく、累進的に配当をする素晴らしい会社ですね。
株価も業績と共に株価も上昇していて、業績が芳しいようです。
epsも右肩上がりに成長しています。素晴らしいです。
まだまだ会社の潜在的価値があると考えると今後が楽しみです。
現在の配当利回りは3.64%と高いというわけではないですが、長期保有を前提であればよい銘柄だと思います。現在僕も400株程保有していて、3310円が取得単価ですので、利回りが4%を超えています。
長期保有を継続していればいずれ5%も通過するでしょう。
長期投資先として割安感はないですが、まだまだ増配の余地があるのと株価も上昇余地があるので買える水準です。
三井住友FG【8316】
三井住友FGの株価は4,141円。配当利回りが5.31%、PBR0.46倍、PER7.8倍です。
配当性向は35%~40%の範囲です。配当性向は少し高くなりつつあり、厳しいのではないかという印象です。増配も行っていくと思われますが、増配率はそこまで大きくはないと思われます。
大手銀行自体はつぶれるということは考えにくいのと、業績自体は堅調に推移していて長期保有を前提とすれば長期保有株としてはおすすめです。
epsは横ばいの傾向ですので、今後利益率を改善しないと配当は増配をするには少し厳しいです。
主要ポートフォリオとして買うのであればよい投資先だと思います。
僕の場合は、あまり金融セクターに偏らないよう分散的に投資をしています。
リーマンショック級の出来事の時にポートフォリオとして偏っていたら瀕死の状態になってしまいます。
三菱商事【8058】
三菱商事の株価は4,206円。配当利回りが3.57%、PBR0.82倍、PER7.3倍です。
配当性向は約35%です。配当性向が高い時期があり100%を超えたときもありましたが、減配をせずに配当を還元しています。ただ、2016年には赤字になり減配してしまった過去があります。そのような教訓があったためか、配当性向が100%超えても還元を行いました。
伊藤忠商事を意識して株主還元も手厚く行っていますが、どこまでついてこれるでしょうか。
資源事業の好調さが業績をけん引している三菱商事と非資源割合の多い安定感のある伊藤忠商事だといずれ、三菱商事は増配をし続けることは厳しくなるのではないかと懸念しています。
三菱商事は良い会社だと思いますが、投資するのであれば伊藤忠商事かなと思います。
配当利回りも現在だと伊藤忠商事のほうが良いです。いずれ株価も三菱商事を追い越していくと思っています。
稲畑産業【8098】
稲畑産業の株価は2,573円。配当利回りが4.47%、PBR0.82倍、PER7.2倍です。
配当性向は約25%~35%です。
配当性向を50%まで還元するという会社の指針からは株主還元意識の強さを感じます。
ただ、1株110円という大幅に株主還元を行っていますがかなり懸念しています。
政策保有株式の削減で有価証券売却益があって110円まで配当を出しています。2027年度まで削減を80%行うとありましたが、その後がとても心配です。減配になったときには株価が大きく下落する可能性があります。短期の期間であれば持つのには良いと思いますが、5年後10年後を見据えると長期で保有するには少し不安要素が大きいです。
そんなに還元して大丈夫かなというのが率直な意見です。さらに累進配当をするとなると、かなり厳しさを増すのではないかと思います。
以前は欲しい銘柄に入って狙っていましたが、配当性向を50%目指すという時点でねらうのを辞めました。配当が右肩上がり成長するのはありがたいですが、急激に上げすぎて無理しすぎました、だから減配しますというイメージしかわかないです。計画的なのかと思ってしまい、購入はためらってしまいます。
まとめ
累進配当株の現状と投資判断を考えてみました。
累進配当の会社だけあって、とても魅力ある会社が多いです。
人気になりつつあるので割安感もなくなっているのも事実ですが、長期投資という観点から考えると配当を受け取りつつ持ち続けるというスタンスであれば投資先として魅力はまだまだあります。
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